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なぜ【炎症】を止めたらダメなの?

火曜日は、僕がカイロ学生時代に「書き留めていたメモ」を紹介しています。

前回は「姿勢の基本」の1つを紹介したので、今回は「治療の基本」を1つシェアします。

治療の基本

今週紹介するメモは⇩コチラ。

いきなり炎症を止めてはいけない。
優先すべきは、炎症が終わった時に、原因がない状態を作ること。

僕たちセラピストが目にする症状のいくつかは、【炎症】が関わっています。

この【炎症】・・・
症状で困っている人からすると迷惑なものですが、人にとってはとても重要なもので、むやみに止めてはいけないものなんです。

というのも炎症は、

体をウィルスや細菌から守るために起きたり、何かしらの侵害刺激により体が損傷する可能性がある時に起こります。

つまり、炎症は生体防御反応の1つなんです。


と、ココまでは多くのセラピストにとって、常識的なことですが、問題はこの先です。

炎症を知っていても治せないセラピストにとって、治せるようになるための一歩になる内容にまとめました

炎症だけを止めるのは無責任

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「いきなり炎症を止めてはいけない。」

「侵害刺激を取り除かずに、生体防御反応だけをやめさせる」とどうなるか?

想像がつきますか?

もし
「体が壊れる」
「何かしらの症状が出る」
と思った方は、もう一歩踏み込んでください。

じつは体は
「何かしらの症状が出たあと、以前以上の生体防御反応を起こします」


そう!


炎症を止めるのであれば、その原因も一緒に取り除かないと、余計に辛くなるだけなんです。

例えば、
あなたが締切間近の仕事を徹夜でしている時、同僚が来て、
「少し寝たほうがいいよ」
と言ってくれたら嬉しくないですか?

「じゃあ、お言葉に甘えて半日だけ寝させてもらうわ」
と言って半日後・・・
仕事場に戻ったら、寝る前と同じ状態だったらどう思いますか?

締め切りまでの時間を半日失ったことで、自分の負担は増大します。

しかし、もし同僚が自分が寝ている間に、仕事を片付けてくれていたら?
あなたは間違いなく楽な状態になっていたはずです。

大切なのは、「炎症が終わった時に、原因がない状態を作ること」です。

以前以上の生体防御反応とは

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・以前よりも症状が悪化する
・当初より治療日の間隔が狭くなる
・今までと違う場所に症状が出る
・治療をしているのに、2ヶ月以上同じ症状が続く

炎症だけ止める治療を行うと、数時間から1日だけ症状が治まり、その後、防御反応が現れるようになります。

防御反応は様々ですが、主には⇧に挙げたことが起こります。

もし今かかえている患者さんの中で、上記の状態の方がいれば、それは原因が取り除けていないので、治療計画の見直しを検討してみてください。

炎症に対する原因治療とは

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「そもそも、その方の炎症はなぜ起きたのか?」を考えることが大切です。

<例:腱鞘炎>
・腱鞘炎ってどういう状態?
・発症しない人と何が違うの?
・生活から取り除けるストレスは?
・取り除けないストレスを代替するためには? など

炎症を取り除くのは、これらが終わってからで十分間に合います。

「なぜなら、これらが解決したら、炎症は起きる理由がなくなり消失するから」です。


さて、今回のメモはいかがでしたか?
「炎症は生体防御反応」ということを知っていても、治療に活かせていなければ何の意味もありません。

今回の記事が、症状を再発させたくないセラピストの役に立てば幸いです。

ではまた

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臨床経験が10年を過ぎ、今さらながら多くの経験は「学生時代に既に教わっている」ことの応用やそのものであることに気づきます。 現在日本では全日4年制のカイロ学校が存在しませんが、そこでの学びは短期養成のそれとは比較にならないほど、【テクニックをいかに安全に行うのか】を学びます。 このマガジンでは、それらを難しい言葉を使わず分かりやすく解説します。 何よりも患者さんのために、「安全に行えるカイロプラクティックとは何か」を一緒に学んでいきましょう。

このメモは ・カイロ学生時代にメモした先生の雑談 ・治療で絶対に忘れてはいけない注意事項 ・治療に役立つ知識 ・遠回りせず治療レベルを上…

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