Vol.9 : 速さ以上の何かがある
全ての旅を終えた8月上旬。
友達が全員帰省したリーズでまず取り掛かったのは長距離走。
1ヶ月半のワークアウトを終え、今日は初めてのハーフマラソンに挑んだ。
数字で21kmのランを振り返る。
しっかり練習で取り組んだことが発揮できたランだった。
ここからは、
①3kmごとのランの感想
②思わず感動したこと
③今後の自身のランについて
話していこうと思う。
21kmのレース展開
【0〜3km】
天候は曇り。長距離走に適した気温。
会場のムードに飲まれることなく落ち着いてレースをスタートすることができた。
自分に合ったペースメーカーを見つけることができて、変にスピードを上げることなく、感情を抑えた走りができた。
【3〜6km】
ずーーーっと上り坂を登り続ける。前を見ているだけで気が滅入るので、前のランナーの足元を見て呼吸を乱さないように走る。
坂に圧倒されることなくスイスイと足が前に出る。
しかし、コース下見をしなかったことを心底後悔。
【6〜9km】
コースのの住宅が「ザ・イギリス」を表すようなレンガづくりの家で綺麗だった。
アドレナリンのおかげで肺、ふくらはぎに負担を感じることなく前向きなメンタルでレースを楽しめた。
【9〜12km】
ここで第二の上り坂。
ここもペースメーカーに合わせてキロ毎タイムを崩すことなくいいペースで走れた。
給水所でもらった200ml程度の水バッグから水を全然吸えず、少しイライラ。
水を飲むことに苦戦している間にペースメーカーの男の人を見失う。
【12〜15km】
ペースを合わせる人を転々とする。
追い抜いたり抜かされたり。
ここら辺でついにアドレナリンが切れてふくらはぎが痛くなり始める。
歩幅が伸びなくなって頭で思っているような走りができなくなる。
細かいアップダウンが続き、地味にメンタルをえぐられる。
【15〜18km】
足が前に進まなくなる。
次々と人に抜かされ始める。
周りに流されるともっと走りが乱れてしまうので、今回の走りのテーマにしていた「フォーム、呼吸、ペース維持」を脳内で連呼して意識づける。
ここでまた水バッグをもらう。
走行中で飲める試しがなかったので立ち止まって一気に吸引。
水分を得て少し元気になって再開。
【18〜21km】
走りを再開した瞬間に、見失ったペースメーカーとまさかの再開。
少しハッピーな気持ちで足を動かす。
最後の1kmでペースを上げて目標をクリアして無事ゴールイン。
終わった後の達成感は何事にも変え難い感情だった。
速さ以上の何かがある
走る理由は人それぞれ。
長距離走と聞くとまず「駅伝」「タイム」「順位」がまず先に思い浮かぶだろう。
しかし今回はそれら以上に大きな感動があった。
・ゴール目の前で父親から赤ちゃんを受け取り、抱っこして一緒にゴールインした母親らしき人
・21km走り切り、自力でゴールインしたおじいちゃん
・自分のペースを崩さずに、粘り強い走りを見せたお父さん。
ゴールへ足を進めるたくさんの強い原動力に触れ、思わず涙を流さずにはいられなかった。
これらの人々から、過酷なコースを走り抜く「強さ」を感じた。
自分ももっと多くのラン経験を通じて、もっと力強い走りができるようになりたい。
「走る」という単純な行為は、こんなにも勇気や感動を与えてくれる。速さだけを追い求めていたら見られないであろう景色を見ることができた気がする。
総括と今後
練習でテーマにしていた「一貫した呼吸法、腰を落とさないフォーム、周りに左右されずにペース維持」をしっかり実践できた走りで大満足。
ただ、レース後半の、辛さが先行する走りをどうにかしたい。疲れると走るのが辛くなる。もっとポジティブに長く走るためにも体力をつけたい。
そのためには自主トレに加えて、適切なメニューを通じて体に負荷をかけないといけないように思う。
自分が理想とする「どんなレース展開でもペースの強度を高められる走り」を実行するための練習ができる環境を探したい。
そして、もっと色々な走りに触れ、勇気をもらうことで「何のために走るのか」をもっと考えていきたい。