「NHKスペシャル 原発メルトダウン 危機の88時間」再放送を見て
すごく感傷に浸る番組があったので、久しぶりに個人noteで投稿します。
3.11からかれこれ13年を経たものの、この時期NHKでは毎年、折々の新番組や過去名作の再放送が行われます。
後で見ようと録画したのが、「NHKスペシャル 原発メルトダウン 危機の88時間」でした。
『FUKUSHIMA50』、官邸・省庁・自衛隊関係者、米国の中枢メンバーの証言録など、いくつか福島第一原発の危機を扱った映像コンテンツを見ていたものの、この作品を見て、より正確な時系列で危機が深刻化するプロセスを理解することができました。
当時の福島第一原発には、各建屋の水素爆発や、東電本店がネックとなって発生した政府とのディスコミュニケーションなど、危機を深刻化させる事象が連鎖し、それが3基の原発のメルトダウンを招きました。放射能汚染で東日本が壊滅する危機を免れたのは、偶然の産物でしかないという分析結果に、祈るように日々テレビニュースを見つめた当時の戦慄を思い出しました。
吉田昌郎所長が亡くなられたのは「ご病気」ではなく、長らくこの危機を放置してきた日本の政府、国民の姿勢が生んだ「殉死」だと痛感します。
組織人として、想定外の危機への対応や、ディスコミュニケーションが最悪の結果を招くことを教訓としなくてはと感じました。
こんな13年前の記憶を歯牙にもかけないような現政権の原発推進政策は、珠洲原発の避難計画が実際の危機に対応できない懸念を見るにつけ、肌寒さを禁じえません。
また、これだけのリスクある設備の管理責任を一民間企業に背負わせ続けるのがいいのか、ということも真に持続可能なエネルギー政策のために考えなくてはならないと思います。
避難計画は鋭意検討中です、としか答え無さそうな現政権には答えを求めません。真摯に考えてくれる候補者を見つけ、一票を投じたいと思います。