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親愛なるあなたへ -DEAR MY FRIEND-

あなたが渡った空は
冬の星のいろ
約束そのままに
会えなくなった
電話かければいつでも
こころよく話してくれたね
いい仕事していこうねと
たばこくゆらせていた
時間を自分から使い
本気で生きていたあなたが
迷ってばかりで落ちつかない私より
ずっと早くいってしまうなんて
本当に世の中 うまくいかないものだよ

あなたが抱いた夢は
うみを越えた国で
おぼえた自由
根付かせること
「日本はとても遅れてるよ」
私が愚痴をこぼせば
おもしろい体験してるんだからと
背中 あたたかくした
階段こわい思いしながら
路線バス乗りはぐれながら
一人で暮らすアパート探しに走って
車椅子疲れさせながら
大したことないよ 瞳かがやかせてたね

あなたを思い出すことで
時を費やしたら
たぶん怒るね
わかっているよ
いっしょにすごせた日々は
うまく活かさなくちゃ
立ちつくせば あなたの気持ちを
裏切ってしまうから
一つしかない命 自分で
絶ってしまう人もいるよね
なにがあっても それだけはしないからね
胸をはって 会いたいから
かなりおもしろく いきてきたんだ と

作詩:村山 美和  作曲:藤原 温美

(当時の作詩者コメント)
今までたくさんの友人の命が消えていくのを見てきた。そのたびに思い出を肩に乗せ、勝手に責任を感じてきた。だがこの友人は肩に乗ってはくれない。「俺は俺らしく生きたぞ」と言って、私の遠い延長線上で煙草をふ
かしている。人のいきざまに、命の長さは関係ないと今おもう。

『わたぼうし音楽祭』
障害のある人たちの日常生活や体験や感情を詩につづりメロディーにのせて届ける音楽祭。1976年から始まった芸術文化活動で、2021年8月7日には第47回目の音楽祭が開催される。

※2022年8月1日時点 ホール開催中止/後日オンライン開催に変更
「第47回わたぼうし音楽祭」は、新型コロナウイルス感染急拡大のため、
8月7日・奈良県文化会館でのホール開催を中止し、後日オンライン開催に変更します。入選されたみなさん、会場にお越しくださるみなさんをはじめ、関わるすべてのみなさんのいのちと健康を守るための決断です。オンライン開催の日程等詳細は未定ですが、今後の感染状況を見ながら、年内に仕切り直したいと思っています。

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