市丸数馬 / ウェザーアロマセラピスト

天気の変化により生じる心身の不調を予測し、アロマテラピーでケアする「ウェザーアロマⓇ」を考案。「ウェザーアロマセラピスト」として活動中。季節の移ろいで衣替えをするように、空の表情に合わせて香りも着替えることをアドバイスしています。

市丸数馬 / ウェザーアロマセラピスト

天気の変化により生じる心身の不調を予測し、アロマテラピーでケアする「ウェザーアロマⓇ」を考案。「ウェザーアロマセラピスト」として活動中。季節の移ろいで衣替えをするように、空の表情に合わせて香りも着替えることをアドバイスしています。

最近の記事

二十四節気 「大雪」の香り

「雪いよいよ降り重ねる折からなればなり」 『暦便覧』 大陸から顔を覗かせる興奮気味の寒気が、 “大”きな口を歪ませ、冷たい牙を剥いて威嚇すると、 大粒の“雪”涙を落とし、冷え冷えと泣き始める「大雪」の空。 寒々とした狂気な鋭声を日本海に響き渡らせると、 海上の子雲たちはその恐ろしさに身震いさせて、 思わず整列し、筋状に多くの雪雲行列を作るのです。 日本海側ではしっかりと雪が積もり、 太平洋側でも氷が張るような冷え込みとなって、 きりきりと笑う北風に咬みつかれる日々が続く

    • 二十四節気 「小雪」の香り

      「冷ゆるが故に雨も雪となりてくだるがゆへなり」 『暦便覧』 うぶ“雪”の飛来を告げる“小”さな噂話が、若い北風の背中に乗っかって、ゆっくりと漂い始めるころ、「小雪」。 白くてふわふわの冬を運ぶ使者が、小さな唇で耳元にそっとささやきかけます。 とはいえ、平野で雪が本格的に降る時季は、まだ少し先のこと。 今はまだ、未完成で幼い雪の季節なのです。 ぬるま湯に浸かって、熱を失いかけた太陽。 枯れススキにこぼれる、柔らかな斜陽。 地平線の彼方へと、細長く吸い込まれていく忘れ音。 そ

      • 二十四節気 「立冬」の香り

        「冬の気立ち初めていよいよ冷ゆればなり」 『暦便覧』 “冬”の白い煙がしなやかに“立”ち込めて、首元を撫でるように、ひんやりとまとわりつく「立冬」の時。 時雨の隙間に流し込まれる少し焦げ臭い斜陽に、目覚める無邪気な雪蛍。 「ふらゆら」と揺れる白綿は、やがて白雪の六花へと姿を変えて、「ちらゆら」と舞い咲きます。 山や里では、華やかに咲かせた彩葉の宴が、いよいよたけなわ。 次第に色が洗い流されていく中、落とされる白い霜と白い吐息と白い静寂。 そんな色を失いゆく世界でも、時に

        • 二十四節気 「霜降」の香り

          「つゆが陰気に結ばれて、霜となりて降るゆへなり」 『暦便覧』 澄んだ闇夜で凛と鳴く冷気にぎゅっと抱かれて、寒露が野草に白“霜”のため気を“降”ろす時、「霜降」の季節。 はるばる大陸から旅してくる、冷涼な高気圧に浸されて、透き通る夜空が走るような日。 そんな穏やかに澄んだ秋晴れの静夜には、油断していると冷たい秋の香りに、くしゃみをひとつ落とすことになります。 放射冷却という名のストローで、地上で生まれた温もりを、どんどん宇宙の彼方へと、鮮やかに吸い出してゆくのです。 そうし

          二十四節気 「寒露」の香り

          「陰寒の気に合って、露むすび凝らんとすればなり」 『暦便覧』 深まる秋の朝“寒”と夜“寒”に、思わず縮こまる小さな水の粒たちが、次々と野山の草花に冷たい水の結晶を落として、煌めきの“露”を結ぶ、「寒露」。 この時季、朝晩は、静寂に染み入るひんやりとした秋の寝息に、ギュッとさせられることがあります。 そんな小悪魔の不意打ちに、油断して穴の開いた胸の奥で、時おり戸惑いを覚えることはありますが、昼間になれば、秋陽に微笑むキンモクセイの、ほっこりとした温かい橙色と甘い香りが、傷つ

