何食べる?星を見ながら楽しむ"宇宙メシ"
サッカーW杯ロシア大会が始まり、国際宇宙ステーションの長期滞在ミッションから帰還したばかりの宇宙飛行士・金井宣茂氏が、ツイッター上で「日本チームはもちろんですが、どのチームも頑張れー!」とメッセージを書き込んだ。各国の代表チームにもエールを送ったのは、"同じ釜の飯"を食った仲間の国も応援したいといったところだろう。金井さんはロシアのアントン・シュカプレロフ船長ら5人の外国人と助け合いながら、危険と隣り合わせの宇宙ステーションで半年間過ごした。だから、ありきたりな言葉であるものの、金井さんが言うとちょっとカッコいい。
同じ釜の飯を食う
金井さんはロシア、米国のクルーたちと生活を共にし、そこで協力して作業するなどした。だから、クルーたちとは"同じ釜の飯を食う"という例えがよく似合う。でも宇宙ステーション内で、大鍋で煮た食材を一緒にハシでつつき合って食事することなどなさそうなので、ちょっと違和感もある。とはいえ、助け合って初めて生活できる環境であることには違いない。そこに互いに信頼し合える関係があるのは想像しやすい。
だからこそ、「どのチームも頑張れー!」という言葉に好感も湧く。ちなみに、宇宙航空開発研究機構(JAXA)によると、宇宙ステーションでの食事は当然、宇宙食。プラスチック容器に入った食材を水やお湯を加えて元に戻したり、オーブンで加熱したりして食べる。果物やパン、ナッツなど、そのまま食べられるものもあるとのこと。決して最高の食事ではないけれど、思ったほど悪くない。
飲み物など液体を飲むにはストローを使うとのこと。周りにこぼして機器の故障を起こさないようにするためだ。今後、国際宇宙ステーションでは約300種類のメニューを準備することになっているらしい。熱いスープを飲む場合はどうするんだろう、まさかストローで飲めというんではないだろうなという疑問はさておき、宇宙での食事をめぐってはいろいろと気を遣うことが多そうだ。
星を見ながらステーキを
松本零士原作のアニメ「銀河鉄道999(スリーナイン)」で、主人公・星野鉄郎は、スリーナインの食堂車で地上に居る時と同じように飲み物を飲み、ステーキを平らげていた。田中芳樹原作の同「銀河英雄伝説ディ・ノイエ・テーゼ」では、メインキャラクターの一人であるヤン・ウェンリーが作戦司令室で普通に紅茶を飲んでいた。
テクノロジーの急速な進歩により、今や、民間企業でも宇宙ロケットを頻繁に打ち上げられる時代になり、かつてアニメで表現された世界が徐々に現実味を帯びてきている。鉄板の上でジュージューと音を立てている熱々のステーキ。そして食後の紅茶。宇宙空間でたくさんの星を眺めながら、それを楽しめる日が待ち遠しい。
奥さんに宇宙ステーションで星を眺めながら食事を楽しむことついて聞いてみた。すごく良いとかロマンチックとか、そういった言葉を想像したが、予想通り、それは裏切られる。奥さんはきっぱり:
(`_´)、、、やっぱり、お寿司よ、お寿司!
どうも、ここのところ、"寿司欲"が募っているらしい。ただ決して食べたい"宇宙メシ"のメニューをたずねたわけでない。それに「やはり、生ものは無理か」とつぶやきながら、一人で悶々とする必要もない。
(写真〈上から順に〉:キャンディーを食べる宇宙飛行士=JAXA SPACE STATION、宇宙飛行士・金井宣茂氏のツイッターから抜粋、紅茶を飲むヤン・ウェンリー=アニメ「銀河英雄伝説ディ・ノイエ・テーゼ」から抜粋、食べログ)