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Ristorante イル・エヴァンジェリーナ


 皆さん、こんにちは。これでも元飲食業界木賃ふくよし(芸名)です。
 さて。えー、ちょっとね、コレは仮の話なんですが、ちょっとだけワタクシの妄想にお付き合いください。ええ。はい。よろしくお願い致します。

 まあ、これ全部、仮定の話ってか妄想なんで、真剣に考えないで欲しいんですが、

 ちゃんと計算した訳じゃないんですが、だいたい25年ぐらい前ですかね、

 とある所に話題のイタリア料理屋がオープンしまして。ええ。独立前は有名店で名を馳せた鳴り物入りの凄腕シェフです。シェフの名前は伏せますし、店の名前も仮名ですが、


 リストランテ・イル・エヴァンジェリーナ(仮)


 というお店です。
 結構評判になってまして、ワタクシもイタリア料理屋がとか大好きなんで、やっぱり気になるじゃないですか。
 で、行ってみたんですよ。ええ。

 まあ、なんて言うか、リストランテ(高級イタリア料理レストラン)と言うよりは、どちらかと言うとトラットリア(イタリア料理大衆食堂)に近い感じですかね。いや、店構えとかは高級レストランって感じなんですが、内装とかはもう少しカジュアルな雰囲気で、別にそれが良いとか悪いとか、そーゆー意味じゃないです。

 値段もまあ、リストランテとしては安いけど、トラットリアとしては少し高めの設定かな、ぐらいの感じなんですよ。


 え? 肝心の味ですか? (´・Д・)」


 そうですね。全然悪くなかったと思います。むしろ、光る部分もあって、満点には程遠いけど、盛り付けとかはセンスもありましたし、塩加減とかは、お酒を飲む人間には抜群の当て方だったと思いました。ええ。

 悪くない。うん。悪くない。


 費用対効果を考えると、ちょっと高いか? って気がしなくもないんですが、そこは好みとか人によって違いますので、明言はしづらい所です。ええ。はい。まぁ、、、

 え? 何か奥歯にモヤシが挟まったような言い方をしてる?


 ええ、そうなんです。実は、


 奥歯にモヤシが
 挟まってるんですよ。


 実際に。



 (´・Д・)」 はァ?

 と思われた方がいらっしゃるかと思うので、簡潔に説明しますと、イタリア料理店に行ったら、



 モヤシ炒め(¥800)が出てきた。


 (´・Д・)」 マジで。


 ええ。ただね、¥800はちょっと高いけど、確かにこのモヤシ炒め、美味いんですよね。
 確かに美味い。そこらの中華料理より、絶対に美味い。モヤシ炒めなのに。仕事は丁寧で、ヒゲ取りとか処理は完璧。モヤシも新鮮で品質は完璧。何より、味付けが素晴らしい。¥800もするけど。うん。


 てか、他の料理も、


 付き出しは中華くらげだったし、
 前菜は棒棒鶏(バンバンジー)だったし、
 スープは筍と干し椎茸だったし、
 パスタは坦々麺だったし、
 メインは酢豚だったし、
 デザートは杏仁豆腐だったんですよ。



 (´°Д°)」 いや、中華料理やん!?


 パスタとか、ボロネーゼ(挽肉ソース)って書いてあったけど、坦々麺だったよね?
 ポルコ・アチェートとか書いてあったけど、それってまんま酢豚の意味だよね?

 確かに、味は良かったよ。そこいらの中華料理店より断然に美味しかったよ。けど、それってイタリアンなの? ねえ? イタリア料理なの? ねえ?

 何だか釈然としない気持ちを抱えながら、ワタクシは店を後にした。高かったのか、安かったのか、イタリア料理だったのか、中華料理だったのか。いや、少なくともワタクシはイタリア料理を食べるつもりだったし、イタリア料理を食べたかった。
 その気持ちは満たされなかったが、確かに美味しくはあったのだ。
 得点のつけようがない。

 ただ言えるのは、あの店のシェフが作る、イタリア料理を食べてみたい、という気持ちが強く残ったという事だ。

 しばらくして、イル・エヴァンジェリーナ・キネマという姉妹店が出た。こちらも大変な評判で、ワタクシは今度こそ、あのシェフの作るイタリア料理が食べられると思って、足を運んでみた。

