ウユニ塩湖の包容力
2017年1月のマチュピチュ・ウユニ塩湖ひとり旅日記。(前回の話)
ボリビアの(事実上の)首都ラパスから夜行バスに乗り、早朝にウユニの町へ到着。一緒にバスに乗ってきた、同じ飛行機くん(現地でできた日本人の友達)とはここでお別れ。
これからお世話になるガイドの方と合流して、いざウユニ塩湖へ。今回、ガイドさんは2人。日本人ガイドの方と、ボリビア人のエディ。
ウユニ塩湖は2つの顔を持っている。私たちがよく思い浮かべる鏡張りの景色は、雨が降って水が溜まっているときの顔。ガイドさんがわざわざ水が張っているところを車で探してくれるのだ。
もうひとつの顔は、水が張ってない、一面真っ白な塩の状態。まずはこの水が張ってない顔を見に行く。
列車の墓場
塩湖に向かう前に、列車の墓場というところに連れて行ってもらった。名前だけ聞くとちょっとホラーかな?と思う。使われなくなった昔の鉄道が安置されている場所だそう。
私が写真好きということを伝えたら、ガイドのエディが旅の間たくさん撮ってくれた。
白の世界へ
真っ白の世界に行く前に、いくつか建物や石像がある場所へ連れて行ってもらった。
この時点で地面が塩なので、ウキウキする。雪みたいだけど、雪じゃないのが不思議な気分。
真っ白な世界へ
そしていよいよ、ウユニ塩湖の真っ白な世界へ。
ウユニ塩湖はずーっと向こうまで白くて、遠近感があんまり無いからトリックアート写真を撮りやすいらしい。
私も、ガイドのエディに何枚か撮ってもらった
撮影の舞台裏はこんな感じ。エディが地面スレスレから撮ってくれた。
他にも、日本人ガイドさんとこうやって遊んでみたり。いま見返すと、綺麗なくの字ね。
白い世界で何遍もジャンプして遊んだら、お腹が空いてきた。場所を移動して、塩湖の上でお昼ご飯だそう。
そして移動した先が、ここ。
か、鏡張りだ!
写真よりももっと反射が薄くてハッキリとは見えなかったけど、でも、鏡張り初対面だ。
「お昼ご飯の準備をするから、景色でも眺めて待ってて」とのことだったので、少しひとりの時間になった。ひとり旅だけど、ウユニ塩湖の上ではずっとガイドさん達と一緒に楽しんでいたので、会話せずに黙ったのが久しぶりに感じた。
見える範囲に、私たち以外の人はいない。もちろん、BGMも無い。何かを知らせる映像もポスターも無い。
とにかく、音がない。静かなのだ。
その静けさの中で景色を見ていたら、なぜか涙が出てきた。しかも止まらない。もう、号泣の勢いだ。
この間仕事を退職して、来月から新しい会社で、不安であり楽しみでもあり、でも今私はそれらの不安楽しみから離れた場所に立っている。
なんで涙が出たのか。静かで広いウユニ塩湖の包容力に包まれたのだろう、というのが1番しっくりくる理由だ。不安も楽しみもまるっと受け入れてくれた感じがしたんだ。
涙を拭って後ろを振り返ると、ガイドの方々がお昼ご飯の準備をしてくれていた。ゲストなので当たり前かもしれないけど、自分のためにご飯を用意してくれているのが嬉しいな。ウユニの包容力に包まれたからか、温かい気持ち。
さらに少し遊んでたら、だんだんと陽が落ちてきた。
夕焼けのウユニ塩湖
さらに車を走らせ、沈む夕焼けを目に焼き付けた。
風でさざなみが起きて鏡のような反射はしてないけれど、なんかもう、別に鏡張りでもそうでなくても良いよって気持ち。だってこんなに綺麗なんだもの。完璧な状態を求めたあまり、目の前の素敵なものに落第点つけるのはもったいないじゃない。
はあ、綺麗。
塩のホテルへ
この後は夜のウユニ塩湖に繰り出す予定。星が綺麗に見える時間まで余裕があるから、一度ホテルに戻って休む。
私が泊まったのは、パラシオ・デ・サルというホテル。このホテルは塩湖の上にあって、しかも塩でできている。
ここで少し休み、夕食を食べて夜のウユニ塩湖へ再び出かける。
食堂にてビュッフェ形式の食事。私の他には、日本人のツアー団体客の方々がいた。ウユニの地で日本人に会えて嬉しい反面、十数名の団体に対してこちらは1人なので少し気まずかった。結構高齢の方が多く、24時間以上のフライトは大変だっただろうな…と思ったりしながら食事を済ませた。
さあ、夜のウユニ塩湖へ向かう。
星空の下の塩湖
ガイドのエディに迎えに来てもらい、星空が綺麗に見えるポイントへ向かう。水は張ってなくて反射は無かったけど、全然気にならないくらいの絶景。
一部が黄色いのは、遠くで雷が光っていたから。それもこの日の思い出として刻まれるから、写真って良いね。
このときは今よりカメラの知識も無くて星空撮影も初めてだったけど、三脚買って持っていって良かったな。エディと2人で協力してピント合わせて、なんとか数枚撮影できた。
1日に2回もウユニ塩湖に行けて、包容力に包まれて絶景を見れて、この先もずっと忘れないような日になった。
次の日もウユニ塩湖の鏡張りを見に行く予定なので、長靴の塩を払ってから眠りについた。