四日市の大入道(三重県・四日市市)_20190709
展示(加藤良1・渡部剛『図工』@原宿・the blank gallery:)も落ち着いてきたので、作りためていた全国の郷土玩具張子の更新を久しぶりに。
四日市祭の大入道
「○のつく日は〜市」というように、現在でも日本各地で様々な縁日や市が催されていますよね。
三重県の四日市市は、その名の通り「4のつく日」に市を開いて大きくなった都市で、地域の氏神である諏訪大社の例祭である「四日市祭」というお祭りです。10月に開催され、戦前までは「東海の三大祭り」と呼ばれるほど大きなお祭りだったようです。
(ちなみに8月に市民が主催する「大四日市まつり」というものもあるようですね。やや紛らわしい。。)
これらの祭りで練り歩く山車(だし)の一つが、今回つくった大入道です。
山車と合わせて全長9mにもなる巨大な山車で、さらに仕掛けもすごく、首や舌を伸ばしたり、眉毛や目玉が動いたりします。実物見てみたいなあ。
大入道って?
全国各地にユニークな山車が出てくる祭りは数あれど、なんでこんなモチーフの山車をつくったのか。
諸説あるようですが、醤油屋の蔵に住み着いた狸が化けて悪さをされて困った人々が対抗して、首が伸びる大入道の人形をつくって対決したとか、反物屋に来た奉公人が実はろくろ首で、正体を見られて消息を絶ったその男を偲んでつくられた、という話があります。
そもそも「大入道」は「大きな僧」という意味で、日本各地に伝承が残っています。その伝承と首が伸びたり抜けたりする妖怪の「ろくろ首」のハイブリッドが「四日市の大入道」のようです。
郷土玩具の「四日市の大入道」
そんな四日市の大入道ですが、お土産としては紙製のものが昔からつくられているようで、四日市市の土産屋などでいまも買えるようですが、いまはゆるキャラの「こにゅうどうくん」のデザインになってるかも知れません。。
以下のような古い絵柄のものが欲しい。こちらは郷土玩具の絵を膨大に描いた川崎巨泉の絵です。
大阪府立図書館のサイトで様々な郷土玩具の絵を見ることができるので、よく閲覧しています。
大入道の3D化
郷土玩具の大入道は紙製で、首の伸縮や目玉の変化は2本の胴串でおこないます。この仕掛けをどう張子でつくれば良いかかなり苦労したのですが、こんな感じになりました。
目玉の仕掛けはさすがに難しくて描くにとどまり、糸で首を引っ張り上げるエレベーター方式でつくりました。動きがややぎこちないですが(笑)。
【張子制作MAP】
30/47。展示の予定が重なってしまい、完成はしたもののちっとも更新できていなかった本シリーズですが、ようやく、ようやく近畿地方が終わりました!残すところ、山陰、四国、九州地方となりました。実は山陰地方は張子は既につくり終えていて、あとはnoteを書くだけ。。展示の合間に頑張って更新したいと思います。