Webディレ健診vol.1〜プロダクトマネージャーのキャリアパスを学ぶ〜イベントレポ
「自分の強みって何だろう?」
「これからのキャリアプランどうしよう…」
Webディレクターの皆さんが抱えるこんな悩みをみんなで考える場として、10/5(土)にWebディレクター向けのスキル棚卸し&これからの生存戦略を考える勉強会「Webディレ健診vol.1」を開催しました!
現役Webディレクターのみではなく、興味を持ってくれたプロジェクトマネージャーやエンジニアリングマネージャー、フロントエンドエンジニアも参加し、多様なキャリアの方々と一緒に、過去のキャリアを振り返り、現在のスキルを棚卸し、未来の生存戦略(目標)を考えるワークショップを行いました。
他人のキャリアとスキルをのぞいてみたら、今までよりも少しだけ自分のことが分かった気がします。
自分と他人のキャリア観や保有スキルの違いを知ることで自己理解が深まりました。また、自分の選択肢には無かったキャリアや人生戦略(目標)を聞くことができ、視野が広がりました。
Webディレ健診について
Webディレクター向けのスキル棚卸し&これからの生存戦略を考える勉強会については、connpassをご覧ください。
vol.2は「強みを自覚した瞬間とは?」というテーマで11/16(土)に開催予定です。
ご参加お待ちしてます!
LT登壇者も募集しておりますので、ご興味ある方はお早めにお申し込みください。
vol.1の今回は、「プロダクトマネージャーのキャリアパスを学ぶ」というテーマで開催しました!
それでは早速、「Webディレ健診vol.1」のイベントレポに入っていきましょう。
オープニング
「Webディレ健診」を始めた理由をお話させていただきました。
5月に転職したきっかけでもあるのですが、
「人が幸せにはたらくことに貢献したい」
という思いを何か行動に移せないかと考える中で、自分自身も課題を感じていたWebディレクターのスキルとキャリアに向き合ってみることにしました。
Webディレクターの仕事は、「何でも屋」と言われるように幅が広いのですが、経験する案件や業務内容によって得られるスキルや経験にかなりバラツキがあると思います。
スキル開発やキャリア形成の戦略を持たず、入社した会社の中で与えられた仕事をただひたすら一生懸命にこなした結果、社会的にはあまり求められない人材になっていたという結果では、悲しすぎますよね。
Webディレクターの皆さんが抱えている
「Webディレクターとしての自分の強みって何なんだろう?」
「WebディレクターやWebプロデューサー、プロジェクトマネージャー、プロダクトマネージャーと呼び名が色々あってよく分からない。」
「これからのキャリアパスが明確に描けない!」
こんな悩みをみんなで考えられる場を作れたらいいなと思い、『Webディレ健診』をスタートしました!
キャリアを振り返り、スキルを棚卸ししよう!
参加していただいたみなさんと一緒に、これまでのキャリアを振り返り、Webディレクタースキル棚卸しを行いました。
フォーマットもダウンロードできるようにしておきますので、ご興味ある方はやってみてください!
Googleスプレッドシートでコピーするか、Excelでダウンロードして使ってください。
転職活動をしたことがある方であれば見慣れているかと思いますが、職務経歴書の簡易版のようなスキル振り返りシートを用いて、それぞれが歩んできたキャリアをざっくりと振り返りました。
過去の経験を時系列に沿って振り返ることで、その中で身につけてきたスキル(今は使っていないスキルだとしても)を掘り起こすことができます。
また、現在のスキルをどのように得てきたのかが人に伝わりやすくなりますので、この後行うスキル棚卸しシートを用いたコミュニケーションが円滑になります。
次に、#Webディレ健診 スキル棚卸しシートを用いて、自己評価でスキル棚卸しを行いました。
デザイン、開発、企画・設計、プロジェクトマネジメント、マーケティング、ビジネスの6領域の45項目を5段階で評価します。
各領域ごとに平均点数を算出し、スキルマップに六角形を書き込みます。
個人ワークの後は、グループワークとして、キャリア振り返りシートとスキル棚卸しシートを元に参加者どうしでシェアし合いました。
キャリア振り返りシートを用いて
・自分がどのようなキャリア(会社、役割、業務内容)を歩んできたのか
・その中でどんなスキルを身につけてきたのか
を他の参加者に向けて話します。
続いて、スキル棚卸しシートを用いて
・現在、保有しているスキル
を他の参加者に向けて説明します。
現在のスキルは過去のキャリアの中での経験によって培われています。
キャリアの振り返りとセットで現在のスキル棚卸しを行いシェアすることで、それぞれが自己理解を深めることだけではなく、他の人がどんなキャリアを歩みながらスキル開発をしてきたのかを知ることができ、これからの選択肢として学ぶことができます。
また、現在のスキルについて、同じ軸で他人と比較することで「違い」を知り、強みや弱みに気付くことができます。
視野を広げるインプット(LT)
自分の過去のキャリアを振り返り、現在のスキル棚卸しを行い、他人との違いを知った後は、視野を広げるためのインプットをしました。(このあとに、自分のこれからのことを考えます。)
今回は下記の3つのLTがありました。
・「若手プロダクトマネージャーが抱える3つの悩み」
・「SIer→Webディレクター転身のはなし」
・「事業会社で越境マインドを持ったWebディレクターはプロダクトマネージャーである」
「プロダクトマネージャーのキャリアパスを学ぶ」というテーマとは少しずれてしまいましたが、初回ということでご容赦ください…笑
(SIer→)Webディレクターのキャリアパスとしてプロダクトマネージャーの選択肢を考えてみる際に、少しでもお役に立てますと幸いです。
LT①「若手プロダクトマネージャーが抱える3つの悩み」落合 稜
私は事業会社に新卒として入社をして3年目となります。
社会人経験がない状態かつITの知識も持っていない状態で事業会社に入った際に私自身が抱えた悩みをお伝えいたします。※私の置かれている環境独自の悩みも含まれています。
私が感じている悩みは大きく分けて下記3つとなります。
1.開発会社との関係性
事業会社のWEBディレクターとなると、実際に自分自身で開発をするのではなく他部署や他会社に任せていることが多いのでは無いでしょうか?