          二十四節気 「寒露」の香り

          二十四節気 「秋分」の香り

          「陰陽の中分となればなり」 『暦便覧』 「秋」を仕上げるスイッチが入る中、一日を支配する光と闇の世界を、真っ二つに「分」裂させるシーズンポイント、「秋分」。 真東から昇り、真西に沈む太陽によって一刀両断されます。 しかし、同じく昼夜が平等に切り分けられる、春分の頃と比較すると、気温は秋分の頃の方が10℃程度も高く不平等なのは、ちょっぴり可笑しなところ。 秋は、空を見上げて思いをはせるセンチメンタルな人種にとって、この上なく心揺さぶられる時季です。 「実りの収穫に“飽き”満

          二十四節気 「白露」の香り

          「陰気ようやく重なりて露にごりて白色となればなり」 『暦便覧』 夏の思い出をいっぱい詰め込んだハートのラッピングバッグを、煌めく“露”のリボンで結び、ようやく落ち着きを取り戻す空に、“白”いため息を1つこぼす「白露」の光景。 ヒンヤリとした空気に甘噛みされて、ふと気が付くと…。 季節を覗く小窓から吹き込んでいる隙間風。 息を潜めながら静かに窓を開けてみると、そこには新たな旬の風景が控えめに香ります。 大地の息づかいに合わせてゆっくりと呼吸する、安らかなススキ野原。 ジンワリ

          二十四節気 「白露」の香り

          二十四節気 「処暑」の香り

          「陽気とどまりて、初めて退きやまんとすればなり」 『暦便覧』 大爆走して、ぶっ飛ばしてきた“暑”気にも、ようやく目“処”が付いて、ゆっくりとフェードアウトを始めるころ、「処暑」。 ふと見上げると、青天井の一角では、暑苦しさで散らかった夏空を、サラサラと掃いて掃除したかのような跡を残す、ホウキ雲。 揺らめく夏の面影を残しつつも、絹雲の筆で滑らかに塗り替えられていく、処暑の空。 ときには、そんなさり気ない秋の入り口の浮雲に、暑さで少し疲れた心を委ねてみると、何だかちょっとだけ身

          二十四節気 「立秋」の香り

          「初めて秋の気立つがゆゑなればなり」 『暦便覧』 大活躍してきた夏の出番も、そろそろクライマックスを向かえる今日この頃。 次の主役に“立”候補すべく腰を上げるのが、爽やかな笑顔が素敵な“秋”です。 大きく大きく膨らんで、日本列島を飲み込んでいた熱気のかたまり、太平洋高気圧バルーン。 そんな巨大な夏の風船でも、忍び寄る秋がこっそり針で小さな穴を開けると、少しずつしぼみ始めます。 ホオズキのように燃え上がる情熱的な赤い太陽は、いまだ冷めることはなくとも、放つ眼光には陰りが見え始

          二十四節気 「立秋」の香り

          二十四節気 「大暑」の香り

          「暑気いたりつまりたるゆえんなればなり」 『暦便覧』 融風が“春”を緩やかに運び、その姿を凍空に“立”ち上げて、閉ざされた世界を目覚めさせた立春から数えて、早くも十二番目の節気、『大暑』。 春夏秋冬の折り返し地点になります。 太陽のテンションはMAXとなり、季節のエネルギーは右肩上がりの大フィーバーです。 暑そうな顔で見上げる日焼けした“ヒマワリ”と、涼やかな顔で見下ろす気象衛星“ひまわり”との間には、熱にうなされながらも、大きく広がる夏空。 その青テーブルの上で存在感を見

