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「エンジニアの市場価値」と「ええけえ、やろうや」

1年くらい前ですかね、エンジニアメンバーのキャリアとかで頭をかかえることも多かったんですが、話しながらなんとなく自分の中でなんとなくまとまったのでそのお話。

当時は結構テンション高め(?)で勢いで書いているので、思い出して文体がそこそこに荒れています。ごめんなさい。


「今の会社には技術を高める文化が足りないと思います」


「このままここにいても、市場価値の高い人材になれるか不安なので、もっと成長できる環境に転職したいと思います」

そうか。

そうかそうか。

まあそうかもね。

確かにうちのフレームワーク別に新しくないし。

サービスも肥大化してきてメンテナンスのコストも上がってるし。

いきなり「新しい言語」とか学習コストとか考えると簡単に手が出せるかというとそうでもないしね。


。。。


本当か?

エンジニアとしての市場価値は、触ったことがある言語の数なのか?

最新のプログラミング言語を使えるかどうかなのか?


疑問が降って湧いたわけです。


そんで今日の話。


「エンジニアで技術高めようとするのって、大工がいろんな現場を転々とするのと同じっすよね」


って後輩のマネージャーが言ってたとき。

あ、確かに。

「でもそれって結局現場だから、便利な現場の人にはなれるけど、上には上がらないから金稼げないっすよね」

確かにそうだ。

そしてメンバーたちの理屈はこうだった。

「今使っている言語が時代に置いてかれたらどうするんだ。新しい技術を使ったことがない市場価値の低い人間になってしまうんじゃないか不安だ」

と。言い換えるなら「次の現場に行って別のインプットをすれば、時代についていける」ということだ。

そこで思ってしまった。

「じゃあ君は、50歳になってもずっと現場を転々としていくつもりなのか?」


現実問題それは不可能だ。一定年齢を超えるとインプット能力は落ちていくし、単純に若い世代とは勝負にもならない。

どう考えても、彼らがイメージしている将来像とは異なるものなはずだ。


結局彼らが見据えているのは、「5年後、現場で便利な大工になってる方が安心」というちょっと先の話だけだ。

本当にそれが、「市場価値の高い人間」なのだろうか。


違う気がする。

本当に工事現場に来て欲しいのは、幾千もの修羅場をくぐって来た経験からアドバイスと指揮をしてくれる監督だ。


エンジニアに言い換えるなら、新規プロダクトを作ったエンジニア、サービス展開で成功を収めたエンジニア、炎上案件を鎮火させたエンジニア、なはずだ。

彼らは技術をあくまでも目的ではなく手段として捉えて遂行する「目的を達成できる人材」だ。


よく考えてほしい。

君たちの考える「市場価値の高い人材」、

それは本当に新しいインプットを求めて現場を転々とするエンジニアなのか、

それとも泥臭かろうと事業を成功に導けるエンジニアなのか。


どっちだ。


答えはいうまでもないはずだ。


じゃあ次に聞く。

「市場価値の高いエンジニアになるチャンス」すなわち「事業を成功に導けるエンジニアになるチャンス」

それは今の弊社にはないのだろうか。


これもいうまでもないはずだ。


ある。


それどころかそこら中に溢れている。

もっとそれどころか今日自分の目の前にそのチャンスはあったはずだ。

うちほどそのチャンスに溢れている場所はない。資金があって、若くてもチャレンジさせてくれる。失敗しても、何回だってやり直させてくれる。

そこらの工事現場とはワケが違う。コイキングなのに戦いに出させてくれる(急にポケモンの話)。でもげんきのカケラはめちゃくちゃいっぱいある。


ひょっとしたら厳しい現実かもしれない。
「今の目の前の壁を突破するのが成功のチャンスだった」なんてオチ。

「◯◯さえすればどうにかなる」

とても甘いささやきだ。可能性はゼロじゃないとも言い張るだろう。

でもそれだけに「それを突破すれば成功する」という説得力も高まるんじゃないか。

「それでも僕は技術を学ぶのが好きなんです」


それでもそういうメンバーもいるかもしれない。でも違う、それも勘違いしている。

学校教育が強制でつまらないだけで、人間は本来「学ぶのが好き」な生き物なのだから。

生きていくために本来そういう風にインプットされているのだから。

「技術を学ぶのが好き」なんじゃない、人間として「学ぶのが好き」という本能に従っているだけ。

結局、プログラミングしかり、シンプルにスキルで生きて行こうとすれば超一級で突き抜けなければ飯は食っていけない。


スポーツと同じだ。

男の子なら結構な割合で一度はプロ野球選手かJリーガーを夢見る。
そしてそのほぼ100%が「これじゃ飯は食えないな」と諦めていく。

ゴマンといるエンジニア人口の中で、現場で生き抜いていけるスキルをもつためには超一級にならなければならない。

「技術を学ぶのが好き、それで食べていきたい」

超一級になれるのならそれもいい。

でも

「この会社には技術を学ぶ文化が足りないと思う。だから不安だ」なんて言ってる奴が超一級なわけがない。

そんなことを言ってる暇もないくらい、開発に没頭し、結果を出して認められているはずだ。

そうなってなくて悩んでいるってことは、エンジニアの世界も、「プロにはなれなかったアマチュアスポーツ選手」の側だってことだ。

がっかりしたかもしれない。

でも大丈夫、結局やることがシンプルになっただけ。

僕の大学受験時代の塾の先生が言ってました。

「ええけえ、やろうや。そんなん簡単なことじゃろーが」

いつの間にか文体がどっかの先生みたいになってしまった。しかしつまりそういうこと。

恩師は最強でした。

終わり。

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