その場合、進捗確認などでは、なぜ遅れているのかなどの追及を自分より年上で仕事を出来る人達に指摘をしなくてはなりません。
社会人経験が多い先輩などに若手で無知な自分が指示をしなくてはならないということがとても気を使いやりにくい点でした。
2.「若者の発想」
私が所属している部署では20代が私1人しかおらず、40代以上人が多く占めております。
そのため、よく「若者ならではの発想を出してくれ」と言われることが多いです。
しかし、若者だからと言って誰しも柔軟でクリエイティブな発想ができるわけではありません。事業会社のWEBディレクターとして何かを企画しなくてはならない場合が多いですが、「若者の発想」を求められるのが1番難しい事です。
3.守・破・離
「失敗から学ぶ」「答えを教えるんではなく自ら考えさせる」という指導方法をしている方も多いのではないのでしょうか?
もちろんつきっきりでずっと教えるのが正しいとは思いませんが、基礎も何を教えず「とりあえずやってみろ」という指導が多くなっている気がします。
しかし、いくら失敗から学ぶことが多いとしても初めから失敗前提でやらされるとモチベーションは下がってしまいますし、若手だと周りの人に助けを求めることが難しいです。(誰に聞けばいいかもわからない)
そのため、まずは基礎をしっかり教えて(守)その基礎を前提に若手自ら試行錯誤をして(破)最後にオリジナリティを出していくのようなパターンが一番成長するのではないかと思います。
これらの事は私自身が経験したことをもとに抱えた悩みとなりますので、全員にあてはまるというわけではないですが、皆様の参考になれば幸いです。
LT②「SIer→Webディレクター転身のはなし」金井 祐樹
LTの2番目を担当する、金井です。
現在、Webディレクターとして7年目となります。
今回、私は、金融系SIerからWebディレクターへとキャリアチェンジした経歴から、その時の気づきをテーマにお話させて頂きます。
私は、大学を卒業後、金融系のSIerに就職し、テスター、プログラマー、SEとして約5年働いた後に、転職して、現在の自社サービスを運営している事業会社にて働いております。
そのキャリアチェンジを経験して、まず、Webディレクターになって変わったこと
1.スピード感
2.裁量
3.障害
1.スピード感
→ 企画、設計、開発、テスト全ての段取りにおいてスピードが求められます。webシステムはそこがメリットですよね。
2.裁量
→ ここが一番大きく変わったと感じました。これまで自分で決める事がほとんどなかった(決められなかっただけ?)が、転職後は、システムに関するほとんどの事を自分で決めなきゃいけない立場になりました。はじめはストレスでした。
3.障害
→ こんな発言したら、怒られちゃうかもですが、入社当時は自責で多くの障害を起こしてしまいました。今となっては、障害件数もほとんどないと補足しておきます。
逆に、変わらなかったこと
1.プロジェクト
2.チーム(ヒト)
3.プレッシャー
1.プロジェクト
→ プロジェクトの段取り、手順、手法、考え方みたいな部分は、大きくはかわりませんでした。もちろん、案件の規模によって、省く手順があったりといったところはありますが。
2.チーム(ヒト)
→ どんな仕事、職場であっても、一緒に働くメンバーが一番大切だと改めて感じました。
3.プレッシャー
→ 品質(障害)、納期、結果が求められる。この点におけるプレッシャーはかわりません。
色々な経験をさせてもらい、なんだかんだで、webディレクター7年目となりました。
最後にこれらの経験から、今後伸ばしていきたいこと
1.プロジェクト
2.チーム(ヒト)
3.成果
プロダクト(システム)を構築する上で変わらない事はやはり重要だと振り返ってみて改めて感じました。成果にこだわり、いいチーム作りをして、難しいプロジェクトに挑む、関わったメンバーを気持ちよくさせるには、やっぱり、成果が重要だと思っています。
なので、今後もこのポイントを伸ばしていきたいと思っています。
本編では、もう少し踏み込んだ内容でしたが、公開用はここあたりにさせていただきます。単なる私のキャリアチェンジにおける感想文になってしまいましたが、何か気づきがあれば幸いです。
LT③「事業会社で越境マインドを持ったWebディレクターはプロダクトマネージャーである」マツバラヤスユキ
僕は、2011年に新卒で入社した会社でWebディレクターとして様々な業務を行ってきました。自分の守備範囲を意識せず、任せてもらえる業務を積極的に行ってきました。
