見出し画像

2025.03.01 幸せとは何か? 最適な人生の見つけ方 空飛ぶ車いすからのメッセージ

最近読んだ本の紹介&感想です。2024年8月に出版された、木島英登(あだ名はきーじー)さんの本です。

きーじーは高校3年生の時に脊髄損傷して半身不随となり車椅子生活になりました。その後の人生を車椅子で、世界順を旅して過ごした際の気づきや人生観が描かれているエッセイのようなお話でした。途中でマンガも挿入されていて1時間くらいで読み終えられそうなボリュームです。

障害は「乗りこえなくてはいけないもの」ではなく、ありのままの自分を「どう受け入れ」「いかに自分らしく生きていくか」です。

 同じ物でも見方を変えれば、良くも悪くもなる。日本の常識が世界の非常識になる。世界の常識が日本の非常識になる。世界への旅で、多様な価値観に触れる経験をしたことが、私にとって自分なりの価値観を形成する礎になりました。

幸せとは何か?(神戸大学出版会)P59

自分が他の人とは違う環境で生きていくことを余儀なくされ、175カ国もの外国を訪れるその中で感じたことが真っ直ぐに描かれていて共感でした。

人間の価値は数字では測れません。本当の価値は目に見えないもの。信頼できる友達が多い。困っている時に助けてくれる人がいる。家族の仲が良い。周りから尊敬されている。他者に勇気や希望、笑顔を与えられる。(中略)その人なりの良いところがあるはずです。それが見つかったとき、幸せだと言えるでしょう。

幸せとは何か?(神戸大学出版会)P23

「人より優れていること」を目指すのではなく、「人とは違うこと」を目指しましょう。優れていることを目指すのは、競争することが前提です。競争の中で勝たないといけません。しかし勝つのは一握りの人だけ、多くの人が負けるのが現実です。競争に巻き込まれることなく、人と違うこと、ユニークであることを意識しましょう。

幸せとは何か?(神戸大学出版会)P26

私がアメリカ留学している時に思ったこと。それは、「あれ?私ずっと自分を普通だと思っていたけど、そもそもここではマイノリティじゃん!」 今まで常識と思っていたことが通用しない、良いところ、と思っていた日本の特徴に疑問を持つ、周りの目なんか気にせず好きな格好をしているアメリカ人に驚く、など異文化の中に身を置いたからこそ感じられたであろうことがありました。

きーじーもマイノリティのことを書いていました。

世の中が多様になり、マイノリティとされてきた人が、きちんと声を上げられるようになりました。それは素晴らしいことです。
 一方で、漠然とした「正義」が、ネット社会でうごめくようにもなりました。自分こそが世界の基準だというように振る舞い、「弱者」は守られて当然であり、守ってくれないことを悪として攻撃をする。「正義」も時代や環境によって変化します。他人に押し付けるものではありません。

幸せとは何か?(神戸大学出版会)P39

ここでは深くは語りませんが、 ワーママvs子なし女性 の構図がよく世の中で取り沙汰されます。どちらも権利を主張しがちです。自分の立場を守りたいのは当然なのですが、マイ正義を相手に押し付けないようにしたいなぁと思いました。

最近、テレビもネットも週刊誌も騒がしいですね。私はもともとあまりSNSにかじりつく習慣と時間がないので、インスタはおそらく1日5分くらい、Facebookは週1見るか見ないか、程度。だからなのか、ネットから精神的ダメージを受けることはほぼありません。ネットのネガティブな面について、きーじーはこのように書いていました。

ネット上に溢れる、実際にやったことのない人の中途半端な意見は、間違ってるだけならまだいいのですが、ただ単に否定的で弊害でしかありません。(中略)何かをしようと思うと、必ず否定的な意見を言ってくる人はいます。それっぽい理由を並べますが、本心では自分が取り残されるのが怖いという心理で、他人の足を引っ張っています。

幸せとは何か?(神戸大学出版会)P35

ネットで他人の批判ばかりする人は、バッシングする対象が見つかれば、相手が誰でもよく、正義という言葉を使って、自身の行動を正当化しています。世間という価値観に捕らわれて不自由を強いられており、現実社会でうまく生きることができず不満を抱える。事実がどうあれ叩きやすいものを叩いて嘲笑する。匿名で群れて叩く、その構造はイジメと似ています。

幸せとは何か?(神戸大学出版会)P39

ネットが自然にある世界で育っている今の子ども世代は、この先どうなっていくのだろう。ネットリテラシーを高めて、心が不安定にならないような共存の仕方を、我が子には身につけてほしいけど自分が子どもの頃とは違いすぎて、親としてはちょっと不安です。

最後は、きーじーからの素敵なポジティブメッセージでこのnote記事を締めたいと思います。

自己を肯定すること。他人からどう評価されているかではなく、現状の自分自身に満足できているかどうかを基準に考えます。この自己肯定感が低いと、自分を愛することができず、認めてあげることができません。
(中略)
自分を責め過ぎない。物事を肯定的にとらえる。過度な謙遜はしない。褒められたら素直に喜ぶ。そうしていくと、自分を好きになる。自己愛が高まります。

幸せとは何か?(神戸大学出版会)P60

引き続き、自己肯定感高めで突き進みます!

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集