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#27 建設業許可:経営業務の管理責任者の「経験」と「常勤」
こんばんは、ネイビーわたなべです。
以前の記事に続き、「建設工事の許可」についてまとめていきます。
今回は、経営業務の管理責任者の「経験」と「常勤」についてです。
建設業許可の要件の1つ、
「経営業務の管理責任者」については前回ご説明しました。
詳細はこちらをご覧ください。
今回は申請のポイントと準備書類についてご説明します。
「経営業務の管理責任者」の要件をクリアしても、
審査行政庁に認めてもらわなくては元も子ありません。
しっかりポイントをおさえて、書類を準備していきましょう!
審査のポイント2つ
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まず最初に、この2つのポイントをおさえておきましょう。
建設業許可に限った話ではありませんが、
行政庁が審査を行う際のポイントは大きく2つあります。
それは、
「客観性」と「明確性」があるか、ということです。
いくら「5年以上の経験がある!」と言っても、
客観的に判断できる書類がなければ審査のしようがありません。
また、その資料が誰がみても分かる明確なものでないといけません。
これからご説明する内容について、
2つのポイントを意識しながら見ていきましょう。
要件1 経験性
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「経営業務の管理責任者」は、
一定期間の経営業務の経験を証明しなくてはいけません。
具体的に確認される書類は以下の通りです。
対外的に責任あるポジションにいた確認
・履歴事項全部証明書
・閉鎖事項全部証明書
・過去の許可申請書副本
・確定申告書控 など
建設業の経営業務について総合的に管理した経験確認
・建設業許可を受けて経営した事実
・契約書、請求書、請書、注文書、入金記録 など
では、上記の書類について、
2つのポイントから深堀していきます。
■客観性
例えば、請求書のみでは追加書類を求められることとなるでしょう。。
なぜなら、申請者側の押印のみの書類のため、客観的な裏付けが弱いためです。
裏付けが強い資料とは、申請者以外の第三者が作成・発行に携わった資料であるかがポイントとなります。
例えば、【共同署名押印された契約書】や【銀行が発行する預金通帳】などになります。
■明確性
経営経験を確認する資料が、時系列に並んで矛盾なく説明できるか。
申請書一式に記載してある申請事項と確認資料に事実のズレがないか。がポイントとなります。
要件2 常勤性
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経営業務の管理責任者は、「常勤性」が求められます。
【常勤性】とは、原則として本社、本店等において休日を除き、一定の計画のもと毎日所定の時間中、その職務に従事していること。
簡単にいうと、「その会社に席を置いて出勤しているか」ということです。
こちらは、適正な経営を担保するため、
日常業務を具体的に執行している責任者の「常勤性」が条件となります。
具体的に確認される書類は以下の通りです。
通勤可能かの確認
・住民票 など
(通勤時間2時間以上の場合、追加書類を求められるケースがあります。)
その会社に一定額の給与を支給されているかの確認
・健康保険被保険証
・雇用保険被保険証
・国民健康保険被保険者証 など
こちらも簡単に「客観性」「明確性」について触れておきます。
例えば、申請者自ら作成できる【給与台帳】は、裏付けが弱い書類となります。【住民票】や【社会保険資料】など、第三者が作成・発行した書類を意識しながら準備を進めていきましょう
まとめ
「経営業務の管理責任者」は、
「経験性」と「常勤性」を客観的な資料を準備して証明しなくてはいけない。