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【教育】美容室には教育コスト回収のデザインがなされていない

今回は美容室の教育について考えてみます。

美容室は、スタイリストデビューをさせるために様々な教育が用意されています。また、個人レベルでも、メーカー主催の外部講習やセミナーなどに積極的に参加している人が多いです。美容師は、勉強家が多い!と言っても過言ではないと評価しています。

しかし、教育コストを適切に評価し、教育コストを積極的に回収するようなデザインがされていない、、このように感じています。
今回は、美容室の教育コストとその回収について考えます。


【結論から】

美容業界は「教育産業」と言えるほど、先輩から後輩への教育が頻繁に行われている業界である。

しかし、教育コストを適切に評価し、教育コストを積極的に回収するようなデザインがされていない。

そこで、美容室の教育コストを具体的に回収するデザインをするべきだと考えている。

それは
技術習得と関連付けた単価アップ(コスト回収)を追跡できるKPIの設定。
費用対効果を定量的に評価し、教育後のコスト回収を定量的に策定する。
育ったスタッフの離職防止するための明確なキャリアパス、授業員満足度をデザインして、コストの回収を長く続けられるように施策する。

このように結論づけた。

【教育コストとは何か?】

教育コストは、従業員やスタッフのスキル向上、知識習得、または能力開発のために企業が投資する費用を指します。直接費、間接費で分けてみると以下のようなことが挙げられます。
• 直接費用:研修プログラムの費用、外部講師への支払い、教材費など
• 間接費用:教育期間中の生産性低下、人件費、教育担当者の時間やリソース
• その他:設備投資や技術開発のためのツール購入費など

逆に回収できないことへのリスクを挙げてみると

教育コストが回収できない場合、以下のようなリスクが考えられます。
1. 離職リスク:
教育を受けた従業員が離職すると、投資したコストが無駄になる可能性が高い。
2. 成果が現れない:
教育内容が実務に役立たない、または従業員が習得したスキルを適切に活用しない場合、期待した効果が得られない。
3. 競合への利益供与:
育成したスタッフが他社に転職し、競合他社でスキルを活用することにより、自社が損失を被る。
4. 財務的負担:
教育コストが大きすぎると、他の事業運営に影響を及ぼす可能性がある。

【教育コスト回収は何を達成したことか?】

そもそも、教育コストの回収は何を達成したことを指すのか、、
ここを以下のようにまとめてみました。

1. 業務効率の向上:
スキルアップした従業員が生産性を向上させる。
2. 顧客満足度の向上:
より高品質なサービス提供が可能になり、リピーターや顧客の増加に繋がる。
3. 収益向上:
スキルの向上により高単価なサービス提供が可能となり、収益が上がる。
4. 離職率の低下:
従業員が成長を実感できる環境を提供することで、従業員満足度が向上し、離職率が低下する。

これらを踏まえて美容室における教育コストについて考えてみます。

【美容業界における教育コスト】

美容室における教育コストとは「スタイリストやアシスタントの技術や接客スキルを向上させるために発生するコスト」を指します。具体的には
• 新人研修費(シャンプー、カット、カラー技術など)
• 接客マナーや顧客対応のトレーニング費用
• 外部セミナー参加費
• 教材費(ウィッグやカラー剤)
• 教育担当者の労働時間

このような実質的な金銭コストと、それを実行するために必要な時間を指しています。

【美容室の教育コストの未回収リスクと達成の目安】

回収できないことへのリスクを挙げてみると、、、

1. 離職リスク:
技術を習得したスタッフが独立したり、他のサロンに転職したりする。
2. 競争力低下:
スタッフ教育が進まず、競合サロンとの差別化が難しくなる。
3. 無駄な投資:
教育コストに見合う売上や成果が得られない場合、経営に大きな負担となる。

また、美容室の教育コストの回収は何を達成したか、というと、、、

1. 技術力の向上による収益アップ:
スタッフの技術向上により高単価メニューが提供可能となり、売上が増加。
2. 顧客満足度の向上:
技術や接客スキルの向上でリピーターの増加が見込める。
3. サロンのブランド力向上:
教育に力を入れることで、「高品質な技術を提供するサロン」という認知が広がる。
4. 人材の定着:
成長を実感できる環境によりスタッフの定着率が向上し、採用コストの抑制につながる。

