夜明け

生きていてなんとなくモノローグ的に頭の中に流れてるものの文字起こし。

夜明け

生きていてなんとなくモノローグ的に頭の中に流れてるものの文字起こし。

最近の記事

もう、恋愛なんてするもんか!

一年前、大層心を削る恋愛をした。その人のことが好きで、特別で、甘えて、わかって欲しくて、きっと執着もしていたのだと思う。 たった一度の「あぁ、この人は私の味方ではないのかもしれない」という疑念を振り払いたくて、自分でも気づかないうちに彼のことを試していたこともあったかもしれない。 それまで、私は人は話し合えば分かり合えるものだと信じて疑わなかった。でも、心を尽くして話をしても私の伝えたいことはなかなか届かなかった。「気持ち」や「心」などという、ぼんやりとして曖昧なものを、

    • 君の寝顔に胸がざわつく

      両親との関係や家庭環境が恋愛に影響するのはよくある話だ。 小さい頃、うつ病の母親が昼寝から起きるのをよく待っていた。 声をかけられなくてそばでそっと寝顔を見ていたり、ちょっと腕をつついてみたりしていた。 目覚めた母は、ハッとして「もうこんな時間?!ごめんね、夕飯作るね」と言ったり、「起きなきゃ、おきなきゃ…」と呟きながらまた意識を手放すことも多かった。 胸の奥を撫ぜられるような、ムズムズが湧き上がってきて、寂しかった。 時々私が駄々をこねるととても申し訳なさそうに「ご

      • スーツを纏っても大人にはなれない

        小さい頃、私が見ている世界と他の人が見ている世界は本当に同じなのだろうかということをよく考えていた。 あの看板の青は本当は何色で、私の隣にいる人は私と同じようにあの青が見えているのだろうか。それを確かめられないことが不安で仕方がなかった。 でも、成長するにつれてその疑問は忘れられた。そんなことよりも人間関係やテスト範囲について心を砕くことの方が多くなったからだろう。 行きたいと思っていたそれなりの大学は無事に卒業したが、人と同じ速さでは就職活動をしなかった。スーツを着て髪を