とりあえずカンパーニュを焼いていく
スキルの習得には、絶対的なトライ回数が必要だと心得ておる。
料理の天才にして努力家の栗原はるみ大先生も、タルトタタンの試作に50回もトライしたという番組を見たことがある。
ひぇえええええ。
それならば、私のようなど素人なら、数百回くらいトライしても無理かもしれない。とは言え私はプロではない。そして他人様にレシピを提供するような立場でもない。ただただ、かつて自分が高いお金を出して買っていた至高のライ麦入りPain de campagneを、どうしてももう一度食べたいのだ。
なぜならば、それは今住んでいるエリアでは買えないものだからだ。
かつてパンといえば、日本のパン業界は他アジア諸国の追随を一切許さないほどぶっちぎり高レベルであった。
ところがここ10年ほどでその常識は覆されてしまった。アジアの各所にぶっちぎりマジもんで美味しいパン屋さんが雨後の筍のように出現。ソウルの漢南洞というところに住んでいたのだが、その徒歩圏内にあるこのパン屋が、ある日突然USから進出して来たのだ。アジア初の拠点に韓国のソウルを選び、そして日本のパン業界もびっくりの高価格高品質パンを売り出したのだが、できた当時から行列ができていたよ。
そしてこの高級パン路線は地元民に受け入れられ、その後、天然酵母パン屋やハード系パン屋も続々登場した。そして韓国のソウルは、アジア有数のパン激戦区と化して行くのだ。
ところで、ここのカンパーニュが個人的に好みで、実に美味しかった。そして価格設定も強気だったけれど、なかなか他では買えないズッシリと重く固いパンは、並んででも高くても欲しいモノであった。手に入ればすぐにスライスして、2枚ずつGLAD Press'n Sealに包んで冷凍保存して、私が一人ランチで少しずつ食べていた。そうやって食べると、2週間くらいは楽しめた。冷凍庫にこれが入っていると思うだけで、私の一人ランチは心躍るものだった。
ちなみにカナメはカンパーニュよりも具材入りパンやクロワッサンの方が好みだったみたい。
あのヘビーで噛むほどに旨味が広がる、あのパンが食べたいのだ。
ちなみにこの記事で書かれているタイトルの意味は、こちら。
죽기 전에 꼭 먹어봐야 할 빵' 타르틴 베이커리가 한국에 문을 열었다
「死ぬ前に必ず食べるべきパン」Tartine Bakeryが韓国に門を開いた
このパンが家で焼けるとは到底思えないのだが、トライしてみたいのだ。
今日読んだカンパーニュの本から、とりあえずポーリッシュ種を仕掛ける。
本を読んでしかるべき種類の準強力粉をTOMIZで買おうと思っていたのだが、強力粉のレシピが載っていたので、我が家の冷凍庫に突っ込んであるキタノカオリを引っ張り出して使用。
材料を計量してザックリ混ぜる。
ここでラップして2時間放置(Google Homeでタイマーをセット)、そして保存容器に移し替えて冷蔵庫に突っ込む。次のアクションは翌朝へ。
材料を計量し、ここに冷蔵庫に入っているポーリッシュ種を加えていく。
混ぜて寝かせて、を2回ほど繰り返し、保存容器に入れてから、最終的には冷蔵庫で12時間ほど寝かせる。
ここで理解。
ポーリッシュ種の作成から数えると、パンが焼けるのは三日目(汗)。いや正確には半日早くできるのだが、長時間寝かせる部分を「私も寝ている時間」に寄せようと思うと、こうなってしまうのだ。
この作業は、タイマーを使ってきっちり作るというより、生地の状態を見ながらテキトーでいいような気もしてきた。なので時間はもうざっくりである。
なんか、生地の状態は悪くないよね?
イーストって、量を多くすれば早く焼けるし、少なくても時間をかければいいってことか。つまりイーストの量の問題とは、最初の菌の増殖倍々ゲームのスタート地点の操作でしかないってことなのねぇ。
なんか.......土の中の微生物だけではなく、このイースト菌さんにも興味が沸いてきちゃったのだが、これはまた沼ると困るので、ここはグッと堪える。
粉を振った台の上に生地を落とすのだが、これにはドレッジが有効。
発酵カゴがないので、とりあえずボウルを使う。カークランドのオーブンペーパーをふんだんに使って使い切る気満々(汗)。濡れぶきんを被せて、しばし放置。が、ここでの生地の扱いに失敗した模様。外出して戻ったら発酵が思ったより進んでいない。しかしランチの時間は迫り来る。
さてさて、成形のテクニックは、これを何度も見てイメトレしたよ。冗談ではなくて、こういうプロの手捌きを延々と見続けることも、無駄ではない。それなのに実際に作業する時に、完全に再現できていなかったのよねぇ。
さっさと発酵カゴを買うべきだと思うのだが、サイズと形に悩んでいるところ。個人的にオーバル形に萌えるタイプなので(ニトリもIKEAもオーバルのいい感じのお皿出してくれよ!!)、オーバルを買いたいのだが、それでいいのか悩むところ。
とりあえずクラムチャウダーにパンを添えなければ。強引にカンパーニュっぽいものを焼いてみる。
形状がなんか、発酵不足って感じよね(汗)。
粉の落とし方も足らないので固まっちゃってるし。クープナイフなんか持ってないので、ヘンケルの果物ナイフでとりあえず切り込みを入れてみた。
それでもそれっぽいものが焼けた!
私「(パンの外側が本当に固くて)うまっ.............(感嘆)」
カナメ「.........イマイチやな...........」
ええええええええええ。
私ったら、わっすれてたわーっ!!!
うちのカナメくん、ライ麦パンも全粒粉パンも、それが入ったカンパーニュも好きじゃなかったの!!!
カナメくんの好みは、バゲッド系(いわゆるフランスパン)の方。
そこで慌てて本年度の目標10個のうちの一つを微調整(汗)。
前)美味しいPain de campagne(ライ麦と全粒粉入)を焼くスキルを習得する改)美味しいハード系パンを焼くスキルを習得する
食べてくれる人が喜ばないものを作っても虚しいだけだからね。
時々は自分だけのためにPain de campagneを焼くかもしれないけれど。
課題も見えてきた。確かにヘルシオオーブンは火力不足っぽい。上からの熱は十分でも、下からの対流熱が弱いのか、生地の下の部分の焼き加減が甘かったのだ。
ちなみに我が家では、保存容器を、ジップロックコンテナーからIKEA 365+に総入れ替えが済んだところ。このシリーズ本当にコスパ良くて最高だよ。
素材もプラスチック、ステンレス、ガラスの3種類があって、フタもプラスチックと竹、シリコンがあって、組み合わせが自由。
インサートで仕切ると、サクッとお弁当箱になるのも◎。
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