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本とワインと傘を巡る旅~ポルト~③
私にとってお酒は無かったら無かったでそれでも構わないぐらいのポジションではあるのだが、体質的に飲める方であり、また仕事柄多少なりとも知識があった方が良いので、必要な際にはそれなりには嗜む。
そしてどうせ飲むのであれば、好みの味のものを嗜みたい。という事で、前述のコメントと矛盾する様ではあるが、飲む時は色々と比較して、自分好みの味を探したり、それがなぜ自分にとって美味しいのか、味を表現するための言葉を考えたりするのが好きなのだ。
まぁ、前置きはこのくらいにして、やはりポルトに来たからには試しておきたいのはポートワイン。日本ではそこまでメジャーではないため、どんな飲み物なのかそもそも知らない人も少なくないかもしれない。自分は確か7-8年前にクリスマス前のロンドンで、ルビーポートを飲んで衝撃を受けたのがきっかけで、日本に帰ってからポートワインとはなんぞやというのを少し調べてみた事が、このお酒への興味の発端である。
めちゃくちゃざっくり説明すると、ワインの発酵過程で、ブランデーを入れて発酵を止めるため、①葡萄の糖分が残って甘い②アルコール度数が通常のワインよりも高い(20%前後)③そしてアルコール度数もやや高めのため、普通のワインよりは保存し易い、とまあこんなお酒だ。日本ではSandemanやGraham'sあたりが大手飲料会社がインポーターとなって入れているので、特に目にし易いブランドかもしれない。私はとりあえず今回は、Graham'sのPort Lodge Tourを事前に予約し参加する事にした。
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ポルト市内、ドウロ川南岸にはまさにさまざまなポートワインメーカーのロッジが並んでいる。ポルトの中心街からワインロッジが立ち並ぶドウロ川南岸に行くにはドン・ルイス1世橋を渡る必要があるが、この橋は上下二段の構造になっており、どちらも徒歩で渡る事ができる。
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上から橋を渡った場合は、ポートワインのロッジが立ち並ぶ岸辺まで坂道を降らなければならないが、もう一つの方法は、橋の袂にロープウェイ乗り場があり、ドウロ川の南岸を西に向けて下る事もできる。
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Gramham'sのツアー日程は翌日だったが、この日は折角なのでワインロッジが立ち並ぶ南岸を散歩する事にした。
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日中、暑い中散策していると流石に疲れてくる。そこで気まぐれに寄ったのがKopkeの店舗だ。ここはポルトで最も古いポートワインメーカーなのだが、ここには倉庫を持っていない様で、この小さな店舗での試飲のみとなる。
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予約があった方が確実に試飲ができるらしいが、無くても空きがあれば入れてもらえるとの事。今回は平日のため飛び込みでも運良く試飲する事ができた(店舗1階でのボトルの買い物自体は誰でも可能)。
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私もあまり知らなかったのだが、メーカーによって得意(あるいは有名)な種類があるらしい。このKopkeはColheita(葡萄の収穫年が単一で、7年以上樽熟成されたものらしい)という種類のポートワインが得意との事。ワインの下に敷く紙に説明書きはあるのだが、お店の方がそれぞれ簡単に説明をして下さった。今回、私は5種類のコースを試したが、ポートワインはアルコール度数もやや高めなので、慣れない人は3種類セットぐらいにしておくのがお勧めだ。(私も申し訳ない事だが、あまり口に合わないのは全部を飲み切るのは辞めておいた。。。)
また白のポートワインはここで初めて味わったが癖がなく、甘みもそれなりにあって意外と飲みやすかったので職場へのお土産用に一本購入。
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こじんまりとした店舗の2階がテイスティングルームになっており、静かで落ち着いた雰囲気でポートワインを楽しむ事ができる。喧騒を避けてゆっくりとした雰囲気の中でポートワインを味わいたいなら、ここはうってつけのお店かもしれない。(とここまで書いてGraham'sに辿り着く前に疲れたので続きは後日)
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