【”移動”と”リハビリ”を分離して考える】WHILL社、広島リハビリテーション・ケア合同研究大会で登壇
WHILL株式会社(WHILL社)は、2023年10月26日(木)〜27日(金)に広島国際会議場で開催された「リハビリテーション・ケア合同研究大会」で、「”移動”と”リハビリ”を分けて考える」ことをテーマに、ランチョンセミナーでお話ししました。
参加してみると、コロナ前はとりわけ定説とされていた「電動車椅子に乗ったら歩けなくなる…」と認識がコロナ禍を経て薄れ、WHILL社がかねてより提唱してきた、”電動車椅子規格のWHILL=自立的な外出や生活を支援するツール”という考え方が受け入れられている手応えが。
学会参加を通じ、コロナ前後における車椅子に対する捉え方の変化、PTOTが抱える課題感など、気づきも交えながら、高齢大国日本において、いつまでも元気に過ごしていくための道筋について考えました。
WHILLは免許不要で「歩行者」扱いの近距離モビリティ
WHILLは免許不要で歩行領域(歩道・屋内外)を走れる近距離モビリティです。電動車椅子規格で開発されており、最高時速は6kmで道路交通法上は「歩行者」の扱いとなります。
免許を返納された方や歩きづらさを抱えている方などを含めさまざまな方にご利用いただいています。 その中で、WHILL Model C2は介護保険を利用したレンタルも可能となっており、リハビリの先生や、PTOTさん、ケアマネジャーさんからの勧めでWHILLを選ぶ方も多くいらっしゃいます😊
リハビリテーション・ケア合同研究大会について
本学会は「Enjoy your Life! ~参加を育む、だから攻めようリハビリテーション~」をテーマとした、毎年開催されている学術集会です。
各会場では、リハビリテーションに関してさまざまなテーマで学術集会が行われています。
概要
・日時:2023年10月26日(木)〜27日(金)
・場所:広島国際会議場
・主催:一般社団法人 日本リハビリテーション病院・施設協会、一般社団法人 回復期リハビリテーション病棟協会、一般社団法人 全国デイ・ケア協会、一般社団法人 日本訪問リハビリテーション協会、全国地域リハビリテーション支援事業連絡協議会、全国地域リハビリテーション研究会
・参加者:全国からのべ2,000名
・主な参加者:リハビリ従事関係者、PTOTなど
コロナ流行も落ち着き、2022年くらいから医学学会再開の動きが活発化しており、多くの来場者で賑わいました。
WHILL社はその中で、WHILL取り扱い自動車ディーラーのネッツトヨタ広島とのご縁から、10月26日ランチョンセミナーでお話の場をいただきました。そこには200名以上が参加。満員御礼でした・・・!
・座長:河越昌英氏(ネッツトヨタ広島 専務取締役 営業本部長)
・演者
①:政森進氏(一般社団法人三次観光推進機構 理事長)
②:池田朋宏(WHILL社 日本事業部長 上級執行役員)
・内容:
①広島県三次市のWHILL Model S利用事例報告
②近距離モビリティの活用による、シニアの外出頻度や意欲の変化と健康寿命延伸の可能性
三次市、WHILLを二次交通サービスとして活用模索
三次市では、2023年4月より歩道を走れるスクーター「WHILL Model S」が活用され、市民の足として、観光の二次交通として日々運用されています。
取り組もうと思ったきっかけは、演者の自分ごと体験もあり、市として、特にシニア世代が元気にイキイキと過ごしてもらうため、外出促進を支援したかったから。
政森氏によると、全国的な高齢化が進む中、三次市も例に漏れず、高齢化率は36.7%と全国平均を上回り、2030年には40%を超えると試算されています。
家庭の事情で介護をする経験もあり、家に閉じこまらず人と触れ合う場にできるだけ出向くこと、新聞や本を読むこと、体を動かすこと、声を発することなどがいつまでも健康的にイキイキと毎日を過ごすために大事と学んだそうです。
ただ、老いとともに体力が落ちたり歩きづらさを抱え始めたりすることは避けては通れません。
一定の利用を経て、乗っていただいた方のうち、アンケートに答えてくださった方のデータを見ると、操作性のよさや乗り心地の良さなどで高い評価を獲得。総合満足度も80%に達しています。
Model Sの特徴は、ハンドル操作による安定走行と心地よい乗り心地。ハンドル部分は自動車のステアリングをイメージし、普段自動車に乗っている方も馴染みがあるデザインや操作性を意識しています。
また、自転車と違って4輪走行なので、バランスを崩したり坂道を漕いだりすることもなく、ずっと快適に乗り続けられます!