この達成の項目を挙げてみて感じることは、
教育コストは短期的な成果を追うのではなく、長期的な収益性や競争力の向上を目指すための投資である、、ということです。
ただし、リスクを最小限に抑えるためには、明確な教育プログラムの設計と、成果の測定基準が重要だとかんじます。

【美容室には回収のデザインが組まれていない】

美容室では教育コストの回収デザインが組まれていない、、という点を感じています。
実際、多くの美容室が教育コストを「必要(経費)」として捉えつつも、それをどのように収益に結びつけるかまで考慮されていない場合が多いと感じませんか。
教育はするけれど、サロンがそのコストの回収方法を明確化していない、、
教育スタッフや店長がそのコストの回収を全く理解していない、、、
この課題について考えてみます。

1. 現状の美容業界における課題

• 教育の目的が明確でない場合が多い:
多くの美容室では「技術向上=売上増加」という曖昧な期待のもとで教育を行い、具体的な回収計画を設計していないケースが見られます。「技術が向上するから売り上げが増える」というのは因果関係ではなく、相関関係だと感じます。重要なのは「その修得した技術を、どのような運用にするか、、、」です。

• 離職リスクを前提にした設計不足:
美容業界では離職率が高い傾向があるのにも関わらず、スタッフが育った後に独立や転職することを恐れ、教育投資に対する消極的な姿勢が見られることもあります。その結果、教育が場当たり的になりやすいと感じます。
習熟度の高いスタイリストの技術と知見は、組織的に共有されることはあまりなく、基礎的なこと以上は属人的になっています。
つまり、習熟度が上がると後輩の教育のためにナレッジを共有する機会がないため、独立のキャリアを選ぶことが当たり前になっている。

• 収益化への具体的な導線が不明確:
教育コストを回収するための具体的な目標や計画(例えば、新しい技術メニューの開発や売上の増加シナリオ)が不足していることが多いです。
その技術ができるようになったなら、新しい付加価値を生み出すので「何人に提案して、何割の顧客に提供して、どの単価を取るのか」、、、ここまでの計画は、ほぼ行われていない認識です。

 教育コスト回収のデザインがない原因は、、

• 短期的な視点に偏っている:
多くの経営者は日々の運営やキャッシュフローに追われ、教育投資のような長期的な視点での計画が後回しになりやすいと感じています。
そもそものサロンスタートのビジネスの設計の甘さから、その場の意思決定ばかりしているパターンが多いと感じています。

• 教育の効果測定が難しい:
教育の成果(技術向上、顧客満足度の増加など)が具体的に測定されないため、「教育が本当に利益を生むのか」が見えにくい。
収益化への具体的な導線が不明確で前述した通りです。

• 業界全体の文化的背景:
美容室では教育を「義務」や「自己満足」として捉えがちで、投資対効果を考える文化が根付いていない。
教える側の自慰行為になりがちですよね、美容師の教育は。。。

2、教育コスト回収のデザインを組み込むのに、以下の仮説の提案

① 明確な教育の目的設定

教育がどのような売上増加やサービス向上につながるのか、具体的な目標を設定します。
• 例:新技術を学び、新メニューを導入。「何人に提案して、何割の顧客に提供して、どの単価を取るのか」、、、ここまでの計画を詳細に設定してみる。

② 成果の測定

教育の成果を数値化します。例えば:
• 技術レベル:顧客満足度やリピート率を追跡。
• 売上効果:新技術によるメニューの売上を分析。

①の内容をさらに追跡してデータ化してみる。
データが出てくると、それをもとに行動の修正が可能になります。

③ 教育コスト回収の仕組み化

教育を利益に直結させる仕組みを構築します。
• 新メニュー導入:
教育で習得した技術を活用し、高単価メニューの提供。
• 固定給と成果報酬のバランス:
教育で得たスキルが売上に貢献した場合、インセンティブを支給する。ボーナスなどの手当や、教育で得た技術のみ時限的に歩合を高く給与に反映するなど。
• スキルごとの料金設定:
技術レベルや教育成果に応じて、価格帯を変える仕組み。
例えば、コンテストで優勝したから指名料を高くしていく。
外部の資格取得などから、単価を挙げていく仕組みをサロンで設計する。個人では行いにくく、正社員では個人で単価を自由にあげにくいためサロンで設計しておくことが必要と感じます。

