高知新聞008-down-side

トレードオフに打開策を

ーオレとアチキの西方漫遊記(12)

わずかであっても自然に人の手が加わると、どうしても"ありのまま感"が薄れてしまう。だが、そのおかげで、老いも若きも"一定の自然"に触れ合う機会が増え、その素晴らしさを享受できる。現時点で、これは逃れられないトレードオフの関係だろう。「仁淀ブルー」を堪能できることで知られるにこ淵(高知県いの町)は今、その渦中にあるように見える。

前回のお話:「秘境と観光地」/これまでのお話:「INDEX

事故対策

「水質日本一」仁淀川は水が青く澄んで美しく、その水系にあるにこ淵は、仁淀ブルーを楽しめる観光地として人気がうなぎ上りらしい。高知新聞によると、この淵に向かう急斜面の山道で転倒・滑落事故が増えており、いの町は早ければ2019年度中にも金属製の階段を設置するようだ:

実際ににこ淵に行って、確かにこの淵に向かう山道は老人、子どもには幾らか危ない。そう思うと、安全対策が強化されれば、以前に比べて足が弱くなってきた両親、膝を手術した義母を安心して連れてこれる。この淵の景色を見て腰を抜かす姿を思い浮かべると、つい笑みがこぼれそうになる。

イノベーション

その一方で、転んだり滑ったりしそうな山道には秘境感があり、それも含め、にこ淵の魅力と感じる。そこに金属製の階段が新たに備え付けられると、その分、魅力が損なわれかねない。秘境感をそのままに、安全・安心に素晴らしさを体感できるイノベーションがあれば良いのだが。

今後の技術開発などに期待したい。(続く)

(写真:注目されるにこ淵に向かう山道の安全対策=りす〈イメージ、高知新聞の画像を元に作成〉)


俳句TOP005

俳句で"オレアチ漫遊記"(伍)

奥さんの快気祝いを兼ねた旅行の写真のうち、"note仲間"のやまきちさんが今回のコラボ企画でチョイスしたのは、にこ淵に向かう山道で見つけた彼岸花(曼珠沙華)の画像だ。群れをなすように咲いている彼岸花を四国八十八箇所を訪ね歩く「お遍路さん」に例えたところがポイントという。

赤い花の句

(題材:「オレとアチキの西方漫遊記(11)ー秘境と観光地」)

9月中ごろに花が咲く「曼珠沙華」は秋の季語。毒を持つことでも知られている。調べてみると、「赤い花」「天上の花」という異名があり、めでたい兆しとされる一方、「死人花」「地獄花」「幽霊花」「蛇花」「狐花」などと呼ばれ、不吉な花とされることがあるのは、有毒との関係か。

花言葉は「情熱」「独立」「再会」「あきらめ」「転生」のほか、「悲しい思い出」「想うはあなた一人」「また会う日を楽しみに」など。こうしてみると、この花にどこか"メンヘラ属性"を感じるのは、自分だけだろうか。これについて、今のところ、やまきちさんの言及はない。

(写真:りすとやまきちコラボ企画のイメージカット=りす)

題材リンク:

俳句で"オレアチ漫遊記"」シリーズ:

(※「オレとアチキの西方漫遊記(8)ー推しの宿と癒しの景色」に「俳句で"オレアチ漫遊記"」(弐)」を含む)

(※「オレとアチキの西方漫遊記(9)ー大蛇が棲む淵」に「俳句で"オレアチ漫遊記"」(参)」を含む)

「オレとアチキの西方漫遊記」シリーズ:



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