(後編)BtoB×SaaS×CS×LT5に登壇してきた! 〜頂いた質問と登壇の感想〜
去る2019/7/4にBtoB×SaaS×CS×LT5に登壇してきました(登壇の概要や裏話は前編にまとめてあります)。登壇資料は以下。
ありがたいことに登壇後様々なご質問をいただきましたので、本記事では頂いた質問と回答をセットでご紹介したいと思います。
Q1. P7に世界観の理解が重要とあるがその啓蒙活動はどう行ったのか?
結論から言うと、スライドで紹介しているワークショップが最も効果的な啓蒙活動だった、が直接的な回答になります。簡単に補足します。
まずUSERGRAM自体は「アフターデジタル」という世界観に立脚してプロダクトが設計されています。概念として今後はオンラインとオフラインの境界がなくなり、デジタルがリアルを包含して体験設計されるという概念です。(詳しくは下記書籍をチェック!)
正直、ちょっと聞いただけでは分からないですよね(笑)。実はUSERGRAMを導入いただいているお客様にも同様の世界観のご説明というのは結構やっていて、献本はもちろん、役員・CxOが直接訪問してご紹介するということもやっています。
確かに上記で世界観についてはご理解いただけるケースもあるのですが、じゃあ実業務でどういうことをやっていけばいいのか、UX企画の仕事がどうあるべきなのかについては、やはり隔たりがありました。その隔たりの一番大きな原因は、「ウチは結局どうすればいいの?」という自分ゴト化の不足でした。
そしてそれを解消するには
・自社のデータと接し
・自分の目で見て考えて
・変化した後の業務を体感する
のが一番の近道で、それを全て詰め込んだのがこのワークショップなのです。これは座学や他社事例の紹介など色々と試してみた上での現状の暫定解です。
さりげなく差し込んでいる上記のスライドですが、そういった啓蒙のポイントが詰まっています。ワークショップというのはあくまで手法論で上記を満たしていることの方がずっと重要です。
Q2. 全員がワークショップに前のめりで参加してくれるのか?
なるべくそうなるように色々と工夫しています。
◾︎準備編
期待値:実業務でそのまま使える改善案企画を体感できるとお伝え
参加者:やる気のある人・業務で関わる方を中心に選定
テーマ:参加者の関心度が高い(かつ要改善な)ものを選定
◾︎当日編
席配置:beBit対クライアントにならないように
ファシリテータ:とにかく笑顔。議論が盛り上がることを最優先に
進行:チェックイン、発言を拾う、疑問は即解消など全員参加を促進
ざっとこんな感じです。ちなみに、もしこれでも前のめりにならない方が居ればその方は敢えてそっとします。
なぜならそういう方は我々から何かコミュニケーションを取るよりも、横に座ってる同僚が上手く企画を出している、という姿を見てもらった方が効果的に巻き込めるから。なので我々としてはまずは前のめりな方がグループ内で上手くいくことにフォーカスし、そこを起点に徐々に輪が広がっていくことを狙っていきます。ほとんどの場合はこれで上手くいきます。
Q3. MRRが高いがモチベーションが希薄なユーザーに対してどう対応するか?
これは残念ながらあるあるですよね…。
まず前提ですがやる気のない人に無理やりやる気を出してもらうのは厳しいと思っています(もちろん最低限の説明などはした上でです)。我々もカスタマーサクセスの立ち上げ期に、やる気がないけれどもMRRが大きいお客様の支援を必死にやったこともあったのですが、結果は見るも無残でした。支援の仕方にも問題があったかもしれませんが、期待値がない状態では何をしても焼け石に水以下と学びました。
なのでいかにMRRが高かろうとも、モチベーションが希薄な場合はやる気が出るきっかけとなりそうな機会を提供し続け執念深く待つ、というのが基本方針と思っています。
とはいえ「そうは言っても…」みたいなケースもありますよね。もしカスタマーサクセスに余力がある or MRRが与える影響があまりに甚大、などの事情があれば「まずは自社サービスのことを忘れ、クライアントがやりたいことに全力で寄り添う」ことが1つの打開策になると思っています。
自社サービスへの期待値がないので、まずはクライアントのやりたいことや期待がどこにあるのか、ということが糸口になることはあります。※ただし自社サービス活用への道のりは遠くなりがちなので注意が必要
Q4. 顧客理解のフレームを自社内でどう定着させる?
登壇後一番多くいただいた感想がこれに類するものでした。まとめると下のような感じですね。
・顧客理解が大事、発言を真に受けないというのは超共感
・自分も周囲に言っているが社内の新人や中途の人が実践できてない
・どうやって社内に定着させているのか?
意外とこの手の悩みを抱えている方が多いんだなと自分にとっては新鮮でした。
さて私の場合ですが(一定上記のフレームも浸透しているという前提はありますが)、顧客の「発言や行動」と「状況や本当にやりたいこと」の峻別に一番気を使っていますね。フレームでいうと1から2のところ。
例えば社内の会話でも「お客さんは〇〇って言ってたんだよね?どうしてそういう発言をされたんだろう?お客さんは今どういう状況なんだろうね?」という問いかけをたくさんするようにしています。
そうすることで自然と顧客理解フレームワーク(登壇資料P27)でいうところの1→2が促されます。そして2がわかってしまえば、3や4は過去の知見の組み合わせで何とかなることが多い。なので1→2に重点を置くのが一番良いと思っています。
Q5. CS有償プログラムの立ち上げの話が聞きたかったんですけど・・・
はい、これはすみません…笑(平謝り)
実は登壇が決まった当初、本当に内容が全く決まっていなかったので、とりあえずタイトルを「CS有償プログラム立ち上げの苦難と成功までの道のり(仮)」としたのですが、それがそのままページ公開されてしまい、修正されず登壇当日を迎えた結果このようなご質問をいただいてしまいました。
こちらの内容をご期待いただいていた皆様、申し訳ありません。
CS有償プログラムの立ち上げは昨年非常に注力した領域でして、そこはそれで色々と面白い知見がありますので、また別の機会にご共有しようと思っています(ちなみに有償プログラムは現在は後任に引き継ぎ更に拡大中)。
登壇の感想と今後
今回は見切り発車で登壇してみましたが、反省と学びがたくさんありました。
何より登壇後たくさんの方と名刺交換させていただいたことで、様々なきっかけが生まれたり、思わぬ広がりに繋がったりしていることを何より嬉しく思っています。
積極的に情報を発信し続けると、結局自分にとって一番勉強になる、自分に情報が返ってくるというのを改めて実感しているので、今後も積極的に外部に情報発信していきたいと思います。
ここまで読んでくださりありがとうございました!
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