④ 離職リスクの低減

教育を回収するには、スタッフの定着が鍵です。以下を実践することで離職をできる限り防ぎます:
• 明確なキャリアプラン提供
同期の数よりも少ない役職のポスト、、先輩が役職についている限り、自分自身には当分、役職になることはない、、という未来になってしまいます。
そこでキャリアアッププランをサロンは細かく用意する必要があります。

• フィードバック文化の構築
スタッフが自分の成長や課題を具体的に理解できるよう、職場でのフィードバックを習慣化することが重要です。これは、スタッフが自己成長を実感し、離職を防ぐ大きな要因になります。
店長を中心としてフィードバック文化はとても重要です。

• 成長実感を与える評価制度
評価制度は、スタッフが自分の成長や努力を正当に認識できる仕組みです。努力が認められると、働くモチベーションが高まり、長期的な定着につながります。ここは「明確さ」がテーマになります。

つまり、組織にいることで得られる満足度を高める施策です。
マインドセットの部分と「組織だからできる評価制度(具体的な報酬)」が満足度にはあると感じます。
その中でも「組織だからできる評価制度(具体的な報酬)=金銭補的な報酬は絶対だと感じます。
マインドセットの部分はとても重要ですが「生活の安定が先」だと感じます。低い給料では、従業員満足は達成できないと感じます。

【最終的なゴール】

教育コストを単なる「負担」と捉えるのではなく、長期的に**「回収可能な投資」**とすることが、サロン経営の持続可能性を高める鍵だと思います。この仮説を基に、収益と教育の関係を明確化すれば、美容室の経営モデル全体を変える可能性があると考えます。

1. 教育が「収益の源泉」になる仕組みをデザインする
①高単価メニューの導入
②客単価の上昇
③新規顧客の獲得
これらの数値化を行い「収益の源泉」であることを可視化する

さらに、教育成果を数値で可視化する。
収益と教育の関係を明確にするためには、「教育の成果」がどのように売上や利益に反映されているかを数値で可視化することが重要です。
• KPI(重要業績評価指標)の設定:
教育の効果を測るための具体的な指標を設定します。
①新メニューの売上増加額(月単位で+10万円など)。
②施術時間の短縮(効率化による売上アップ)。
③リピート率の上昇(10%増加など)。

ROI(投資対効果)の計算
教育費用に対してどれだけ収益が増加したかを計算します。
• 計算例:
教育費用:50万円
教育者の教育手当て、教育者の残業代(これで教育者の時間もペイできる)、教育に必要な道具や場所。
教育後の売上増加額:月10万円(半年間で60万円)
→ ROI = 60万円 ÷ 50万円 = 120%(教育費を回収し利益が出る)

この結果を捕捉すると。。
• 100%は「元が取れた」状態。
• 100%を超えると利益が出ている。
• 100%未満だと投資額を回収できていない。
つまり120%のため、教育費用において投資効果があったことが定量的に判断できます。
それぞれの教育のコストに対して費用対効果(ROI )で示すことが重要です。

【まとめると】

美容業界は「教育産業」と言えるほど、先輩から後輩への教育が頻繁に行われている業界である。

しかし、教育コストを適切に評価し、教育コストを積極的に回収するようなデザインがされていない。

そこで、美容室の教育コストを具体的に回収するデザインをするべきだと考えている。

それは
技術習得と関連付けた単価アップ(コスト回収)を追跡できるKPIの設定。
費用対効果を定量的に評価し、教育後のコスト回収を定量的に策定する。
育ったスタッフの離職防止するための明確なキャリアパス、授業員満足度をデザインして、コストの回収を長く続けられるように施策する。

このように結論づけた。

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