担当するプロダクトや役割は1〜2年ごとに変わりつつも、職種としての呼び名はずっとWebディレクターだと思っていました。
30歳が迫ってきて、これから何をして働いていくか?と考えた結果、転職を決意したのですが、会社(チーム)ごとに異なるWebディレクターの定義や役割に困惑しました。
さらに、数年前から「プロダクトマネージャー」という名称を耳にするようになったのですが、自分がやってきたことに近いような気がしていました。
ということで、Webディレクターの役割を改めて整理しつつ、プロダクトマネージャーの役割と比較してみました。
言葉の意味から導き出したWebディレクターの役割はかなり限定的なものでした。現実的にはそんな会社や役割分担はほとんどないと思うが。
他の職種と合わせて、役割を並べてみると、僕も他の職種の領域に越境してきたことになります。
僕が過去に行ってきた業務と関連する領域のスキルを広めに洗い出した(今回使用したWebディレクターのスキル棚卸しシートの項目)ところ、プロダクトマネージャー(PdM)が健全に機能させるべきとされているプロダクトマネジメント・トライアングルの内容と重なる(と解釈することができる)ことが分かりました。
結論として、
事業会社でプロダクトを担当しており
越境マインドを持ったWebディレクターは、
プロダクトマネージャーと言える
ちなみに、10月の体制変更で、僕は正式にプロダクトマネージャーとして働くことになりました!(正しいことが証明された。やったー。笑)
これからの生存戦略(目標)を考えよう!
自分の過去のキャリアを振り返り、現在のスキル棚卸しを行い、他人との違いを知り、視野を広げるためのインプットをした後は、自分のこれからの生存戦略(目標)を考え参加者みんなでシェアしました。
まずは個人ワークとして、
これからの生存戦略(目標)設定シートを使って、
・3年後の状態目標とスキル目標
・中間目標(1年後や2年後)
・この1ヶ月間で行うアクション
・アクションを行う上で想定するハードルと対策
を明確にしました。
その後に、それぞれ他の参加者に生存戦略(目標)をシェアして、お互いにフィードバックしあいました。
3年後という期間は、夢物語ではなく現実的すぎず、ちょうどいい期間でした。状態目標を達成するために必要なスキルを得るという考え方をする方と、特定のスキルを得ていることが目標でありそのためにこの経験をする必要があるという考え方をする方がいましたが、視点の違いが興味深かったです。
参加者の皆さんが掲げた3年後の目標をご紹介します!
素敵な目標ばかりです。
・一流のプロダクトマネージャーになる
・自社プロダクトマネジメントチームの責任者になる
・フリーランスのWebディレクターになる
・技術者とメンバーの気持ちが分かるディレクターになる
・事業責任者になる
・年収の3割以上を本業以外で稼ぐ
皆さんが目標達成されることを心より応援してます!
様々なバックグラウンドを持つ方々のキャリア観(これまで歩んできたキャリアとその中で身につけてきたスキルを使ってこれからどういうキャリアを歩みたいか)をのぞくことができ、自分が持っている選択肢はごく一部であり、自分の知る世界はまだまだ狭いことに気付かされました。
参加者の声
最後に、今回参加してくださった方々と勉強会の振り返りを行い、コメントをいただきましたのでご紹介します。
・Webディレクターのスキルの全体像を捉えることができ、今後のスキル開発を考える上で参考になった。
・参加するまではスキルを見える化して他人と比較することが不安だったけど、話しやすい雰囲気で良かった。
・できて当たり前だと思っていたことが、意外と他の人は苦手な領域で、自分の強みになるかもしれないと分かった。
・今後のキャリアの選択肢として参考になった。
まとめ
参加してくれた皆さんも楽しんでくれて、主催した僕もとても楽しい時間を過ごすことができました!
2時間の予定でしたが、盛り上がって3時間くらい話をしてました。笑
現在のスキルを棚卸しすることで自己理解を深めることももちろん大事ですが、それ以上に、他人と比較して違いを知ることが大事だと思います。
そして、自分のこれからの人生戦略(目標)を考える上で、選択肢を広げる機会を持つことが大切です。
第一回目を開催してみて、
「Webディレ健診」はそんな機会を提供できる場になる
と思いました。
継続的に育てていこうとと思いますので、皆さんお楽しみにしててください!
次回は11/16(土)に開催予定ですので、ご興味ある方は今すぐお申し込みください〜!