【美容業界の未来予測】正社員、業務委託、フリーランスはバランスすることになる
美容業界の今後について未来予想をする人は「今後はシェアサロンが隆盛する」や「やはり言っても正社員だろ」などの話をする人がいます。
筆者の受け止めとしては、あまり共感をしていません。
なぜならば、、今回はここを深掘りしてみます。
今回は正社員、業務委託、フリーランスはバランスすることになる。。。
このような内容になります。
【結論から】
美容室の働き方のバランスは「均衡」する。
なぜならば市場原理と同じ「ナッシュ均衡」をするからである。
美容業界の市場=労働市場
そこでのプレイヤー:正社員サロン、業務委託サロン、フリーランス(シェアサロン)
市場を「美容業界の労働市場」と置き換えると、市場原理であるナッシュ均衡が起きると考えているからである。
寡占市場における競争の結果、主要プレイヤーの市場シェアが比較的均等になる状況がある。
美容業界の働き方にも、時間をかけてその均衡(バランス)が起きると仮説を立てている。
【美容業界の働き方の覇者は??】
結論から言うと「3つの働き方は均衡(バランス)する」と考えている。
美容業界にイノベーションとして、さらに全く新しい働き方が生み出されると、均衡は崩れると考えています。
まずは、美容業界の働き方の定義をそろえます。
1、正社員雇用サロン
2、業務委託サロン
3、フリーランス(シェアサロン)
現在の美容業界では、大きく分けるとこの3つに大別されます。
現在の美容業界の分布としては、、
正社員サロン(60%)>業務委託サロン(30%)>フリーランス(10%)のような分布と受け止めております。
* 筆者の「肌かん」です。具体的な割合を示すデータが不足しているため、正確な比較は難しい状況です。。。
1、正社員雇用サロン
言わずと知れた「雇用契約」の従業員として働くモデル。
新卒を入社させて「スタイリストデビュー」させるモデルが特徴です。現在の美容室の半数以上はこのモデルのサロンです。
2、業務委託サロン
コロナ前には急激な増加がありました。正社員雇用の美容師に引き抜きの連絡を堂々と行っているサロンなども多数ありました。今は増加傾向は落ち着き、一般的なモデルのサロンです。
3、フリーランス(シェアサロン)
フリーランスとして独立する美容師が増えており、シェアサロンを利用するケースが増加しています。シェアサロン、美容室モールなど、フリーランス美容室の形態が多様化しており、フリーランス美容師の増加に伴い、これらの新しい形態のサロンが急成長を遂げています。
業務委託サロンもシェアサロンも「個人事業主(フリーランス)」には変わりありません。
業務委託サロンは、集客はサロン、薬剤もサロンが用意します。
シェアサロンは、集客は個人、薬剤も個人が用意します。その代わり売り上げ歩合が低く設定されており、高い報酬を取れる魅力があります。
この「3つ」の働き方が美容業界には存在します。
現在、それ以外の働き方のカテゴリーは存在しておりません。
【寡占市場の均衡が働く】
話を戻して「シェアサロンが美容業界の1番の働き方になるのか?」「やはり最終的には正社員サロンが1番になるのか?」この問いの答えは「3者は《均衡(バランス)》する」と答えます。
* 3者:正社員・業務委託・フリーランス
美容業界の未来予測などを聞くこともありますが、筆者は「均衡」と考えています。
なぜならば「寡占市場の均衡」または「ナッシュ均衡」が働くと感じているから、、です。
【ナッシュ均衡とは?】
ゲーム理論の中にナッシュ均衡というものがあります。寡占市場では各企業が「他社の行動を予測した上で、自社の利益を最大化する戦略」を取るため、結果的に均衡状態が生じます。これをナッシュ均衡と呼びます。
ナッシュ均衡とは?
