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赤い魔女の日記-番外編

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記事一覧

逢瀬

「貸出期限は来週の水曜日までです」
 藍色に赤いラインが入ったジャージを着ているということは一年生なんだろう。肌が白く小さな手がボールペンで刻んでいく文字は、『刻む』と形容するのがこれほどしっくり来たことはないと言えるほど筆圧が高い。一定の秩序とバランスを保ちながら僕が上限いっぱいまで借りた本の名前を書く彼女の胸元には、赤羽という名字が刻まれている。
 下を向いて本の名前を書き、下を向いたまま貸出

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催眠媚薬風呂(2)

「ああ、暑いのに来てくれてありがとうございます、先輩」
 抱き締めたくて仕方がないのを一生懸命抑えていると先輩が両手を広げてくれたので、気兼ねなく抱きついて存在しない尻尾をたくさん振った。先輩からはいつものいい匂いがして、背中には普段より少し大きめのリュックが背負われていた。
 先輩、赤羽先輩。僕の大好きで大切な先輩。僕のご主人様。好きです、大好き。いつの間にか口から溢れ出てしまっていた心の声を聞

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催眠媚薬風呂

 宮野先輩は妙にそわそわした様子で北口に立っていたけれど、改札を通ろうとしたわたしの姿に気付いた途端に嬉しそうな顔をした。飼いマゾでもないくせにわたしの顔を見ただけで嬉しそうな顔をするんだ、ふーん可愛いじゃん、と思いながら近付く。
 漫画の売り上げが入ったからお礼がしたいと宮野先輩が言い出したのはつい先週のことだった。先輩の想像以上に百合えすえむ漫画が売れたらしく、新しい話も書きたいと言い出したの

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午後十時 放課後

「……そしたらそのクローゼットから聞こえてくるんだよ、外に出ようとして夜な夜な扉を引っ掻く音が」
「ひっ……」
「爪も剥がれて、剥き出しになった指の骨で……かり、かり……開けて……ここから出して……かり……かり……」
「やだやだやだやだ」
「俺が物音を立てたら引っ掻く音が止まったんだよ。そこでああやっぱり気のせいだったのか……と思ったら……バーン!」
「わああああああああああ!!!!!」
 吉田が

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