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オープンイノベーションについて原著を基に考察してみました。

こんにちは。テレワークが隆盛していると巷で聞きつつも、ゆるりハードワークしている毎日です。

今回は前回、オープンイノベーション税制について書かせていただきましたが、今回はそもそもオープンイノベーションとは何かについてヘンリーチェスブロウの原著にあたりながら理解を深めていきたいと思います。

オープンイノベーションの定義

オープンイノベーションとは、知識の流入と流出を自社の目的に叶うように利用して社内イノベーションを加速するとともに、イノベーションの社外活動を促進する市場を拡大することだ。

オープンイノベーションは、現在の企業活動とは別の社外チャネルを介して社内アイデアを市場に投入することによっても新たな価値を生み出せることを想定している。

オープンイノベーションの根本的な前提は、役に立つ知識が広く分散していることにある。

オープンイノベーションは、社外リソースを活用した社内イノベーションと言えそうですね。

オープンイノベーションを必要としている背景

元々企業がテクノロジーを開発して世に出ることは多くなく、ある大企業については抱えているテクノロジーのうち世に出るのは10%ほどで残りの90%は社内で保有しているだけだとのことです。

そのため、大企業で活用しきれていない技術やリソースを活用するためにオープンイノベーションというソリューションによって解決を図っていきたいということなのでしょう。

オープンイノベーションにおいて重要な5大要素

ビジネスモデル

ビジネスモデルには2つの重要な役割がある。バリューチェーンの中で価値を創造することと、チェーンの中で当該企業が価値の一部を確保できるようにすることだ。

社外テクノロジー

社外テクノロジーを活用すれば、社内の欠けている部分を補うという形で、また、社内テクノロジーをより速くより広範囲に受け入れられるようにする補完的な製品やサービスを作るという形で、企業のビジネスモデルを後押しできる。

会社の中で棚上げされている案件について、社外リソースの活用によって、事業促進が促せそうです。

知識

オープンイノベーションは、期待できる社外知識供給源を探す(そして、そのような供給源の真価を理解できるようになる)という意味でも、社外知識と社内知識を組み合わせて新しいシステムやアーキテクチャを作り出すという意味でも、知識管理の重要性を今まで以上に強調しなければならない。

社外とうまく接点を持てる方法を模索しつつ、社内、社外を問わない知識を管理する人材や方法が必要と言えます。

スタートアップ企業

スタートアップ企業は、経済の中で売上や雇用のシェアを負担しているという以上の重要な役割を果たしている。スタートアップ企業は、新しいテクノロジーを動かすとともに、新しい市場を発掘することもある。また、まったく新しいビジネスモデルの実験者になることもある。

スタートアップ企業は大企業である特定の位置にい続けると気づかないようなテクノロジーや市場を発掘してくれます。そのような会社と出会うためのチャネルを何個か持っておくことが、オープンイノベーションにとって欠かすことのできない要素と言えそうです。

知的財産権

知的財産権はオープンイノベーションにおいて重要で微妙な役割を果たす。知財は、財産権を明確にすることによって、役に立つ知識を持つさまざまな主体の間でのアイデアやテクノロジーの交換を促進する。しかし、広めすぎたり強すぎたりする財産権は、オープンイノベーションが機能するために必要なアイデアと知識フローを止めてしまいかねない。

大企業よりも中小企業の方が多いと思われますが、知的財産も社内に専門家がいない場合は外部の専門家またはそれについて詳しい人とのつながりも必要と言えます。

最後に

仲介者の役割についても述べられておりましたの引用いたします。

イノベーション市場での仲介者の役割を重視することである。
技術提携などの関連領域では、仲介者の存在が注目されてきてはいたが、仲介者は今やイノベーション自体の中で直接的な役割を果たすようになってきている。イノベーションがよりオープンなプロセスになるにつれて、仲介市場が成長し、以前なら企業が完全に社内に抱え込んでしまう段階に入った技術でも、取引されるようになった。このような市場では、専門企業が情報、アクセスだけではなく、資金まで提供して取引を実現させている。


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