WHILL=外出支援を叶えるツール
三次市のプレゼン後、WHILL社池田より説明をさせていただきました。
日本の65歳以上の高齢者のうち、歩きづらさを抱えている方(500m以上休みなく歩くことが難しい)は3人に1人、すなわち約1,200万人いるといわれています。しかし、「徒歩」をカバーする移動手段は限定的で、電動車椅子の年間流通台数はわずか2万台程度にとどまっています。
歩行困難者が電動車椅子を使っている割合はわずか0.3%。高齢化が進む米国と比べても圧倒的に「移動ツール」は活用されていません。
その根底には「電動車椅子」と聞いて想像するそのもののイメージ、そこから想起される利用のイメージが昔から変わっていないことが横たわります。
例えばこんなこと
しかし、WHILLのユーザー様の多くが、実は利用開始前と比べて「行動範囲が広がった」「何かをやりたい意欲が湧いてきた」とポジティブな変化や、より自立的な移動や生活ができるようになっていると聞きます。
WHILLが一つのきっかけとなり、ユーザー様の気持ちの面で変化があったこと、その気持ちが行動にも変化をもたらしているのは驚きであるとともに、嬉しい限りです。
WHILL社では、ユーザー様のこうした変化をまとめた「WHILLカルテ」を発行しており、医療に従事する方々をはじめ、WHILLの利用を検討している方やそのご家族にもご参考いただいています。
移動の体力を温存し、行った先で意欲的に動くことがリハビリに
例えば、あるユーザー様はWHILLを利用する以前、リハビリ病院に行くまでや目的地に到着するまでで体力を使ってしまい、本来の目的であるリハビリや行った先で何かをできる体力や気力が残っていなかったそうです。
身体的にも心理的にも余裕がなく、リハビリでは本来あるべき歩様や姿勢を保てなかったり、行った先で疲れてしまい楽しめなかったり。また、疲労を回復するために1日を寝て過ごすことも多かったともおっしゃっています。
WHILLを使い始めてからは、目的地までの移動に使っていた体力を温存することができ、行動の幅が広がったほか、意欲も高まったといいます。リハビリでは心にも余裕ができたからか、しっかり意識して綺麗な歩様を保てる時間が長くなったり、お出かけの際にはもう少し出かけよう、もう1箇所行ってみようといった欲が湧くようになったりしたそうです。
「自分で何かをする/できる」が日々の生活を彩り豊かに
誰かに頼ってしまう場合、つい遠慮をしてしまったり自信がなくなったりする方も多いといいます。そうなると、どんどん外出が億劫になり、気持ちも塞ぎ込んでしまいがちです。
賢くツールに頼りながら、できる限り自分でできることを増やし、より長く自立的に行動したり生活したりできるようにしていくことが大切ですね。
人生100年時代において、いつまでも健康的かつ自立的に暮らし続けられる社会を目指し、WHILL社は医療・福祉・介護関係者さんと一緒に、これまでと違う目線や考え方、文化を形成していきたいと考えています。
セミナー終了後は、ブースに来られ「とても勉強になった」とコメントもたくさんいただきました!
寄せられた感想を一部ご紹介👀
「知っていたけれど、ずっと乗りたかった」方多数、安心して患者さんに勧めやすく。
会場内では自分で操作するWHILL全3モデルの試乗エリアを設けました。ご覧の通り、多くの方が興味津々で乗りに来ています。
大半が「WHILLの存在は患者さんを通じてなんとなく知っていた」一方で「実際に乗ったことはなく試してみたかった」とのこと。
試乗を通じ、操作性や乗り心地などがわかったことで「患者さんにより勧めやすくなる」とおっしゃる方も多数。
セミナー後の所感:コロナの3年で”車椅子”への見方に変化
今回のランチョンセミナーでの参加を通じ、WHILLに対する反応や捉え方に変化が生じていることに気づきました。
コロナ前は、身体的状況がより重度な患者さんの利用を想定した質問が多かったり、冒頭でも記載したような、身体機能を低下させてしまう移動ツールは勧められないといった消極的なイメージを持っていたりする方が多かった印象がありました。
さらに、当時は試乗すること自体もためらう方が多かった記憶も。
しかし、試乗での質問やセミナーを受けていただいた感想などから、「移動とリハビリの分離」の意識が参加者様の中で浸透しつつあることが感じられました。
これは私見も入りますが、
WHILLを利用している患者さんに、活き活きと過ごしている方が多い印象を受けている
患者さんの中でも、なるべく自律的に過ごしたい気持ちが高まっている
高齢化が進む中、健康寿命延伸をより重要視する施策やメッセージを政府が打ち出している
ことなどが、こうした変化をもたらしているのかもしれません。
医療・介護従事者様向けにも情報発信中!試乗も可能!
WHILL社では、医療・介護に従事する方々(お医者様や作業療法士様、理学療法士様、ケアマネジャー様など)向けのウェブサイトもご用意し、ユーザー様の事例や専門家の声などを紹介しています。
移動とリハビリを分けて考えるということ、電動車椅子は最後の手段ではなく、外出や自立的な生活をサポートしてくれる移動ツールであること、を一つの捉え方として知っていただきたいと考えています。
高齢化が加速する日本、ひいては世界全体においていつまでも元気に快適に暮らしていただける社会を目指して、日々活動に取り組んでまいります!
WHILLは全国の貸与事業者で取り扱われており、他の車椅子ではなく、WHILLを指名して借りたいとご相談してくださる方も多くいらっしゃいます✨
介護保険制度をご利用希望の場合は、Model C2をご自宅で試乗することが可能です。ぜひこちらもご覧くださいね!
よければ以下もお読みください✨
📝未来の医療福祉業界を担う学生向けに出張授業を行いました!
📝PTOTさんと一緒に、自律的に動けるツールとしてWHILLを病院で試乗いただく機会を作りました!
介護保険は適用されていないけれど気軽に試したい、そんな方は最寄りのWHILL販売店を検索
WHILLはモビリティなので、自動車ディーラーなどでも試乗や購入ができます!
その数、全国で1,500店舗に広がります。
ネッツトヨタ広島の店舗詳細はこちら!
また、広島県以外でもご自宅から行きやすい店舗をWHILL公式HPより探すこともできます。
試乗をご希望の場合、店舗の混雑状況や試乗機体の手配準備などから、事前ご予約をお願いいたします。