旅行先でスマホばっかり見ちゃうから
ゆるりと読書記録。
タイトルを見た瞬間に読もう!と手に取った、スズキナオさんのエッセイ。
それぞれの旅の記録の最後の一文が、とっても素敵。
自分がこれまで歩んできた道を振り返るような、これから自分がどこへ進んでいくか、ワクワクを感じさせてくれるような文章で締められている。
旅の面白さ、世界の広さ、人生の果てしなさを感じさせてくれる文章。
また、スズキさんは訪れた土地で、気になった居酒屋や銭湯にふらっと立ち寄っている。
この「ふらっと立ち寄る」が私もできたらいいのにと思いながら読んでいた。
どこへ行くにも、事前にスマホで調べる私。
知らない街を歩いていて、とあるお店の外観や看板に目を引き寄せられても、お店の前で、もしくはお店を少し過ぎたところで立ち止まって、スマホを取り出してしまう。
悪い口コミはないか、どんなメニューがあるのか。
数分間調べて安心できたらようやく、お店に足を踏み入れる。
調べた結果、入るのやーめた!となったことはほとんどないけれど。
方向音痴で、道行く人や駅員さんに道を聞く勇気もなく、初対面の人と話すことにとんでもない緊張感が着いてくる。
ふらっと立ち寄ったお店で、お客さん同士の交流が盛んだったり、店員さんがフレンドリーすぎたら、それは私にとっては居心地の良い場所とは言えない。
反対に、店員さんがめちゃめちゃ怖いのも嫌だ。
つくづく、スマホと旅をしているよなあと感じる。
スマホよりも、もっとその土地の景色に目を向けたい。
自分の直感をもっと信じて、「ふらっと」してみたい。
そういえば、私の家の近くにも旅館がある。
住宅地にポツンと建っている旅館だから、たぶんスズキさんが泊まった旅館と同じ雰囲気なんだろうなと思う。
『家から5分の旅館に泊まる』私もやってみようかな。
私もスズキさんのように、家の近くで「非日常」を味わってみたい。
でも早速、スマホを取り出してその旅館のことを調べ始めていた。
「ふらっと」への道のりはまだまだ遠い。