【代表インタビュー】人と組織の可能性に賭けてきたwevnalの挑戦。生成AIの導入で加速した「BOTCHAN」と共にブランド体験を向上させる
2011年に創業され、インターネット広告の代理店事業を祖業に成長してきたwevnal(ウェブナル)。
現在は、ブランド体験の向上を通じたLTV(顧客生涯価値)最大化を目指すプロダクト「BOTCHAN」を展開しています。生成AIを活用したチャットボット開発にも早期から取り組み、2023年4月にはシリーズBラウンドで総額20億円の資金調達を実施しました。
「人と組織の可能性に賭けてきたからこそ、wevnalの今がある。今後はエンジニア採用によって、さらなるプロダクトの強化を図りたい」
そう話すのは代表取締役の磯山博文さん。
wevnalはこれからどんな未来を描き、事業を拡大させていくのか。これまでの歴史から事業の強み、展望について語ってもらいました。
創業ストーリーと「BOTCHAN」の誕生秘話
──SaaS事業を展開するwevnalですが、会社設立時は広告代理店としてスタートしました。どのような創業の背景があったのでしょうか?
wevnalは、新卒入社した大手インターネット企業の同期3人で始めた会社なんです。2008年から3年ほど働いていました。
当時はSNSが世の中で注目され始めていた時期で、我々3人もWebのこれからに大きな可能性を感じていました。ところが所属していた会社が大手だったこともあり、フレキシブルに動けないもどかしさがあったんですよね。当時は企業もSNSを使うことにまだまだ慎重な時代でしたから。
そこで「だったら3人で新しい会社をやろう!」と始めたのがwevnalです。社名は「Web」「Wave」「Signal」の3つを組み合わせて作りました。我々が灯台となってお客様をWebのトレンドに乗せて導いていこう、という意味が込められています。
ただ、当時は資金も人脈も、実績もなかったので、まずは代理店として売上を作っていこうと考えました。これが広告代理店としてスタートを切った理由です。
──広告代理店の事業が順調に伸びる中、SaaS事業に転換したのはなぜですか?
売上が順調に伸びてきた中で、お客様がWebに求めることが変わってきたんです。それまでは新規顧客を獲得するためにインターネット広告を使っていましたが、その先のWeb接客が伴わなければ、購入や成約に繋がらない。そのことに多くの企業が気づき始めました。
入力項目が多すぎる購入フォームや商品説明がわかりにくいECサイトなどは1つの例です。
そこで我々は、チャットボットを搭載したWeb接客ツール「BOTCHAN」を開発しました。
開発初期は決済フォームでの離脱防止から取り組んでいきましたが、現在では認知・集客から解約までをマルチプロダクトの提供によってカバーし、LTVを最大化させるワンストップのサービス提供ができるようになったんです。
wevnalは創業当初に掲げた「お客様をWebのトレンドに乗せて成功に導く」ことを大切にしています。常に起点にあるのは「お客様の課題解決」であり、達成のためには事業やサービス内容を柔軟に変化させることも厭わない。
つまり、広告代理店からSaaSビジネスに軸足を変えることは「我々にとっては自然なことだった」というのが、質問の答えになるんじゃないかなと思います。
SaaS事業へ転換。後発組でも成功したチャットボット
──とはいえ、BOTCHANの販売開始は2018年とチャットボットの提供会社としては後発組です。不安はありませんでしたか?
