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「1番大切にしていることは、常に学ぶことができ、心身ともに健康でいられる環境を提供すること」 — by Stink Studios <vol.9>

第9回目である今回は、Stinkdigital という旧社名でご存知の方も多いはず、数々の大手ブランドプロジェクトを手がけてきた Stink Studios にインタビューを敢行。最近では、私たちにも身近な存在であるUNIQLOの商品プロモーションムービー「Skip Winter」を制作し、アジアンマーケットにも本格的に参入してきた同社。ロンドンから始まり、着々と活動範囲を広げていく中で、社内に受け継がれている基本となる働き方を探ってみた。

Question 1:
まず初めにStink Studiosについて教えてください。

Stink Studios は2009年に設立され、ロンドンをメインに、NY、パリ、ベルリン、LA、上海、サンパウロに拠点を構えるクリエイティブスタジオです。会社全体で120名ほどが勤務していて、クライアントには、バーバリー、Netflix、Google、シャネル、アディダスなどがいます。当社は Stink というクリエイティブネットワークの中のひとつで、当社の他に、Stink Films という映像制作の会社があります。


Question 2:
ひとりが一度に抱える平均的なプロジェクト数、また、チームとしてひとつのプロジェクトにかける平均時間を教えてください。

だいたい2つから5つほど担当し、プロジェクト終了までかかる期間はもちろんまちまちになりますが、だいたい3ヶ月から半年ぐらいが標準です。

Question 3:
どのような基準で仕事を受注されていますか?

自分たちにとっても、クライアントにとっても、お互いがパートナーとして本当に合っているプロジェクトか確認します。私たちはとても正直なので、もし自分たちがクライアントにとって正しい選択肢ではないと思ったら、ほかの選択肢、例えば、ほかの会社をおすすめしたりします。私たちは問題を解決すること、そして、今まで経験したことのない新しい課題に取り組むことが好きなんです。

Question 4:
クライアントの性質について教えてください。

ほとんどがテクノロジーやファッションに関連するクライアントですね。でも、モダンなブランドであれば、テクノロジーやファッションに関連していなくても、一緒に仕事をしたいと思っています。

WeTransfer / Into Action


Question 5:
どのようなワークフローで仕事を進めていますか?

新しいプロジェクトの依頼を受けたら、まずエグゼクティブプロデューサー(以後、EP)からチームへ知らせが入ります。そしてEP、クリエイティブディレクター、テクニカルディレクターでそのプロジェクトを実際に受けるか否か話し合います。受注すると決まればプロデューサーが介入し、チームを構成してプロジェクトを進めていきます。

Question 6:
プロジェクトにおいて誰が決裁権を持っていますか?

EPが最終的な決済権を持っていますが、決定を下す前にチームメンバー全員の意見を聞くようにしています。意見を聞かずに無視して決めることもできますが、うまくいった試しがありません。

Question 7:
仕事を受ける際に、「予算が低くてもやりたい!」と思える仕事と、「喉から手が出るほどやりたいわけでないが、予算は高い」という仕事、2種類が存在する場合、どのようにバランスを取って受注していますか?

なるほど、そういったケースも考えられるかもしれませんね。私たちは、何か面白いことをそのプロジェクトに見つけられれば、なるべく受けるようにしています。アイディアに惹かれて受けることが多いですが、新しい技術を試すことができたり、好きなブランドであったり、時には、クライアントの人柄が良く、私たちを尊敬してくれているだけで良しとしてしまうこともあります。正直に話すと、お金のために仕事を受けるということはほぼありません。ただ、会社を運営して行くためにも、お金のことは毎回慎重に考えないといけないと思っています。

Google / National Parks Centennial


Question 8:
どのようなスキームでクライアントと契約を結ばれていますか?

クライアントによって違いはあります。まず初めに50%を請求し納品後に残りの50%を請求するスキームや、もしくはスケジュールベースで費用を概算し、タスクを達成するごとに請求していくこともあります。

Question 9:
どのように社員のモチベーションを保たれていますか?

一番良いコンディションで働いてもらいたいので、自由でありつつも仕事に集中できるよう環境を整えています。具体的に言えば、毎週金曜は15時に会社のメンバー全員が仕事を終われるようにし、さらに、毎年ひとり約12万円を勉強費として支給しています。

Question 10:
どのようなツールを使われていますか?

ファイルを共有して作業をする場合はGoogle Docs、コミュニケーションツールはSlackを活用しています。デザインではPhotoshopとSketch、ビジュアルエフェクトを行う際はAEとC4Dをメインに使っています。バックエンド開発ではPythonとNode.js、フロントエンド開発では、ES2017、React、Reduxを用いています。

Question 11:
リモートワークは可能ですか?

たまに家で仕事をする人もいますが、基本的にはメンバーが同じ部屋(空間)で働くことを望んでいます。その方がうまく機能している気もしますし。

Londonオフィスに飾られている受賞トロフィーの数々

Question 12:
社員のみなさんはどこで刺激を受けることが多いですか?

ネットから影響を受けることが多いですが、映画や印刷物、アートや音楽からもインスピレーションを受けています。そしてそれをSlack上で共有しています。会社として勉強する時間は設けていませんが、先ほどもお伝えしたように、約12万円を勉強費として支給しているので、カンファレンスに行ったり、アプリのプラグインを買ってみたり、授業を受講してみたりすることは各々の自由に任せています。

Question 13:
会社として一番大切にしていることはなんですか?

常に新しいことを学べる環境であることと、互いの悩みを共有し、心身ともに健康でいられること、ですね。

Question 14:
最後に、「いい仕事」をするのに一番大切なものは、会社としてなんだと考えていますか?

今進行しているプロジェクトが、「美しいかどうか?」「エンターテイニングかどうか?」「有益かどうか?」、この3つを常に繰り返し自問自答しています。正直に考えて答えが「いいえ」になるようであれば、その状態はGood workではないということになります。

※この記事内容は2018年2月公開当時のものです。


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Vol.8 :「国外クライアントが7割。しかし国外支店は0。すべてをストックホルムから生み出す、その働き方とは?」 — by Stockholm Design Lab

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