見出し画像

ルールのある活動の話「直感に沿うルールか否か」


ルールのある遊びができないという課題に対して支援してた時のはなし


集団活動が苦手な話の文脈でルールの理解の話題がよく出ます。

『ルールのある遊びができる』ってどこからできるとみなすんでしょうか?

個人的な意見ではありますが私は
「ルールで遊べるようになったらルールのある遊びはできる」
としてます。

なんのこっちゃと意味がわからないと思います

よくあるのが
『一緒に遊んでいるように見えるけど実は本人よくわかってない』
という状況です。

一緒に遊べているからいいんじゃないかと思うんですが、それはそれとしてルールの変化に対応ができずにトラブルになるか、ついていけずに遊べなくなるというケースをよく聞きます。

@ngntrtr

じゃあどうすればいいのかという方向に考えがちですが、まずなんで遊べてるのかを考えたいなと思います。

ルールとして理解しているわけじゃない可能性がある

ドッジボールを例に出します。
まずドッジボールの主なルールを挙げます。
・ボールを持った人が敵チーム陣地にいる相手にボールを投げて当てる
・当たった人は自チームの外野へ移動する
・キャッチすれば当たったことにならない
・足が枠の線を越えてはならない
・0人になったほうが負け

こんなところでしょうか
ルールとして理解しなくても参加できると思います。

真ん中のものはボールだと思ってください

ボールを避ける遊びだと思っているパターンですね。
この活動は基本的にはボールを避ける時間が大半なので問題ありません。
ただそうするとボールを持ったり、ボールを当てられたりするときに
「なにすればいいんだっけ?」
という顔になりがちです。その場合はゲームが止まっているので都度指示をもらいながら遊ぶことで遊びの内容を徐々に理解することができます。
ここではルールとして理解するわけではありません。
そういう遊びだと捉えるということです。
つまり手順を知ることとルールを守ることには大きな違いがあり、
またそれを外側から確認するのはとても難しいことになります。

ただルールの存在に気づくまでは遊び方の手順を知る、指示に従うことで十分遊ぶことができます。


フェーズとしては
遊び方の手順がわかる

ルールのある遊びに参加できる

ルールのある遊びを楽しむことができる

ルールのある遊びの中のルールの存在に気づく
という感じです。

ルールの認識があるかないか

「おっルールの認識が出てきたな」というところでいうと
・ルールの一部が変更可能であるということに気づく
・変更しても対応して遊べる。
・自分の意向に合わせて変えられる。
・他者も含めて守りあうものであるという認識がある。
という点が出てくるとルールの理解できてきたなと感じられます。

宝探しをするとします
宝を隠す役がいて、任意の場所に宝を指定の数隠します。隠す時間は指定の時間です。指定の時間経過後「もういいよ」の合図があり、見つける側はいろんなところを開けたりめくったりして探します。回転率の観点から制限時間があり、時間が過ぎると終了とします。

子どもは先生のまねっこが好きなので、代わりにゲームの進行役になった際に、ルールの認識が確認できるタイミングがあります。
規定のルールから変更をしようとする時です。
「先生!隠すの100個でもいい?」
「先生は見つける時間20秒ね」
などだいたい本人にめちゃくちゃ有利なルールを提示してくることが多いですが、ルールの理解としては適切と言えます。
ルールで遊べるようになったらというのが以上です。
自分の都合のいいルールを提示してくる課題はまたそれはそれとして大変ですが…
他人と合意形成をとることも大事です。
つぎのつぎのつぎのつぎの課題くらいでいいでしょう。

直感に沿うルールは覚えたり理解するのに負荷がかからない


先のドッジボールで言うところの
・ボールを避ける
宝さがしの
・宝を見つけだす

というのは直感や欲求に沿う遊びであり、ある程度の見本があれば参加することができます。
・ボールを当てられるのは嫌(ボールを避けたい)
 →当てられないように避ける。当たったらおしまい。
・お宝を見つけたい
 →いかにも隠れているところを手でどかしたり覗き込むことで見つける。なかったら別のところへ移動する。

白線の内側から出てはいけないルールや、時間切れになったら手を止めるルールの部分でルール違反を起こすことがあります。
理解の有無もありますが、基本的には覚えてない、覚えている余裕がない、衝動性が強い、視野が狭い、ルールの認識がない、ルールを守る気がないなどの理由があります。
子供からするとルールを守る目的やメリットがないことが大きいのではと感じます。

ルールを直感に沿うように変えてみよう

※あくまで考え方の話です。

『白線を超えてはならない』
直感に沿っていません。下に線が書いてあるだけなので
対策:線から外をサメの住む海にしましょう

『時間切れでタイマーが鳴ったら終わり』
直感に沿っていません。タイマーが鳴っただけなので
対策:タイマーで爆発する爆弾を用意しましょう


とはいえ


とはいえ世の中は直感に沿うルールばっかりじゃありません
1つくらいは頭の中で保持する必要のあるルールがあるとルールのある遊びとして達成させる課題的にはいいかもしれません。



おばけキャッチを例にしたケース



おばけキャッチはすごく良いゲームです
子どもでも大人でも同じくらいの土俵で思考に負荷がかかるところが好きです。

ルールは
1.カードに同じ色で同じモノがあればそのコマを取る
2.カードに同じ色で同じモノがなければ、全く記載がない情報のコマをとる

と、このゲームはシンプルなルールでありながら、時として思考を戸惑わせるという味わい深さがありますが
現場で私が実施する際は通常のルールではできませんでした。



同じモノがないという状況に対して目で見えない情報を手がかりとすることが極端にできなかった子が複数いたため
1.カードに同じ色で同じモノがあればそのコマを取る
2.カードに同じ色で同じモノがなければ手を出さない、手を出したらお手付き

というルールにしました。


ルールのこといっぱい考えちゃった ルールの概念って難しい~

いいなと思ったら応援しよう!