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お色気番組はどうして存在したのか?

終戦後、日本では「男性を尊敬する」・「父親が偉い」といった風潮があり、男性優位な社会となっていました。戦争に行くのは男性だったため、男は外で戦う→男は外に出る→男は働くというように価値観が変化していった。そのため、女性や子供たちは「女子供」という言葉で比喩されたり、バカにされたりといった風潮もありました。

昭和20年、終戦後の東京・新橋の闇市

そして1950年代頃に「男は外で仕事、女は家で家事・育児」という価値観となります。この「夫は仕事、妻は家事で豊かな生活を築く」というモデルは、もともと欧米に存在していました。専業主婦の起源は19世紀のイギリスで当時、工業化が起こり、外で働く男性が増え、家で家事だけをする女性が出現しました。それがアメリカやヨーロッパへ普及し、1950年代にテレビの普及と共にその文化が日本にも入ってきたのです。

1960年代に放送がスタートした深夜のワイドショー番組

以後、1950年代~1980年代までの日本は男性社会的な傾向が一般的に強かったのでテレビでも男性向けの番組が多く作られ、テレビのチャンネル権も父親(成人男性)が持つという時代となっていました。そんな「お父さん(父親)は偉い」・「男性を尊敬する」といった時代の中で男性視聴者にウケるジャンルの1つとして人気を得ていたのが「お色気番組」だったのです。昭和の頃、成人男性は昼間は外へ働きに出て夜遅くに帰宅していました。そのため、成人男性がテレビを見られるのは夜間の時間帯しかなかったのです。そんな夜遅くに帰ってくる男性層をターゲットに「エッチな番組」を放送していたというわけです。東京12チャンネル(現:テレビ東京)で放送していた深夜のワイドショー番組「独占!男の時間」なんかはその時代の世相を反映した番組名だと言えるでしょう。

1980年代以降、女性の社会進出が進んだ

しかし、1980年代半ば以降、男女雇用機会均等法・女性の社会進出が進み、女性がそれまでの補助的な立ち位置から男性と同じように活躍の場が与えられて、ものすごく活気づいていく時代へと変わっていきます。仕事から帰宅した若い女性たちも深夜番組を視聴する傾向が増加。以降、深夜番組のチャンネル権は成人男性ではなく主に10代後半~30代の女性層が握るようになりました。

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