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稲作の豊かな実り

米は食べれば糧になる。
でも米作りはそれだけじゃない。
藁は再び微生物の住処へ。
戻す場所は田んぼでも畑でも。
ばら撒けば分解され、敷けば防草にも使える。
長さを揃えて一つに束ねれば、ほうきだって作れる。
大きさも長さも、色合いも自由自在。
次は飾り物か、かご作りか。
水に浸して紐代わりにして、野菜を束ねてもかわいい。
籾殻は、つい最近まで預かっていた、ひよこの敷き布団に。
フカフカで、歩くたびにカサカサ音がした。
あっという間だったひよこ保育園。もう音はしないけど、残された籾殻は、同じく残されたプリっとうんちと一緒に庭にまいちゃえ。(昔話的発想)
それでもなお有り余る籾殻は、燻炭にして肥料に。
種籾は、来年、再来年の糧になる。
田んぼは、米を作るためだけの場所ではなかった。
そこには多様な生き物が集まる。コミュニティも生まれる。
労働集約型で手作業だからこそ生まれる間合いと、交わすことができる会話があることを、田んぼを通してでなければ知り得なかったかもしれない。
今日も、通りすがりの人に何回声をかけられただろう。
今日も田んぼは生きていた。
2年目でようやく腹落ちした、あんなことやこんなこと。
ありふれたようでも、当たり前じゃない。
小さいようだけど、取るに足らないことじゃない。
そして今日新たにふと気づいた。いつの間にか、名は体を表してる・・・もう苗字変えられないな。

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