【MV備忘録】モーニング娘。「ザ☆ピ〜ス!」誰も知らないここだけの話
2001年7月、森高千里→松浦亜弥と仕事をしてきた僕にモーニング娘。の12枚目のシングル「ザ☆ピ〜ス!」のMV制作の依頼が来た。まずは楽曲とCDジャケットイメージが送られてきての企画依頼だった。当時まさか自分が大人数のアイドルグループの仕事をやるとは思っていなかったので(その後AKB48とかとんでもない人数のグループを撮ることになる)多少の戸惑いはあったが、日頃から他者の作るアイドルグループのMVには不満を持っていたので僕なりのアプローチで挑戦してみようと思った。
今回はモーニング娘。「ザ☆ピ〜ス!」MVを書きます。
企画作業に入る
まず、楽曲を聴いて(つんく♂さんのデモテープ)浮かんだのが「突然」というキーワードだった。些細な「突然」の積み重ねが人生であり、実はそんな「突然」を楽しんでることが平和(ピース)なのかなって。そして平和(ピース)って現実に対して少し傍観者的な感覚が生み出す概念なのかと考えた。ぜひ、つんく♂さんのキテレツな歌詞を見てほしい。
この些細な「突然」の連続を受け入れることがピースなんだ。そう思った。
絶対にあり得ない事って何?
だったらMVでモーニング娘。がどんな「突然」を起こしたら面白いんだろう?キテレツな歌詞に負けないくらいの「突然」が欲しい。既存のアイドルたちがやってないことで。
これだ!この企画をプレゼンしよう!
もちろんボツだった
だったら学校じゃなければいけるか?当時、平和的活動としての自衛隊の海外派遣が騒がれていた時期だったので自衛隊の船のトイレだったらどうだろう。男子トイレで歌って踊るミスマッチな「突然」をどうしてもやりたかった。再度、企画をぶつけてみた。
事務所からは自衛隊っていう具体性はなくすこと。モーニング娘。以外のキャスト(エキストラ)は出さない。CDジャケットの衣装も使うこと。という条件でOKをもらった。追加衣装は企画に合わせてマリンルックで撮影することになった。
そんな経緯を経て最終的な演出プランは
こんな風にまとめた。
いざ撮影へ
撮影スタジオにギュウギュウにトイレセットを詰め込んだ。セットの中は便器ひとつひとつに仕込んだライトの熱がこもりめちゃくちゃ暑い。スタジオの外も夏を迎えて暑い。そんな環境でもメンバーは差し入れのかき氷を食べながら和気あいあいと撮影していた。後輩達は先輩のモニターに映る演技を食い入るように観ていたのが印象的だった。特に初センターを務める石川梨華ちゃんの演技の時は全員集中して観ていた。そして加護ちゃんは僕のお腹をおもむろに掴み「監督、お腹出てるんじゃない?」ウッセーわ!もエピソードに加えよう。
最後に
僕が初めてモーニング娘。のMVを作った記念すべき作品です。この作品がきっかけとなってこの後モーニング娘。のMVを何本と作ることとなり、アイドルグループの撮り方を学ぶこととなりました。今回、まとめるために久しぶりに作品を観て、今もグループが存続している驚きと、つんく♂さんのパワーを改めて感じている。
僕の作った作品に興味を持っていただけたらサイトに是非遊びに来てください。
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