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『異常【アノマリー】』エルヴェ ル・テリエ (著), 加藤 かおり (翻訳) ハリウッドで哲学的SF群像劇として映画化されそうだな。そういう映画のノベライゼーション読んじゃった、みたいな感じ。

『異常【アノマリー】』 単行本 – 2022/2/2エルヴェ ル・テリエ (著), 加藤 かおり (翻訳)

Amazon内容紹介

「フランス文学最高峰のゴンクール賞受賞作にしてアメリカのミステリ界で年間ベストと評価される、異例の傑作、登場。フランスで110万部突破殺し屋、ポップスター、売れない作家、軍人の妻、がんを告知された男……なんのつながりもない11人だったが、ある飛行機に同乗したことで、運命を共にする。飛行機は未曾有の巨大嵐に遭遇し、乗客は奇跡的に生還したかに見えたが――。ゴンクール賞受賞作」

僕の感想

ゴングール賞っていうのは、純文学の賞なのだが、フランスの純文学というのは、ちょっと変わっている。SFと哲学とミステリーと、というようなものが混淆した小説が話題になったりヒットになったりする。ミッシェル・ウェルベックの『ある島の物語』とか、マルク・デュガンの『透明性』とか、ローラン・ビネの『言語の七番目の機能』とか。

これだけ小説がヒットすると、映画になるんじゃないかなあ。ハリウッドで。

なんといってもミステリー小説でもあるのでネタバレしたらいかんので、感想は書きづらいのだが。このてのSF小説、このての映画、いろいろあるといえばあるが、もともとが実験的純文学の人らしく、小説的技巧もいろいろ凝らしてあります。

装丁の写真がはじめ、というか読んでいる途中まで「虫?ハエ人間?」に見えてしまっていて、いつハエ人間が出てくるのかと思って読んでいましたが、出てきません。写真よく見ると、ハエ人間ではありませんでした。

「哲学的・群像もの・SF小説」と言われて、はいはい、そのてのやつは好き、という方にはお勧め。あと、後に映画にぜったいなると思うので、原作を先に読んじゃってから映画を見るタイプ、と言う人はどうぞ。

うむむ、ネタバレなしに感想書くの難しいな。純文学としては、どうかなあ。平均以下なんではないかと思いました。純文学好きには、そんなにお勧めしないかなあ。もっと読むべき本はあったなあ、と言う感じでした。

読書師匠 しむちょんがくれたコメントへの返信

ウェルベックほどの、人間存在の底まで問い詰めさらけだすような凄みはななった。ハリウッド映画のノベライゼーションを読んでしまった、というような感じでした。


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