人気&おすすめの翻訳絵本5選:新人図書館員の視点から
ここ数日でピックアップしてきたおすすめ絵本をまとめていきます。新人ほやほや図書館員の目線で!よければお付き合いください。
①『かしこいビル』
もしかしたらピクサー公式見解にも入っているかもしれませんが、『トイ・ストーリー』のアイデアソースってひょっとしたらこの本なのでは?と常々思っています。誇りと忠誠心高きおもちゃの兵隊・ビルは、持ち主の女の子からまさかの置いてけぼりに……!!アクション映画顔負けのフルスピード&ハラハラ感で彼女の後を追うビルの行方は……挿絵はややクラシックですが、テンポも展開も本当に素晴らしいユーモアに満ちた作品です。(ウィリアム・ニコルソン/松岡亨子&吉田新一訳/ペンギン社)
②『どうする ジョージ!』
クリス・ホートンはアイルランド出身のデザイナーで、今では多くの絵本を手がけ、児童書関連の著名な賞も手にした売れっ子作家。作品を見れば一目瞭然、ハイセンスな魅力に釘付けになります。子どもにも受け入れやすいパキッとした絵柄ながら、柔らかくくすんだ色合いや優しい世界観には、大人も夢中になる要素が散りばめられています。メインのシリーズには大型本とポケットブック版も用意されていて、どちらも、揃えたときの映え方がまた良いんです。TPOを選ばずカジュアルに楽しめる&おすすめできる作品です。(クリス・ホートン/木坂凉訳/BL出版)
③『サリーのこけももつみ』
ロバート・マックロスキーはアメリカの絵本作家といえばこの人、的なベスト3に(私的に)入ります。もちろん好みもあるでしょうが、絵柄からしてザ・アメリカ!!って感じがしちゃうんです。50~60年代、ノーマン・ロックウェルの時代そのもの。抑えた色数と色味でやや無骨に展開する絵とストーリーなのにどうしてこんなに愛らしいのでしょう。かの江國香織氏が過去に紹介されていたことがきっかけで手に取った絵本です。子ども時代のきらめきが全編にあふれています。(ロバート・マックロスキー/石井桃子訳/岩波書店)
④『そんなとき どうする?』
モーリス・センダックといえば『かいじゅうたちのいるところ』がとても有名で手に取られた方も多いと思います。この作品は挿絵のみ担当ですが、ストーリー仕立てもとてもセンダック風(おかしな言い方ですが)で大好きです。今で言えばヨシタケシンスケさん的なシュールさが、センダック作品の十八番。4~5歳になってちょいちょい生意気言い始め、ひねくれだして手を焼き出す年代にお子さんがなったら、親子で何倍にも楽しめる作品になると思います。(セシル・ジョスリン作/モーリス・センダック絵/こみやゆう訳/岩波書店)
⑤『すてきな三にんぐみ』
子どもがどうとかでなく、何といっても私自身が一番好きな絵本です。何回読んでも、どこから読んでも、いつ読んでも、全てが本当に好きです。この行間に感じる正義が、地球を救う的な愛の深さです。今江祥智さんによる訳文が素晴らしい。作者のアンゲラーも元々絵本作家が専業ではなく(絵本作家さんにはそういう方がとても多いですが)、画面のデザインもコピーライティングのセンスも、絵本という形で結実している傑作です。まずはぜひ一読を!(トミー・アンゲラー/今江祥智訳/偕成社)
以上、個人的おすすめから5つ挙げさせていただきましたが、どれも実際に弊館でも人気の作品たちです。これからも新人図書館員の視点で随時、おすすめ絵本をピックアップしていきたいと思います。よろしくお願いします!
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