1980年代に放送された土曜深夜のお色気番組『ミッドナイトin六本木』について。
『ミッドナイトin六本木』は、1984年10月6日から1985年9月28日までテレビ朝日で毎週土曜深夜に生放送されていた深夜番組である。1983年放送開始の『オールナイトフジ』(フジテレビ)に対抗すべく制作された。主に1950年代生まれ(1954年生まれ~1959年生まれ前後)の現在、60代後半の人たちがこの番組のリアルタイム世代に当たる。
司会者には、コラムニスト・SF作家の亀和田武、元:ピンク・レディーの未唯、山田邦子、森田健作などが起用された。情報コーナーでは、デーブ・スペクターや城戸真亜子、音楽コーナーでは女性タレント・中川翔子の父親である中川勝彦などが出演していた。深夜の生放送番組であるにも関わらず客入れをしていた。松野頼久元衆議院議員は学生時代にアルバイトでこの番組のアシスタントディレクターをしていた事がある。また若者たちに説教する「ミッドナイト・マジ」というコーナーでは過去の人だった森田健作が人気を集め、再び「時の人」にしていった。
そして、この番組の名物コーナーだったのが「今週のピンク・ニュース」というアダルトビデオを紹介するコーナーや「ドクター荒井の性感マッサージ」などを取り上げるものだった。この番組は成人男性向けに制作されていたが、ドクター荒井の性感マッサージは、実は女性向けに作られたコーナーだった。男性視聴者はお色気的に観る一方で、女性視聴者にもツボの療法が役に立つなどの理由で人気があり、実際に観覧客にも女性が多かった。
この「ミッドナイトin六本木」の性感マッサージのコーナーに影響を受けたのが1991年にテレビ東京でスタートした「ギルガメッシュNIGHT」のギルガメ治療院とギルガメクリニックである。男性のマッサージ師(指圧師)が女性のコリをほぐしていく内容で番組の名物コーナーとなり、女性視聴者から好評を得ていた点なども共通する。
また、同じく「ギルガメッシュNIGHT」のギルガメ写真館でカメラマンを担当していた渡辺香富がギルガメのレギュラーになる前、ドクター荒井の性感マッサージのコーナーに清川 鮎という名前で出演したことがある(洋服は脱がず着衣のままマッサージを受けた)。
※まとめ
オールナイトフジのライバル番組としてスタートした当番組であるが、この番組の一部のコーナーは後に他局で放送されたギルガメッシュNIGHTなどにも影響を与えた。その一方で番組放送中だった1985年当時、内閣総理大臣を務めていた中曽根康弘首相が当番組を含む深夜のお色気番組を国会で取り上げ、お色気に限らず深夜番組自体の内容や過激化も問題視された結果、翌年9月の改編期で打ち切りが決定した。