2024年11月1日(金) 米国経済ニュース
1.企業決算
Amazonの決算
売上高 予想1572億ドルを上回り、1588.8億ドル 前年同期比+11%の増加。
純利益(EPS) 予想の1.14ドルに対し、1.43ドルで好結果。
AWS(クラウド部門) 成長率が前年同期比+19.1%(予想19.3%) 予想を少し下回りましたが、堅調な成長と見なされています。
株価反応: 決算発表直後に4.7%上昇し、その後一旦下落しつつも、引き続き買われる動きが見られました。
インテルの決算
売上高 予想の130.2億ドルを上回り、132.8億ドル。
純利益(EPS) 46セントの損失予想から一転して利益に回復。
ガイダンス 次四半期のガイダンスでは、アナリスト予想のEPS0.08ドルを上回り、0.12ドルの見通し。売上は133億〜143億ドルと、予想の136.6億ドルに幅広く対応する見込み。
事業再編 ファウンドリー事業を独立子会社化し、外部企業のチップを製造する方針を示しました。これにより資金調達の幅が広がり、競合であるTSMCのように他社向けのファウンドリー事業を強化することを目指しています。
株価変動 好調なガイダンスと再編計画により、約12%の上昇。
2. 市場全体の動向
主要指数:
NYダウ -0.9%(1日で約340ポイント下落)
S&P500 -1.86%
NASDAQ -2.76%、テック中心に大きな下げ。
ラッセル2000 -1.63%
Microsoftの影響 同社のCFOがAzureクラウド事業の成長見通しに関して慎重な見解を示したことで、同社株が6%下落。これが他のテック株にも波及し、NASDAQを含む市場全体に影響を与えました。
3. 主要セクターの動き
大手テック企業 Apple、Google、Teslaなどはそれぞれ-3〜6%の下落。
半導体銘柄 NVIDIA、Broadcom、AMD、Qualcommも軒並み売られ、投資家は利確の姿勢が強まりました。
ヒートマップでの動き 特にMicrosoftの-6%、メタの-4%が目立ち、成長株や大型株が中心に売り込まれる展開。
4. エネルギーと資産市場
原油価格 前日比+2.68%、1バレルあたり70ドルに上昇。供給減少と予想される需要増加が要因とされます。
金価格 -1.54%で2757.7ドル、リスクオフの影響を受けてやや下落。
ドル円相場 153円台から151円98銭まで円高ドル安が進行。米経済と日本の金利政策の方向性が影響。
5. 債券市場と利回り
10年国債利回り 4.289%、前日比でやや上昇。
2年国債利回り 4.164%、こちらも若干の上昇傾向。
長期債の利回り上昇は、景気減速リスクと今後の金融政策への警戒感を反映。
6. インフレ指標:PCEデフレーター
総合PCE 前月比0.2%、前年比2.1%で予想通りの数値。インフレは引き続き落ち着きを見せています。
コアPCE (食品とエネルギーを除く):前月比0.3%(予想通り)、前年比2.7%(予想2.6%を上回る)。
インフレが落ち着きつつあるため、FRBによる将来的な利下げ期待が強まりました。
7. 個人消費と雇用指標
個人消費支出 前月比+0.5%(予想0.4%)、消費が堅調であることが確認されました。
個人所得 前月比+0.3%で予想(0.4%)には届かないものの、消費意欲は高いと評価されています。
雇用コスト指数 予想の1%を下回り、結果は0.8%。企業の負担する雇用コストが安定しており、労働市場の落ち着きを示唆。
新規失業保険申請件数 21.6万件(予想23万件)と5カ月ぶりの低水準であり、災害による一時的な失業増加の後、正常に戻っていることを示します。
8. 市場の先行きとイベント要因
FRBの金融政策: インフレの鎮静化が進む一方で、雇用データも堅調なため、利上げから利下げへの転換への期待が強まりつつあります。
政治イベント: 米国大統領選、日本の衆院選など、重要な政治イベントが控えており、市場に不安を与える要素として残っています。