"神の見えざる手"
ーオレとアチキの西方漫遊記(36)
休暇も残すところわずかになり、奥さんの快気祝いを兼ねた今回の旅行もいよいよ終盤戦を迎えた。旅行中、幾度となく寄り道した"ツケ"がたまり、この日の夕方までに京都を発つことで、これを支払う羽目に。滞在24時間未満。慌ただしいこと、この上ない。渡月橋(京都市右京区)を満喫した後、二人で相談することなく、"神の見えざる手"に導かれるように向かった先は、嵯峨野観光鉄道嵯峨野観光線のトロッコ嵯峨駅(同)だった。
前回のお話:「絵になる京都」/これまでのお話:「INDEX」
トロッコ電車
トロッコ電車に乗ろうー。不思議なことに、振り返ってみても、奥さんにそう提案した記憶がない。ただ、渡月橋を見学した後、夫婦で話し合うことなく、揃って足取りがトロッコ嵯峨駅に向かっていた。奥さんは「前日に相談していたんじゃないの?」というが、それはない。話し合う以前に、奥さんはすでに熟睡していた。一体、どの口がそんなことをいうのだろうか。
思うに、そうなった伏線がないこともない。というのは、以前、富山にいる同僚を訪ねて一人で遊びに行き、「黒部峡谷トロッコ電車」に乗った動画を見せた際、奥さんがとても羨ましがっていたのを覚えていたからだ。次回は一緒に行こうと機会を伺っているうちに、奥さんは入院、そして手術(※)。それが心に引っかかっていたのは確かだ。
夫婦揃って自然にトロッコ嵯峨駅に向かった理由のすべてがそれでないにしても、自分を納得させる”落としどころ”としては悪くない。だから、そう思うことした。渡月橋からトロッコ嵯峨駅まで徒歩15分程度。道中、地元の肉屋の前にコロッケを買うための列ができていた。当然、並ぶ。そして食う。わが夫婦の共通意識:
この程度は寄り道とは言わない。(続く)
(写真〈上から順に〉:キャラクターのエンブレムを装着し、ちょっと"イタい"感じのトロッコ電車=りす、コロッケを買う列ができていた肉屋。よく知られたお店らしい=同)
関連リンク(前回の話):
「オレとアチキの西方漫遊記」シリーズ:
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