先行する企業も多く不安もありましたが、自分たちなりの勝ち筋は見えていたんです。広告代理店の知見やノウハウがあったので、チャットボットのシナリオやクリエイティブを作成する上で競合優位性が発揮できると考えました。
また、SaaS業界では1つのプロダクトによる一点突破が正攻法とされる中、複数のラインナップを揃えることで一貫したコミュニケーションを提供できるようになりました。
集客から解約に至るまで、すべてのプロセスで横断的なサービスを提供し、定量的なデータから感情的・心理的な情報までを網羅的に集めていく。この体制を構築することが、お客様のLTV向上に繋がると考えたんです。
上図で示した通り、現時点(2023年9月)ではマーケティングファネルに対して一気通貫のサービスを提供をしているのは、日本国内で「BOTCHAN」のみというポジションを築くことができました。
結果、狙い通りにお客様のLTVは向上し、エンドユーザーも付加価値の高い情報を得られる仕組みを実現することができた、というわけです。
人と組織の可能性を追求する、wevnalの競合優位性
──これまでの知見とプロダクトの強さがSaaS事業を支えているんですね。
まさにその通りです。ただこの会社の強みがプロダクトにあるのかというと、少し違うと思っていて。僕自身、wevnalは人と組織の可能性を大切にした「組織ドリブン」な会社だと思っています。
「広告代理店がSaaS事業を始めるのは難しいのでは」と周囲の声があった時も、メンバーの想いや熱量、チャレンジ精神があったからこそ乗り越えることができた。
だからこそ我々は、業績評価だけではなくバリュー評価も連動させて、価値観を統一させることに重きを置いているんです。「Challenger」であることもバリューの1つとして社内に浸透しています。
──CTOの鈴木さんが2022年にジョインし、開発組織も大きく変化しました。バリューでは「Professional」を特に大切にされているかと思います。
まさしく彼は、この会社のミスター・プロフェッショナルです。入社したタイミングですぐに生成AIを社内システムやプロダクトに導入し、ChatGPTの波が突然来た時にもすぐに対応して競合に対する大きなアドバンテージを作り上げました。
開発組織もこの1年〜1年半の間で、より専門性の高い組織にアップデートされた感覚があります。これは鈴木の「プロとしてお客様の価値となるものを世に出すんだ」という力強い旗振りがあったからできたことです。
一人ひとりの想いや熱量がWaveとなり、事業の成長にダイレクトに繋がる。そこにwevnalで働くことのやりがいがあると思っています。
人とAIが心を通わせる「AI接客革命」の実現を目指して
──今後の展開についてはどのような展望を描いていますか?
wevnalは中長期ビジョンとして「BXプラットフォーム構想」を掲げています。開発も順調に進んでいるので、まずはこちらを完成させることが目下の目標です。詳細はPdM座談会の記事があるので、そちらを参照してもらえたらと思います。
その後は、D2CやEC領域へのサービス提供から横展開をする予定です。例えば、継続利用を前提とした美容関連の店舗やフィットネスジム、オンライン教育などのビジネスモデルとBOTCHANは相性が良いと思っています。
そして、その先に描くのが「AI接客革命」です。LINEの普及により、チャットでのコミュニケーションは僕たちにとって当たり前のものとなりました。今後は人とテクノロジー(AI)が会話をすることで、気持ちが豊かになる時代が来ると思っています。
3年先か5年先かはわかりませんが、遠くない未来のことだと思います。特に少子高齢化が進む日本では、労働力や人件費の問題が急を要している。それを解決するソリューションの一つが「AI接客」だと僕は思っているんです。
来るべき未来に向けて、旗振りをするプロダクトが「BOTCHAN」であり、運営する企業がwevnalである。そんな展望を描いています。一章、二章と順序よく達成されるのではなく同時並行に達成されていくと思いますが、目指す先にあるのは「AI接客」が当たり前に行われる世の中です。
そのハンドリングをCTOの鈴木が担い、エンジニアチームが頑張ってくれている。僕としても今後が非常に楽しみです。
──最後にメッセージをお願いします。
wevnalはお客様の課題解決を第一に考え、サービスや組織を変革し続けてきました。生成AIの登場で「BOTCHAN」はさらに進化し、1年前では考えられなかった「社会的なインパクトを起こせる可能性」も出てきました。
正直、ChatGPTの登場は想定外でした。きっと多くの企業でもそうだったと思います。それを3ヶ月で戦略に組み込み実行できたことを考えると、本当に素晴らしい組織になったとあらためて思うんですよね。
既定路線を進むのではなく、突拍子もないことも含めて一緒にチャレンジしながら世の中を驚かせるプロダクトを作る。それをできるのがwevnalであり、エンジニアの力だと思っています。
僕自身も、これからのwevnalの成長がとても楽しみです。一緒に「AI接客革命」を起こしてくれる仲間をお待ちしています。
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取材協力:CASTER BIZ 採用
wevnalは、「人とテクノロジーで情報を紡ぎ、日常にワクワクを」をミッションに掲げて、「BXプラットフォームBOTCHAN(ボッチャン)」というマーケティングSaaSプロダクト事業を行っています! 今はサポートよりも、ステキな方との出会いがほしい。