• ナッシュ均衡は、「各プレイヤーが自分の戦略を変更しても利益が増えない状態」を指します。
• 各プレイヤーが他者の行動を予測して最適な戦略を選ぶため、結果的に全員が現状を維持することになります。
例:携帯キャリアの話しで進めます。
ドコモ、au、ソフトバンク
・ドコモ、au、ソフトバンクのような大手3社が存在する市場では、競争が激化すると価格やサービスが似通ってきます。その結果、顧客は各社を均等に選ぶ傾向が出てきます。
• また、新規参入者がなく(楽天以前は)、既存企業が市場を支配しているため、シェアが大幅に変動しにくい特徴があります。
• ドコモ、au、ソフトバンクが競争している場合、どの会社も料金を極端に下げると自社の利益が減少します。逆に料金を上げると顧客が流出するリスクがあります。
• 各社が互いに調整しながら「均衡価格」に落ち着き、それ以上価格を動かすメリットがなくなるのがナッシュ均衡です。
それぞれのシェアは「3割ずつ」のようなシェアになります。
このような市場構造は、競争がある程度機能している寡占市場で典型的に見られる現象です。競争の中で各社がバランスを取りながら市場を分け合うため、結果的にシェアが約3割ずつになります。
間違えてはいけないのが「必ずしも均衡する」わけではないのですが、3つの選択肢の場合は「均衡が起きやすい」と考えることができます。
「3社が均衡を取りやすい」のは、企業間の「競争と協調」のバランスが適度に取れるからだと感じています。
• 競争が激化しすぎない
• 各社が「シェアを奪い合いすぎると市場全体が不安定になる」と理解しているため、自然と競争が抑制される
• 協調の余地がある
• 完全な競争ではなく、各社が暗黙的に均衡を意識した行動を取ることで、持続可能な市場が形成されます
• 顧客層の分割が容易
• 価格、品質、サービス内容などで差別化しやすく、それぞれの顧客層を均等に分けやすいのも3社構造の特徴です。
• 顧客層(価格志向、品質志向、中間層など)や地域分布によっても、3社で市場を分割するのが効率的になる場合が多い
【均衡が働かない可能性】
3つの選択肢以外の状況では均衡が働かないのでしょうか?
1、2つの選択肢(2者)の場合
2、4つの選択肢(4者)の場合
1、2つの選択肢(2者)の場合
• 競争が激化しやすい
• 「寡占市場」ではなく「デュオポリー(二者独占:複占)」になります。市場の場合、一方の戦略がもう一方に直接影響を与えるため、価格戦争や顧客の奪い合いが過熱する傾向があります。
• バランスが不安定
• 一方の企業が極端に優勢になると、市場が独占に近づいてしまうリスクがあります。
競争や協調のバランスが変化して均衡を保つ難易度が高くなります。
2、4つの選択肢(4者)の場合
・競争が複雑化
• 4社以上になると、競争が激しくなりすぎて利益率が低下する可能性があります。
• 新規参入者が価格を極端に下げることで市場全体の収益が悪化し、淘汰される企業が出てきます。
• 結果的に再び「3社」に集約されることも多いです
例:航空業界や自動車業界
• ナッシュ均衡が崩れやすい
• 競争相手が増えるほど、各社が他社の戦略を完全に予測するのが難しくなります。
• 戦略の選択肢が増えることで、均衡が崩れ、勝ち組と負け組が分かれやすくなります。
日本の携帯キャリアでは、楽天モバイルが4社目として参入しました。既存3社(ドコモ、au、ソフトバンク)はシェアをおおよそ3つに分け合いましたが、楽天モバイルの参入で均衡が崩れ始めました。しかし、規模の経済・プラチナバンド(つながりやすさ)などの要因から結果として、楽天モバイルの市場シェアは他社ほど大きくならず「均衡が崩れて」います。
均衡していた市場から「勝ち組」と「負け組」が出てしまいます。
市場がバランスを取れる本質は「3社だから」ではなく、「競争の適度なバランスが取りやすい環境が存在するから」です。ただし、3社という構造は特にそのバランスが実現しやすいケースであり、実際に多くの産業で「3社寡占」が成立しやすい理由になっています。
もし「2社」や「4社以上」になると、競争や協調のバランスが変化し、均衡を保つ難易度が上がります。
