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釣りと経営は似ている話#02|釣りで経営感覚を養う!?

前回(↓↓)の続きから


🎣釣りの準備は戦略立案である

釣りを楽しむため、釣りで結果を出すためには、事前に十分な準備が必要であるが、これは一種の「戦略論」と似ている。
戦略とは、特定の目的を達成するための計画や方法論のことを指し、主にビジネスや政治、軍事などで使われることが多いが、個人的な目的達成の方法論としても応用できることが多い。正に釣りがそうだ。
つまり裏を返せば、釣りを楽しみ結果を出すことができるということは、一種の戦略論を体現しているということだ。

実際のビジネスと比較してみた場合わかりやすい。
例えば、A社に対し自社製品を売り込みたい場合、どんな準備をしているだろうか。

A社がどんな業種で、どんな事業をしていて、どんな課題が想定されて、、、
対応いただく担当者さんは、どの部署の人で、どんな立場で、どんな性格で、、、
ここまでは、先程の釣りで言えば、釣り場の環境に近しい事前情報である。

そして説明する自社の資料はどんなものを用い、どんな展開を想定して話すのか、アイスブレイクは必要か、トータル何分くらいで切り上げるのか、などなど
環境に合わせた装備と当日の釣り方に近い話である。

こうした準備に基づき、実際に当日商談を実施し得られた結果を考察する。
うまくいったのであれば、次回以降も同じ流れで臨めば良いし、失敗したのであれば、なぜ失敗したのかを分析し次回改善を図ることが求められる。
いわゆる「PDCA」というものだ。
「PDCA」は一般的にビジネスパーソンであれば通じる用語と解し、ここでは説明を省くことにする。
釣りはこの「PDCA」を釣行中の数時間内で高速回転している感覚だ。

そして繰り返すが、ダメだった場合は「出直す」ことが大切だ。
商談の場で、顧客の「YES」を得るまで帰らない営業マンがいたらどうだろうか?
万に一つは、顧客が根負けして粘り勝ちできる可能性があるかもしれないが、普通に考えて出禁をくらう可能性の方が高い。
今の時代、熱血サラリーマンというか、気合と根性で仕事をするスタイルは流行らない。

これは商談だけではない。
マーケティングなど他分野でも同様のことが言える。
ダメなら次の策を考える。
ダメである事実を受け入れることが何より大事だと考える。

🎣「損切り」の是非

私は「損切り」できないことがあまり好きではない。
なぜなら「続ける」ということには相当な労力がかかるためだ。
特にプロセスに疑問を持ちながら続けることは、モチベーションの維持が相当大変だ。
続けながら現状を分析できるだけの余力があれば問題ないが、中小企業の薄いリソースを考慮すると、並行してアクションできる会社はそこまで多くないように感じる。
なので、私の場合は「ダメなら一旦ストップして分析する」ことを推奨している。

ストップすることは、一見もったいなく感じるかと思うが、私は逆に続けた方がもったいないと考えている。
なぜなら、ストップすればそのタイミングで投資額(=損)は確定するが、ずるずる投資を続ければ、さらに投資額が嵩み損失が膨らむからである。

「もしかしたらこの後うまくいくかもしれない」という考えは完全には否定しないが、ビジネスはギャンブルではないため基本的に起こらないと思った方が良い。
ビジネスはロジカルに考えた方が良いと思っている。
「うまくいっていない」のには理由があるわけである。
顧客が買わないのには理由があるわけである。
そこを分析せずして、次の投資はないと私は考えるタイプだ。

損切りできない背景には、ギャンブルや宝くじのような泣きの一発があるためでもある。
それは可能性として否定するものではない。
あくまで確率論的な話と経営的なリスク許容度の問題であり、そういった判断も間違いとは言えない。
ただ、銀行に10年勤めた私の感覚的に、余裕のない中小企業には決しておすすめしない。
もしご自分の会社の経営者がなかなか損切りしない方針の方で、会社の規模感や資金的な余力などを考慮した際、将来的に見通し不安である場合、早々にキャリアを見つめ直すことを推奨したい。
一見普通に見えても経営的にはかなりリスクがある体制であると思われる。

よく言われる企業の生存率でいうと、設立して3年で65%、10年で6.3%、20年で0.39%、30年経つと0.025%と言われている。
つまり、創業からわずか10年の間に9割近くの会社が廃業するのだ。
創業から30年でいうと99%が存続できないという驚きの数字だ。
それだけ経営は難しいということだ。
損切りだけが廃業要因ではないものの、企業はお金が尽きたら「倒産」という感覚からすると、かなり大きい割合を占める要素の一つであることには違いない。

🎣釣りで経営感覚を養う

話を戻すと、釣りはこうした経営感覚を養うための絶好のレジャーであると考える。
少なくとも、マネジメント職で経営レベルを目指すのであれば、身につけておかなければならない感覚だ。
極論、短期間で釣りが上達できた人は、比較的経営に向いているかもしれない。
たまたま釣れたは抜きにして判断してほしい。

つらつら書いてきたが、結果何が言いたいかというと、「釣りと経営は似ている」という話をしたかったわけだ。

繰り返すが、私は釣りにおいては特にガチ勢ではなく、趣味として好きなだけの人間だ。
釣り方も限定的なため、知っている知識もこのくらいだ。
本誌はあくまで経営論の枝葉の一つとしてご笑覧いただきたい。