【日記?】ユニクロに行こうと思ってたはずがラーメン食べてた、という話。
その日はユニクロに出かけよう!と、その更に何日も前から思っていた。
夫から「パンツや下着がヘタってきたから新しい替えが欲しい」と依頼されたのが直接の理由だが、最近は朝晩も冷え込むようになってきたし、ここらでいっちょ私も、今シーズンの相棒となるユニクロのもふもふなフリースを買いたい!となったのである。
私の家は、冬場はなかなかの寒さになる。私のPCのあるリビングは天井が高く、更に2面が掃き出し窓になっているため、季節の影響を受けやすい。日差しが入れば温室と同様に温かくなる反面、外気温の下がる冬場の夜には、暖房を切ると室内気温が割と軽率に氷点下に到達するのである。
で、私は冬の寒さが好きだ。夫が起きている間は我慢しているが、その後は出来るだけ暖房を切って頭は涼しくしておきたい。一方で、首から下は暖かくしておきたいという我儘もあって、そこでフリースが大活躍する。もふもふは正義である。
だが晩秋から春先まで連日連夜酷使されると、流石のユニクロのフリースといえど2、3年もすれば肘や袖口がぺったんこになり、洗濯してもどこかゴワっと、残念な感じになってしまう。定期的に買い替えが必要なのだ。
ファッションにはほぼ興味を持たない私だが、今年の冬を幸福に過ごすためにも、新しいもふもふは絶対に必要だ。もふもふは正義なのである(2回目)。
そういうわけでその日、お昼前の11時ごろになってから、じゃあ予定より遅れたけどユニクロに行こうか、と腰を上げた私は、車に乗って走り始めると同時に、ふと思いついた。
ラーメン食いたい。
まぁまぁ、腹が減っているだけである。私は大抵朝食を食べずにカフェオレ(というかインスタントコーヒー入りホットミルク)を飲んで終わりにしているので、昼の時間帯にはかなり空腹になる。この空腹は、昼食を美味しく食べるための最高の調味料となるが、稀にこうした衝動を誘発する。
この空腹の状態で、ラーメンを……それもカップ麺やインスタントの袋麺でなく、外食して、しかもこってり系のラーメンをしこたま食べたら、どれだけ旨いだろうか。
そう考え始めた次の瞬間、私はユニクロではなくラーメン屋の方向へとハンドルを切っていた。今からラーメン屋に行けば、到着するのは12時よりも前。働き盛りの男性陣がランチタイムで店を埋め尽くすよりも前に入れる。
専業主婦として、家族のいない日中に単独で外食するというのは若干の罪悪感がなくもない……が、そのささやかな罪悪感も、私の空腹の前には食欲を増進させるスパイスである。
罪深ければ罪深いほど、食べ物は旨いのだ。健康に悪そうなもの、深夜に食べるもの、隠れて食べるものは、いつだって間違いなく旨い。
そして最も健康に悪そうなラーメンと言えば豚骨だ。そう私は信じている。
大学時代に豚骨ラーメンを生まれて初めて食べてからというもの、私は空腹が極まった時に一定確率で豚骨ラーメンを食べたくなる習性が出来てしまった。いや、普通に醤油とか塩とかも好きだしよく食べるのだが、腹の減り方にも種類がある。同じ「ラーメン食いたい」であっても、健康に良さそうな醤油や塩を食べたい日と、こってりした豚骨系を食べたい日は別なのだ。
ついでに言えば、味噌ラーメンが入っていない理由は「味噌ラーメンは高確率で赤いのが入っていて辛そうだから」である。辛いもの耐性がほぼない私は、一度味噌ラーメンで手痛い失敗※をして以来、外食で味噌を選択できず、「ガチで美味い味噌ラーメン」に未だ出会えていない。
でもあるんだろうなぁ、びっくりするほど旨い味噌ラーメンも、きっとどこかに。
ともあれ今日の目的地であるラーメン屋はとんこつ系だから大丈夫!と気持ちを切り替えたあたりで到着。
予想通り店内はまだ空いていて、ほどなくラーメンが運ばれてきた。
ぶっとい麺に、いかにも家系ラーメン!という感じのこってりスープ(豚骨醤油を選択)。1枚だけだけど分厚いチャーシュー、とろっと黄金色の黄身が輝く味玉。
スープの表面に油が浮いているため、アツアツなのに湯気が殆ど出ていないあたり、実に健康に悪そうで素晴らしい。(※個人の感想です)
いただきまーす。と口の中で呟き、ふーふー冷ましつつ麺を啜る。
旨い。期待を裏切らない旨さ。
塩分とカロリーが脳を直撃して、じーーーーんと幸福感に包まれる。多分血糖値とか血圧とかがスパイクしている気がするけれど、旨い。
はふはふと麺を啜り、味玉を齧り、麺を啜り、チャーシューを齧り、麺を啜り……と一心不乱に食べる。
ふはー。ホウレンソウも美味い。健康に悪そうなラーメンの中でささやかに健康を感じられる。そして子供の頃はラーメンに海苔なんか要らないと思っていたけど、訂正しよう。スープに浸した海苔は旨い。そしてネギも長年憎んできたが、深く謝っておきたい。こってりしたスープに混ざったネギのショリッとした歯触りはアクセントになって素敵だ、これは必須レベルだ。なんならもうちょっと多くても良い。
っていうかこのスープでご飯も食べたら最高だよなぁ。ライス食べたいなぁ、と思いつつ、隣のおじさんがライスと餃子が付いたセットメニューを食べているのをチラ見する。あー、旨そう。めっちゃ旨そう。羨ましい。
しかし悲しいかな、私の胃袋はこのラーメン一杯を食べ終わったら、そこがほぼ限界量だ。これが自宅ならスープだけ取っておいて、ラーメンスープと白米で夕ご飯に出来るのに、と詮無いことを考えながら、残り少なくなってきた麺を大切に食べ、スープを全て飲むなんてことも出来ないので、何度かレンゲですくって飲んだあたりで渋々諦めて、そこでふと気付いた。
私、実は月曜の昼にはにゅうめん(前日のミルフィーユ鍋の残りに、白だしスープを足したもの)、火曜の昼には醤油ラーメンを自宅で食べていて、今週3麺目だったわこれ。どれだけ麺が食いたかったのか。
まぁまぁ、味が全然違うし別の食べ物というカウントで行こう。そうしよう。
ラーメンで暑くなった体に、セルフサービスの氷水が冷たくて旨い。これまたもっと飲みたい気もするが、もう胃袋には水すら入らない感じがするのでこれも諦める。完全に満腹である。
正直もっと食べたかった。正確にはもっと長く「旨い」を感じていたかった……もっとゆっくり食べるべきだったなぁ、と反省する。これは殆ど毎回の事だ。
しかしラーメンにあまり時間をかけすぎると麺が伸びるし、満腹中枢も刺激されて、完食する自体の難易度が上がってしまうので仕方ないんだ……と自分に言い訳しながら、「ごちそうさまでしたー!」と若干声を張って店を出た。
と、ここまで書いて、どう書き終わればいいのか見当がつかないまま週が明けてしまったので、これは日記といいつつ先週の話なんですが、既にラーメンの記憶が薄れてきつつあり、やっぱりこういう話はさっさとUPしちゃわないと駄目だな!と反省した所です。
この後ユニクロにちゃんと行って、ピンクのもふもふを入手しました。
日記はやっぱり鮮度が大事ですね、という結論で終わりにしたいと思います。