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てのひらのしわざ

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手のひらが作り、掬い、手繰り、握り、揉み、ほぐし、合わせることで起こるさまざまな「しわざ」について。主に郷土玩具や張子製作を軸にして書いてみようと思います。
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記事一覧

奉公さん(香川県・高松市)_20200902

47都道府県各地の郷土玩具を張子で模造する『てのひらのしわざ』シリーズは、いよいよ本州を離…

神牛と大社の祝凧(島根県・出雲市)_20200817

お盆が明けて暦的には秋へと向かう季節ですが、連日日本のどこかで40度を超すような気候で本当…

大漁人形(山口県・下関市)_20200615

前回の更新からだいぶ間が空いてしまいました。 今回は山口県下関市の「大漁人形」を取り上げ…

疫病退散や無病息災の郷土玩具(東日本編)_20200324

日本の郷土玩具にこめられた願いの多くは、人生における大小様々な厄災から身を守りたいという…

宮島の鹿猿(広島県・廿日市市)_20190719

瀬戸内海に浮かぶ名勝、厳島神社今回は瀬戸内海にある日本三景の一つ、厳島(いつくしま/通称…

吉備津のこまいぬ(岡山県・岡山市)_20190713

せっかくの3連休ですが天気がぐずついていますね。 現在やっている僕の展示もこの3連休で終わ…

因幡の白兎(鳥取県・倉吉市)_20190711

倉吉張子鳥取県の倉吉市で受け継がれる「倉吉張子」は、江戸時代天明年間に絣(かすり)の行商人であった備後屋治兵衛がこの地に定住して創案したものだそうです。 幕末から明治期までが最盛期だったそうですが今でも古い型を使用して受け継がれています。 定住した倉吉張子の創案者である備後屋治兵衛が、倉吉の娘に惹かれてつくったと言われる「はこた人形」は、こけしのような風情の張子人形で、倉吉の伝統的なモチーフです。 倉吉市内でこのはこた人形をつくる「はこた人形工房」では、張子人形の販売や

四日市の大入道(三重県・四日市市)_20190709

展示(加藤良1・渡部剛『図工』@原宿・the blank gallery:)も落ち着いてきたので、作りため…

火祭り人形(和歌山県・東牟婁郡)_20190419

「那智の滝」の熊野那智大社高さ・水量ともに日本一の「那智の滝」があることで有名な熊野那智…

狐の張子面(兵庫県・姫路市)_20190418

お稲荷様ってなんだろう?一対の狐が赤い鳥居の横や社殿近くに祀られている「お稲荷様」ってな…

法華寺のお守り犬(奈良県・奈良市)_20190417

全国各地の張子を自分なりに模倣しているのですが、制作にともなって必然的に触れる歴史や地理…

初辰猫(はつたつねこ/大阪府・大阪市)_20190416

左右一対で袴を着た招福猫。この郷土玩具は大阪の住吉大社で授与される土人形の『初辰猫』を張…

伏見人形(京都府・京都市)_20190409

西行も牛もおやまも何もかも 土に化けたる伏見街道 (一休禅師) 年度末・年度始まりだった…

猩猩(しょうじょう/滋賀県・草津市)_20190402

猩猩(しょうじょう)とは?今日は映画『もののけ姫』にも出てきた「猩猩(しょうじょう)」です。 『もののけ姫』の猩猩はこんなキャラクターでした。 怖すぎる。全員いかりやのドリフが森の奥から出てきたようなシーンですね。 猩猩とは現在はオランウータンの漢名で、そもそもは伝説上の動物らしいです。 もとは中国の伝説上の動物であり、古典書物に登場する。 日本では各地に猩猩の伝説や説話が残っており、特に能楽には『猩猩』という演目があり、大酒飲みとして登場する。 またオランウータ