男性ホルモンの作用を抑える薬を飲み始めた話
最近、男性ホルモンの作用を抑える薬を飲み始めた。どうしてそうなったかというと、こういう感じ。
一昨年ぐらいから夜中にトイレに起きるようになり、次第に酷くなってきている気がしたので泌尿器科に。すると、前立腺肥大症になっていることが判明し(エコー検査した)。その治療のために飲み始めたというわけ。要するに加齢ですね……
もともと男性ホルモン(アンドロゲン)に対する感受性が低いようだと医者から聞いていたし、別件で検査してもらったときの男性ホルモン値(遊離テストステロン値)も下限ぎりぎり、腫瘍マーカーPSAの値も低かったので、男性特有の病気である前立腺疾患は自分はセーフだと思ってたのに。
すごく予想外
知らなかったのだが、前立腺肥大には、男性ホルモンとしてよく聞くテストステロンではなく、テストステロンから合成されたジヒドロテストステロン(DHT)というものが影響するらしい。前立腺の細胞はDHT感受性を持っており、その感受性は別に低くなかったようで、なんかすごく残念だな。全ての感受性が低めである方が自分に合ってると思うんだが。
ところで性ホルモンの合成は、下の図にあるように、コレステロールをスタートしてカスケード?マトリクス?型の反応経路を辿る。DHT(左から2列目の一番下)は、テストステロンの還元により合成され、そこが反応の終点の一つになっている。DHTはそれ以上別のものには変換されないらしい。
そして、それ以上変換されないというのがポイントであるようで、加齢でテストステロンの分泌が減ったところで終着点のDHTは減るわけでもなく、テストステロンとDHTのバランスが崩れて前立腺の肥大につながるんだとか。
ちなみに、図の反応経路を辿っていただくとおわかりかと思うが、テストステロンが芳香化すると(縮合環の一番左側の脂肪環が芳香環に変化する)、女性ホルモンの1種である卵胞ホルモンになる。
思春期以降、私の胸が膨らんでいるのは、テストステロン又はその前駆体の一つであるアンドロステンジオンから変換された卵胞ホルモンが作用していることになる。感受性を加味した男性ホルモン/女性ホルモンバランスが、一般的な男性に比べて生まれながら女性ホルモン側に片寄っているわけで、だから、前立腺癌はもとより、肥大症もセーフだと思っていたんだけどなあ。なんか本当に残念な気がする。
そして今回、テストステロンがDHTに変換されるのを阻害する5α-リダクターゼ(還元酵素)阻害薬を飲むことになった。前立腺肥大症の第1選択はα1遮断薬(交感神経の働きを抑える薬)らしいのだが、これまでnoteに書いてきたように迷走神経が暴走するときがしばしばあり、立ち眩みも酷いのでα1遮断薬は医師判断により見送りとなった。
さて、DHTの合成を抑えたところ何が起きたか。ちょっと思いがけないことが起きたので書いておきます。
意志がはっきりした。ついでに、なんだか元気になってメンタルが安定した。かといって性格が雑になることもなく、パートナーの彼女に対する愛情もより深くなったみたいに思える。
こんなことはこれまで無かったように思う。
これも知らなかったのだが、性ホルモンは認知や記憶、気分に影響するらしい。
理由はわからないが、私の脳にはDHTが抑えられた今のホルモンバランスの方がいいみたいだ。5α-還元酵素阻害薬の副作用には、頻度は低いものの抑うつや元気消退などがあるらしいのだが、私の場合、どうやら逆の方向に作用したらしい。
そして、不思議なことに、これまで気づいておらず、まりたちとはどこか雰囲気の違うパーツも2人ほど新しく見つかった(彼らの方から夢の中に出てきた)。
そのうちの一人は、夢の中で最初喋っているときは10代の男性だと思っていたのだが名前を聞いてみたら女性の名前だった。本人としては自分が自分であることが大切で、彼にとっては名目でしかない性別はどうでもいいと思っているらしい。そして、彼はまりとは対照的な位置(身体の左側)にいるのだが、薬を飲み始めてからすごく動きやすくなったようだ。
薬を飲み始めたことは今のところいい方に働いているようなんだけど、新しいことに気づいたらまた書きます。
やっと秋らしくなってきましたね。
ではまた。