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メンバーから”モンスター”と言われ人が離れていった過去。「信頼」を学ぶまでのストーリー

こんにちは!Willboxの七瀬です!
このnoteでは会社のこと、働くメンバーのことなどWillboxについて発信しています。

今回から「CEO STORY」というマガジンを新設。代表の神が、ITスタートアップを経営していく中での、失敗やしくじりなどを含め赤裸々にお話していきます。

2019年11月にWillboxを立ち上げ、代表が”モンスター”と呼ばれ、メンバーが全員辞めていった過去があります。当時はとにかく数字、数字、数字。誰にも任せずマンパワー状態でした。

そんな代表がメンバーのとある一言でハッとし、ただの数字で築く関係性ではなく、互いを理解し築く信頼の大切さに気づいた出来事のお話です。


<プロフィール>
神 一誠(Motonari Kami)
1989年生まれ、神奈川県横浜市出身。大学卒業後、ディップ株式会社にてアルバイト求人広告バイトルの法人営業に従事。その後、株式会社マイナビにて新卒採用サイトマイナビの法人営業に従事し、当時最短最年少で支部長に就任。その後、家業の総合物流会社を経て2019年にWillbox株式会社を設立し、Gihoを2020年から提供開始。

数字に執着するモンスター

セールス畑出身の私は、とにかく数字、数字、数字。事業計画のKPIは必達するのは当たり前で、1円でも下回ることは許さない、いわゆるモンスターでした。

私が弊社のプロダクトである「Giho」にかける想いと志は人一倍強いと自覚しています。必ず業界を変えるんだという使命感もあり、これは創業から変わらず、4期目になった今でも熱量はグツグツと高まっています。事業が成長していくほど業界からの期待を肌で感じますし、今でもヘルメットを被って現場に行くので、お客さまからの声を直接もらえると嬉しいですね。

そんな中、やはり数字が無くては、事業もそうですし、メンバーやメンバーの家族に冷や飯を食べさせることになります。経営者として勝手な責任感と焦りがありました。

そういった背景もあり、私はとにかく「MAX値」を求める傾向がありました。起業当初はとくに「数字」に対して厳しく、「こうすれば業界を変革できる」というゴールが見えているのに、数字を出せない自分たちにイライラし「なんで死ぬ気でやらないの?」と当たり前のように発言していました。

起業初期のメンバーはこのやり方に嫌気がさし「あなたと働く人はいない」と言われ、退職していきました。当時の自分は何を言われても響かず、結果としてオフィスで一人過ごす日々。その後、今のコアメンバーが入社してくれたのですが、数字への執着は止まることなく、どんどんモンスター化していきました。

誰にも仕事を任せない。「自分でやった方が早い!」

Willboxは初期フェーズでは、国際物流の売上が全く立たない状態で事業を行っていました。アウトバウンドのセールスを中心に、大手製造業への開拓をしていたのです。テレアポはもちろん自分が率先して実施し、メンバーのリストまで食い散らかす事態。どんどんモンスター化が進み、歯止めが利かなくなります。

また、メンバーに結果を残させるより「自分がやった方が早い!」と案件やアポを巻き取る始末・・・。最低です。メンバーをライバル視して、勝手に負けてたまるか!と量をこなす日々が続いていました。その他コーポレート業務、採用など会社運営に関わることから、現場までメンバーに任せることを躊躇い、全て自分がやるというパワープレイにでます。

さらに、投資を受け、何がなんでもコミットしなければいけないというプレッシャーで思考は崩壊し毎日責任とプレッシャーで自分を保つのがやっとの状態。メンバーの育成や、管理するということに余計なストレスをかけないように必死でした。その結果が「誰にも何も任せない。自分でやった方が早い」という鬼の思考に変化していきます。

わざわざリスクを取ってスタートアップに入社してくれた苦楽を共にするメンバーの信頼を大幅に失い、かつ自分一人で仕事を進めようとする傲慢さで思い通りの事業進捗はしないという大惨事になりました。

数字でしか築き上げられなかった関係

モンスター化が止まらなくなり、メンバーとは数字でしか関係を築けなかった当時、あるメンバーが体調を崩し、復帰の際に距離感を感じたため1on1を実施しました。

そのメンバーから開口一番に「神さんって、私の何が見えていますか?信頼してくれてますか?」と。その時、モンスター化していた私は珍しくフリーズ。質問に答えられない自分がいたのです。少し思考がめぐり「確かに!」と思い、そして全てが腹に落ちました。

自分は、極論メンバーがミッションを実現できなくても「自分がやればよい」と信頼のカケラもないことを思っていたんだと気が付きます。

「本当に背中を預けようと思っているのか?」「本当にメンバーの気持ちを大切にしているのか?」「メンバーを理解しようとしているのか?」数字という表面しか見ていない自分に腹が立ち、これまでの自分の行動を本当に悔やみました。

その日を境にメンバーとの信頼関係について考えるようになったのです。

特に「時間を共有する」ということについては、深く考えるようになりました。ずっと体育会系だった自分には、スマートな解決策が打ち出せなかったのですが、仕事やプライベートの悩み、今思っていること、会社のビジョン、私の思考などメンバーの興味のある項目に沿って、あらゆる情報を共有し、まずは自分自身のことを知ってもらうことにしました。

1on1でもメンバーの様々な悩みを一緒に考えるようになり、お互いに「数字」でしか成り立たなかった信用を、人間としての理解に近づける信頼へ変えることに努めたのです。

本当の「信頼」をメンバーから学ぶ

本当の「信頼」に気づき、今ではモンスター化していた当時から付いてきてくれているメンバーがいること、今いるメンバーに心から感謝しています。

Willboxではマネージャーやプロジェクト責任者に大きな決裁権が与えられます。与えられた枠の中で、走り切るように考え全てを動かしていくのです。一般企業では経験できない幅だと思いますし、この文化が根付きだしたのは、メンバーからの指摘をもらってからでした。

私の「信頼」の裏返しには責任や権限を与え、何かを任せるということで成り立ちます。家を出て、小さな会社でも大きな会社でも、社会の中で何かを任されるということは、とても素晴らしいことだと考えています。

そこにはお互いの信頼関係があって初めて成り立ちます。成功しても失敗しても、全てを許容する状態になっていないと、信頼とは呼べません。今ではこの言葉の意味がとても理解できています。


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