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743-むかしむかしのお話です

幼稚園児の私は、いつもお昼寝が苦手でした。

みんなが寝ている間、「つまんないなぁ」とごろごろして、みんなが起きる頃にようやく眠くなるのです。

なので、いつもお昼寝タイム終了後は、「なんか怠い〜」と起きて、怒られないように、ちゃんとお昼寝したような顔をしながら幼稚園から帰る子供でした。

ところがある日のことです。いつものお昼寝の時間に、なんと!先生もグーグー寝ていました。

お疲れだったのでしょうね。そーっと先生に近づいて、顔を覗いて息をチェックしましたら、気持ちよさそうに本気で眠っていました。 チャンス、到来!

みんなが寝ている間に外に出て、みんながまだ起きる前に戻ってくれば、絶対バレずに遊べる。名案だと考えました。

で、そろ〜り、そろ〜り。ドアを静かに開けて、靴を履いて、誰にも見つからずに園庭に出ます。イェイ!

でも、ここでまた考えました。園庭で1人遊んでいたら、絶対に見つかって叱られる。そこで、キーって音がしないように、そーっと園の門を開けて外に出てみます。簡単簡単。

そして大成功!うきうきな気分で外に出て行ったのです。

ところが、探検しているうちに時間は過ぎ、戻ってみたら、幼稚園は大変な騒ぎになっていました。困惑していたら、「いたー!」と発見されました。

今なら、先生も厳重注意となるのでしょうが、60年近く前ですから、悪いのはちびっ子の私だけです。

キリスト教の幼稚園でしたので、礼拝堂送りになりました。一人寂しくお説教です。目を閉じて祈りなさいと。チラッと片目を開けたら、また怒られました。先生だって目を空けてるし。

その後どうなったのか、全く記憶にありませんので、怒られ過ぎて記憶が消えてしまったのかもしれません。次の探検はバレないようにしようと誓った気がします。

子供でも大人でも、お昼寝や長く眠るのが得意じゃない方はいます。大人も8時間くらいの睡眠が必要と最近は言われています。

ただ、ちょうどいいはみんな違うので、昼間の作業に支障をきたさなければOKと考えてください。日本人は睡眠時間が短い。特に都市部では著明。でもたまには早く寝る日を作ってみましょうね。

p.s. 最近、母の家を片付けていたら、私の育児日誌を見つけました。

「雅子が寝ない。おばさんが、神社に拝みに行ったほうがいいのではと言う。雅子はいつも機嫌がいいから大丈夫だと思うけど心配」母の字で書いてありました。

はて、拝みに連れて行かれたのでしょうか。それは定かではありませんが、神さまは寝る子も寝ない子も見守っとるよ。大丈夫。

私のクリニック目白
院長 平田 雅子