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文化人類学がおもしろい

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わたくしコミュニケーションを専門とする博士(学術)の筆者が”複数の他者のあいだのコミュニケーションを記述すること”という切り口から文化人類学の文献を読んで行きます。 わたしは文…
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2018年10月の記事一覧

国土と神 読書メモ:中沢新一『精霊の王』

国土が出来上がる前からの神中沢新一氏の数ある著書の中でも、私はこの『精霊の王』をとても気に入ってる。 この本は「シャグジ、ミシャグジ」あるいは宿神などという呼び名をもった神というか、精霊の話である。 人間の精神の言葉で語ってしまうが故に、神や精霊というものを呼び出さざるを得ない働き。人類が人類らしい姿にまで進化したその時から、連綿と精霊的なもののことが語られてきたのであろう。 ※ 神や精霊の姿、というか「あり方」にはいくつかのパターンがある。神や精霊が今日の私たちが知

言い換えを試す余地を無力な個人にも ー読書メモ:『声の文化と文字の文化』と『ピダハン』

ウォルター・J・オング氏の『声の文化と文字の文化』という本がある。 私がこの本を最初に読んだのは大学生の頃だった。当時、電子情報工学系の学部に属していながら、人文系の「メディア」の理論に興味を持ち始めたところだった。 電子情報の技術を開発しようとする場合、通信機と通信機の間で信号を送ることが課題になる。送信側の機械が作り出した「電気」のパターンを、受信側の機械でいかに正確に再現するか、そのための技法を探求するのが仕事である。 ところが私はあろうことか、通信機の「端末」の