みんな大好き鶏がらスープの素。が、なくても大丈夫!
海外に住んでいて割と入手困難な意外なものがある。それは、
鶏がらスープの素 と コンソメ
である。
厳密に言うと、ローカルにも似たようなものはあるのだが、「あのニッポンにある、フツーのやつ!!」がないのだ。日系スーパーがあるような国ならば、手に入るが、それは高いものである。
一時帰国時に大量に買って帰るのが、在外邦人あるある、である。
ところで、韓国生活が長かったせいか、子供たちは韓国料理が大好き。ということで、家でも韓国料理を作ることが多い。そして時々、日本語の韓国料理のレシピを検索してみたりする。
そこで気づいた驚きの事実。
ナムルに、鶏がらスープの素が入っているレシピが多すぎる!!!
ちなみに、ナムルは韓国料理であって、中華料理ではないよ。
そして、中華料理の本場でも、もちろん日本の「鶏ガラスープの素」が使われているわけではない(汗)。
分からなくはない。
アレを入れると美味しくなるし。
味に深みも出る。
何より、みんな大好きである。
でもさ。
それ、入れなくても美味しいねん!!!!!
という話を書いてみたい。
ちなみに、ほうれん草のナムルのプロによる作り方動画は、こちら。
彼を知らない韓国人はいない。おそらく韓国で最も成功した料理研究家じゃないかな。ちなみに、長い間、韓国は中国の科挙システムの影響を大きく受けており、「手を使う仕事は卑しく、借金してでも学歴をつけてオフィスワーカーになれ」という価値観が強かった。そのため「飲食店で成功したら、継がせることなく、子供を大学に行かせる(=老舗が育たない)」国であった。
そんな韓国において、飲食店でも稼げた人が勝ち、事業を成功させた人が羨ましい存在である(飲食店で成功したら巨万の富を得られる)という空気感を与えられた最初の人かもしれない。
(同様に、ゲームなどさせたくない教育ママゴン層に、eSportsのプロプレイヤーが魅力的な選択肢かもしれないと思わせたのは、Fakerくんだろうと思うが。)
話をナムルに戻すと、そんな「料理の権威」のような方のレシピによると、ナムルには、薄口しょうゆとニンニク、ごま油、そしてオプションで「魚醤」を少々。この魚醤が、味に深みを持たせているのかもしれない。
ところで、うま味調味料として単独で販売されている「味の素」であるが、本家によると、「うま味をプラスすることで、塩分を控えめにすることができる」と書かれている。
それは、その通りである。
が!
世の中で評価の高いレシピを見てみると、味の素を入れるから塩分を控えめにできている例など、ほとんどないのである!!
しっかりと塩味を付けた上で、さらにうま味をプラスしているのである。
で、さらに種々のレシピを見てみると、そのうま味をプラスするためだけに、「鶏がらスープの素」を使っていると思われる例がめちゃ多いのである。
足せば足すほどに、どんどんと味は濃くなり、感覚的には「めちゃくちゃ美味しい」と感じるようになっていくのである。
うま味調味料が悪いわけでも、鶏がらスープの素が悪いわけでもないのだが、どんどんとプラスしていくことで、複雑な味を出せるようになる代償として、塩分や糖分を過剰に摂取してしまうのである。
若い人ならば、全然大丈夫!
ちゃんと処理できるから。
体内を常に一定の状態に保つような仕組みが作動して、何事もなかったかのように健康体を維持してくれるのである。
ところが、高齢になってくると、そうはいかない。
年齢が行けば行くほどに、その機能(ホメオスタシス)が正常に働かなくなり、病気にり患しやすくなってしまうのだ。
そこで!
鶏ガラスープなんてなくても美味しいナムルのシンプルな作り方を伝授しておくよ!
鶏がらスープの素には、食塩&砂糖が入っていることを覚えておこう!
中華料理の場合は、これがないと味が決まらないというのは分かる。でもナムルは韓国料理だから!
手抜きな私のナムルの作り方を教えておくよ!
すべてワンパターンで作れるし、レシピをあさる必要もない。
1、食材に火を通す(レンジでもゆでても炒めてもOK)
2、(必要があれば)水分を軽くしぼる
3、ニンニクのみじん切り(チューブOK)、塩、ごま油で和える
醤油でも良いのだが、個人的には美味しい岩塩ならば、もうそれでOK。
炒めている場合は、最初からごま油とにんにくを入れて炒めて、それに塩をして終わり。別のナムルを作るときは、同じフライパンで連続して作っちゃったりする。
水分が出ない野菜の場合は、耐熱容器に食材と調味料をすべて突っ込んでレンチンすることも多い。ニンニクは生のままだと刺激が強すぎるので、一緒に加熱してしまうのも得策である。
我が家で使っているのは、ゲランドの塩(富澤商店で購入)、ピンクソルト(コストコで購入)である。思うに、いわゆる精製塩(ほぼ塩化ナトリウムだけ)ではない海水からつくられた塩ならば、何でも良いと思う。
それでうま味をプラスするのだよ。
一度で良いので、茹で野菜に「にんにく、ごま油、岩塩」だけの和え物を作ってみて頂きたい。それでもうお分かり頂けるはず。
「え、これで十分美味しいやん!」
ってね。
それで美味しいなら、それ以上足さない方が、体には圧倒的に良いのである。
うま味調味料が悪いわけではない。が、結果的に味の合せ技になることで、塩分と糖分量が増えてしまう。それがすべてのメニューに施されてしまえば、過剰摂取になっちゃうのだ。
どうしてもと思うなら、鶏ガラスープの素ではなく、味の素を単独で投入する方が圧倒的にマシなのよ。塩分が入っていないからね。
とはいえ、私も、鶏ガラスープの素も、めんつゆも使うよん。
でもナムルには入れなくて良いよ、本場では使わないから、というお話でした。
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