aftersun/アフターサンはトラウマ爆発映画でした

aftersun/アフターサン
シャーロット・ウェルズ

いかにもスコットランド人らしい感傷的なドラマである。
19歳で父親になり、すぐに離婚。
娘と二人で過ごす夏休みからそれぞれの繊細な心の状態を表現している。

毎回映画の詳細は調べずに見に行くのだが、今回は完全にトラウマが爆発してしまった。

私は3歳の時に両親が離婚しており、母親の方に引き取られていたのだが、
小学校6年生までは夏休みになると父親の家で過ごしていた。
この主人公と全く同じ状況だったのだ。
最近あった広末の話じゃないけど、離婚した時にどちらについていきたいかと迫られ、母親を選んだのは後悔していないが、もちろん父親が嫌いなわけではない。
女ぐせは悪かったが、父親は私のことをとても愛してくれたし、夏休みに一緒に過ごした時は毎日が特別な日のようにしてくれた。
また母親の元に戻らなくてはならない日が近づいてくると寂しかったが、父親に涙を見せるようなことはしないようにしていた。
今思えば、もっとわがままに泣きじゃくればよかったのにとも思うが、親が離婚している子供たちはいわゆるアダルトチルドレンというやつで、状況がわかってしまうのでうまく甘えることができない。
そして、母親の元に帰ってきてからは寂しくて数日泣き続けてしまうのだ。
もちろん、母親が嫌いなわけではない。
こんな姿を見て、母親も申し訳なく思っただろう。

幼少期から夏休みの度に胸が張り裂けそうな感情にさせられる。
しかし、自分さえ我慢すればうまく収まるし、時間が解決してくれるというのは誰から教わるわけでもなく習得していった。

あれから何十年も経って、そんな気持ちは忘れていたけど、
この映画を見て、あの時の辛い気持ちが押し寄せてきてしまった。
親も親で辛かっただろう。自分の人生だ。
しかし、選択肢のない子供にとってこういう状況は過酷以外の何ものでもない。
あんなに小さな頃から感情が揺さぶられていいものだろうか?
人生において挫折は必要だと思う。
しかし、順を追って少しずつ強くなっていればもう少し人を信用できたのではないかと思う。

あの頃辛い思いをしたから、周りの状況が見えすぎてしまってなんだかずっと疲れているのだ。
自分が辛かった分、人の辛さが手に取るようにわかる。
だから人に優しくできるという意味では悪いことではないが、自分の感情は蔑ろにしていいのか?という気持ちにもなってしまう。

たまにいるのだ。両親が不仲で子供が遠慮しちゃっているというのが。
その子供たちを見ていると昔の自分のようで可哀想になってしまう。
みんな優しい子なんだよな。

恋愛はとってもいいことだけど、子供にだけは気を使わせてはいけない。
子供は愛されて育たなければ。



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