          二十四節気 「小暑」の香り

          「大暑来れる前なればなり」 『暦便覧』 暑さのボリュームが次第に上がり、ハートのボルテージもいよいよ空高く突き抜けていく季節。 真夏が今にもはち切れそうな昼空には、太陽が張り上げるサンシャインパワーポップなカラフルサウンド。 キレキレな熱いギターが放つ光の弾丸で、ダラダラと寝転がるベタ雲を乱れ撃ちます。 真夏の誘惑が香り始める夜空には、セクシーな漆黒にくるまれながら、怪しく浮かぶ3つのシャープな瞬き。 大きく三角形に見開いた、猫の瞳から飛ばすレーザービームで、暗闇に沈ん

          二十四節気 「小暑」の香り

          二十四節気 「夏至」の香り

          「陽熱至極しまた、日の長きのいたりなるを以てなり」 『暦便覧』 一年をかけて、地球が太陽の周りをゆっくりと航行していく過程で、北半球に浮かぶ日本列島の船上では、この日、太陽が最高に目をギラギラと光らせて睨みつけるため、昼間は最長となり、また逆に、夜は最短となるため、最も「寝不足」になる季節でもあります。 太陽が一番元気な季節、まさに眩しさに溢れる「夏」が「至」るわけです。 しかし、我々が乗船する日本列島と、睨みをきかせる太陽との間には、この時季、大きなグレーの帆布が掲

          二十四節気 「夏至」の香り

          二十四節気 「芒種」の香り

          「芒ある穀類、稼種する時なり」 『暦便覧』 「芒(ノギ)」」というのは、麦や稲などの穂先についている実の先端部分に、尖って生える針状の突起のようなものを指していいます。 一方、「種」については、種まきの時期であることを意味しています。 つまりは、芒のある植物である稲を植える頃、もしくは、同じく芒のある麦が収穫時期を向かえ、変わって稲を植える頃であることを表しているわけです。 熟麦の大きなうねりが穏やかに静まりゆき、生まれ変わった田湖には、ちびっ子の稲たちが綺麗に整列し

          二十四節気 「芒種」の香り

          二十四節気 「小満」の香り

          「万物盈満すれば草木枝葉繁る」 『暦便覧』 初夏のピチピチな空からほとばしる、 フレッシュで眩し過ぎる「痛快小満パワー」。 そんな目の奥にまで染み渡る、痛気持ちいいエネルギーを浴びたなら…、 植物たちは、枝葉のアンテナをグイグイと伸ばして振り乱し、 生命の感度を一気に引き上げます。 動物たちは、注ぎ込まれたその力を惜しげもなく解き放ち、 天高くシュララと打ち上げます。 そして、小満に腰かけて、満悦の表情を浮かべる神様は、 様々な生き物たちに、みなぎる活力をもたらします。

          二十四節気 「小満」の香り

          二十四節気 「立夏」の香り

          「夏の立つがゆへなり」 『暦便覧』 それは光の噴水が空高く腕を掲げる季節。 若葉の上をルラルラと転がり踊る太陽の欠片。 時おり、その小さな手の平からこぼれ落ちて、砕け散る光のしぶきに、 私たちはシュワシュワと目を細めます。 やがて、散らばった光の粒たちは、キラキラに満ちた輝く絨毯となって、 真っ直ぐに夏の核心へと繋がるのです。 そして、次第に高まる命の合唱。 空の彼方にまで響き渡ると、エネルギーの雨を大地に注ぎます。 そんな雫を浴びれば、何だか不思議と力がムワムワと

          二十四節気 「立夏」の香り

          二十四節気 「穀雨」の香り

          「春雨降りて百穀を生化すればなり」 『暦便覧』 本日より、全国的に「穀雨」な季節の香りに包まれるでしょう(^-^)。 シトシトと降り注ぐ春雨が、畑へ蒔かれた種に潤いをもたらし、花芽や葉芽にはエネルギーを注ぎ込んで芽吹きのお手伝いをします。 この時季は、育ち始めた柔らかい命の息吹が輝く季節。 そんな新たな命に優しく潤いのベールをかけるのが「穀雨」です。 晩春から初夏にかけての隙間にしっとりと染み入ります。 しかし、時に風や雨を振り回す春の嵐を呼ぶこともあります。 “花

          二十四節気 「穀雨」の香り