【働き方のナッシュ均衡】
均衡の話をしました。ここからは美容業界の働き方は「均衡」することを深掘りします。
美容業界の働き方は、前述したように
正社員サロン・業務委託サロン・フリーランス という3つの働き方があると伝えました。現在のおおまかな分布(割合)も前述しました。
そこで「ここからの美容業界」の話になると「フリーランス派」の主張もあれば「正社員派」の主張も聞きます。
しかしながら、共感をしていません。理由は「ナッシュ均衡」が働くから、、、と考えています。
寡占市場における競争の結果、主要プレイヤーの市場シェアが比較的均等になる状況があります。
以下の理由を明らかにします。
3つ巴の争いは「均衡」するからが大きな理由です。
その理由は前述のナッシュ均衡を理解すれば明らかです。
各働き方の「売り」になる部分が大きく違うため(価値観に大きく影響されるため)選択する美容師が分散することが考えられます。
このような価値観の違いが働き方のシェアを一定の範囲内に保つ要因になると感じています。
また、各働き方が互いに条件やサービス内容を調整しながら競争をするため、結果的にシェアが均衡します。
このような市場構造は、競争がある程度機能している寡占市場で典型的に見られる現象です。競争の中で各社がバランスを取りながら市場を分け合うため、結果的にシェアが約3割ずつになる、、、
これが「市場原理」とも言えると感じています。
この市場原理を美容業界の働き方に置き換えると「均衡(バランス)する」と言えるのではないでしょうか。
美容業界の市場=労働市場
そこでのプレイヤー:正社員、業務委託、フリーランス
ここまでくると市場原理が働くことが理解できるのではないでしょうか。。。
未来予測をする方の意見は尊重しますが、それぞれの希望や感覚。
こうなって欲しいという想いがあるのは理解します。
美容業界の「〇〇」という働き方が勝つのではなく、バランスすると考えています。
【リバランスは必ず起こる】
最後に、それぞれの働き方は「均衡」すると話しました。
正社員サロンは60%ほど
業務委託サロンは30%ほど
フリーランス(シェアサロン)は10%ほどです。
どのようなスピードになるかは分かりませんが、時間をかけて「リバランス:配分の見直し」が起こると考えています。
正社員サロン 60% → 30%
業務委託サロン 30% → 30%
シェアサロン 10% → 30%
このようにリバランスされていきます。
つまり
正社員サロンは「減少」すると感じます。
逆にシェアサロンは「増加」していき、シェア3割ずつに落ち着くと思います。
まだまだ廃業・倒産の美容室は増えていき、その分「シェアサロン」のプレイヤーは増加すると思います。
イノベーションが起こり、4つ目の働き方(価値観を揺るがす働き方)が出現した時に、市場シェアの観点から「大きく減少」する働き方が出てくると思います。
逆に、均衡が崩れたために「一人勝ち」するような働き方が出てくるかもしれません。それは、筆者にも分かりません。
シェアサロンの運営者として「長期的な視点」での戦い方や「短期的な視点」での戦い方を、日夜考え行動しています。
市場の大きなうねりに巻き込まれるのは致し方ないとしても、その他のプレイヤーと違った価値「ブランド」を作っています。
数年後には「Solon 」という独自路線のサロンになっていると確信しています。
【まとめると】
美容室の働き方のバランスは「均衡」する。
なぜならば市場原理と同じ「ナッシュ均衡」をするからである。
美容業界の市場=労働市場
そこでのプレイヤー:正社員サロン、業務委託サロン、フリーランス(シェアサロン)
市場を「美容業界の労働市場」と置き換えると、市場原理であるナッシュ均衡が起きると考えているからである。
寡占市場における競争の結果、主要プレイヤーの市場シェアが比較的均等になる状況がある。
美容業界の働き方にも、時間をかけてその均衡(バランス)が起きると仮説を立てている。
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