 しかし、何かが違う。
 確かに美味い。美味いんだけど。


 スープは干し椎茸から、乾燥ポルチーニ茸に変わっていた。美味かった。
 メインの酢豚の酢は、バルサミコ酢に変えられていた。美味かった。


 いや、でも中華やん。
 イタリア料理じゃないやん。

 でも、確かに美味いんだよな。



 釈然としないまま、ワタクシは店を出た。

 その後、何店舗か店を出したりしながら、シェフはニューヨークに出店するとかで、全店閉店を決意。その後、風の噂でマネージャーが売上を持ち逃げしたとか、出資者が脱税で捕まったとか、セカンドシェフが店を出したりとか、もはやエヴァンジェリーナは忘れられたけど、シェフは他の料理店をプロデュースしたり、直接関係のない他のレストランにグランドシェフとして呼ばれたりしてると聞いた。

 そんなある日、十数年ぶりに、あのシェフが日本で再び、エヴァンジェリーナをオープンさせるという。どうやら、出身である大阪と、修行した京都、そして、どういう訳か名古屋。最後には東京でも出店するという。

 ワタクシはいささか懐疑的ながらも、復活第1店舗・大阪店へと行ってみた。

 まあ、ある意味では予想通りだ。
 かつてのエヴァンジェリーナと同じく、どこからどう見ても味わっても中華である。
 そして、美味しくはある。


 そして、第2店舗・京都店。もはや期待はしていな、、、


 (´°Д°)」 なにッ!?


 これは、、、フュージョンスタイル!?


 そう。それは中華料理でもイタリア料理でも多国籍料理でもない。全く新しいイタリア料理と中華の融合。


 これは、、、!? これは、、、!?



 美味い、確かに美味い。そして、イタリア料理ではない。色々と言いたい事や思うことはある。だが、これは美味い。これは期待していいのでは!?


 そして、第3店舗・名古屋。




 (´・Д・)」 過去最低の中華料理が出てくる。



 メニューからして、もはや、バンバンジーとかホイコーローとかチンジャオロースーって書かれてる。店名以外、イタリア感さえも出す気ナシ。


 (´・Д・)」 ガッカリだ。京都店が良かっただけに、本当に残念で仕方ない。

 別に中華として抜群なら、まだ話も変わったろう。だが、味も正直、チャイニーズ・チェーン店の方がマシなんじゃない? と言いたくなるばらつき具合。不味いと言うより、美味い皿と、不味い皿の差が激しい。安定感がない。てか、チンジャオロースてどーゆー事やねん、と。

 ちがう節子そうやない。イタリア料理名で中華の味がする意外性がウケてたんとちゃうんか? てか、そのパターンがこの店の売りやないんか? まんま中華って、そーゆー意外性はいらんのや。期待を裏切る面白さやのうて、これは単なる期待ハズレや。


 しかし、周囲の評判は悪くない。無論、ワタクシと意見を同じくする人はいるが、世間的には人気店で、連日人が並んでいるらしい。
 いや、イタリア料理どこ行ったよ?

 とは言うものの、周囲の概ねの意見は、ワタクシと違い、良かった、美味しかった。

 ワタクシが率直な感想を言うと、


 「エヴァンジェリーナはアレでいい」

 「そこに文句を言うのは間違い」

 「あの中華味を食いに行ってるんだよ」


 的な答えが返る。釈然としない。


 そして、間をおいて、とうとうオープンした東京店。


 うん。美味かった。


 美味かったと思うんだ。それなりに。


 スタイル的には、フュージョンと言うより、チャイニーズとイタリアンを、ちゃんと日本人受けするようにジャパナイズしてあると言うか、うん。まあ、丁寧だし、手は込んでたし、悪くなかった。


 てか、うん。

 ワタクシは、あのシェフが作る、


 イタリア料理が

 (´・Д・)」

 食べたかったんだよなァ、、、




 でも周囲は、「まぁ、シェフがちゃんと料理を作ってくれただけで満足」とか言ってんの。わかるけどさあ。なんて言うかさあ、、、。

 と、言うのが、



 シンエヴァ◯ゲリオン劇場版の感想なのである。



 (´・Д・)」 え? エヴァの感想終わったんじゃねーの? って? うん。そんな事を言ったら、エヴァなんかとっくに終わってたんじゃない?


 てか、書くつもりはなかったんだけど、エヴァの感想の続きを書け!というリクエストがあったんで、そもそも感想が長くなりすぎてカットした飯屋のくだりがあったから書いただけなんですけどね。ええ。


感想のまとめはこちら。



 ワタクシは、ぐたぐた引きずるのも、エヴァンゲリオンも好きじゃないんで。ええ。


 ※ 前の3つと違い、この記事はすべて無料で読めますが、釈然としなかった人は投げ銭(¥100)をお願いします。
 なお、この先には特に何も書かれてません。


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(´・Д・)」 文字を書いて生きていく事が、子供の頃からの夢でした。 コロナの影響で自分の店を失う事になり、妙な形で、今更になって文字を飯の種の足しにするとは思いませんでしたが、応援よろしくお願いします。