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『ミラーマン』愛
円谷プロダクションが製作した特撮ヒーロー番組『ミラーマン』。主人公の鏡京太郎を演じた俳優・石田信之さんが大腸がんからの多臓器転移のため、亡くなった。68歳だった。16日の報道で知って驚いた。実に寂しい。
寂しさの源
ミラーマンはリアルタイムでこそ見られなかったが、お気に入りのヒーローの一人。カガミがなければ変身できない設定が良かった。必要なときにいつもカガミがなく、見るたびにハラハラさせられた記憶がある。
主人公の鏡が新聞社に勤めるカメラマンだったところも、ヒーロー番組の割に現実味があり、感情移入しやすかったと言える。ウルトラマンでいう科学特捜隊の隊員では、これほど身近に感じられなかったに違いない。
いま作品を見返そうと思えば、DVDで幾らでも見返すことができる。だが、それでも心に穴が開いた感じがする。それはきっと石田さんの死を通じ、幼少期から若年期、若年期から壮年期、そして壮年期から晩年期に向かう時間の流れをことさらに意識したからだろう。
現実でもヒーロー
石田さんは2014年に大腸がんが発覚。肝臓にも転移する進行がんで、同時に胃がんも発症するなど、大小含めて数十回の手術を受け闘病を続けてきた。文春オンラインによると、生前、インタビューで度重なる手術について次のように答えている:
「僕にとって(がん)は、次々とやってくるインベーダーのようなものだから『またやっつけりゃいいんだろ』という気持ちしかないんですよね。もう『石田信之』というより『ミラーマン』なのかも」(談)
がんを克服できなかったものの、石田さんのがんとの闘いは勇敢で、ヒーローと呼ぶにふさわしい姿だったに違いない。ミラーマンの主人公に石田さんが起用されて本当に良かったと感じる。そして、あらためて、この作品への愛が深まった。
R.I.P.
(写真〈上から順に〉:ミラーマンのフィギュアと石田信之さん=Yahoo!ニュース、ミラーマンに変身する鏡京太郎=ameblo.jp、「『またやっつけりゃいいんだろ』という気持ちしかないんですよね」と石田さん=文春オンライン)
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