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#99_note感想文『スキマワラシ』

おはようございます。こんにたは。こんばんは。
かきつばた。です💐

今日はnote感想文です。
恩田陸さんの小説『スキマワラシ』の感想です。
ぜひ読んでいってくださいね。

基本情報
書名:スキマワラシ
著者:恩田陸
価格:1,980円(税込)
出版社:集英社
出版年:2020年

『スキマワラシ』は、家の中の「スキマ」に住む小さな妖怪を題材にした、とても心温まる物語です。この物語を読んで、普段何気なく過ごしている日常の中にも、目に見えない何かが関わっているのかもしれないと考えさせられました。

スキマワラシは、限られた場所にとある特徴的な見た目で現れるキャラクターとして描かれており、場合によっては妖怪のような気味悪さも残りますが、その行動にはどこか愛らしさと優しさが感じられます。特に主人公の散多(さんた)がある能力を発揮したり、スキマワラシの正体が明らかになりそうで実態は最後までよくわからないというストーリーがとても印象的でした。物語を通じて、自分の目がとらえた信じられない物事をどう処理するのか、人に伝えるのか、自分だけの秘密にしておくのか、についてはかなり考えさせられたし、人の話を遮ったり否定したりすることなく落ち着いてすべてを受け入れるものの、自分の立場や意見はしっかりと表明できる主人公の兄・太郎の振る舞いから信頼関係を築く上での大切なことを学ぶことができました。

また、普段気にも留めないような場所である家の中の小さなスキマが物語の舞台になっているのがとてもユニークです。これにより、わたしの生活空間にも想像力を広げるきっかけが生まれたのではと思います。「もしかしたら自分の家にもスキマワラシがいるかもしれない」と考えると、日常の何気ない一コマが少し特別に感じられるようになります。

『スキマワラシ』は恩田陸さんらしい優しいユーモアと温かいメッセージが存分に詰まった作品でした。大きな事件は起こりませんが、主人公が自分の名前の由来やまだわかっていない家族の謎を追っていく物語はとても臨場感があります。読後には心がほっこりし、日常の小さなことにも目を向けたくなるような気持ちにさせられました。また、この物語を通して見えない存在に感謝したり、周囲のものをもっと大切にしたいと思えるようになったのが私にとっては一番の収穫でした。

ぜひ、子どもから大人まで多くの人に読んでもらいたい一冊です。

最後までお読みいただきありがとうございました。
またお会いできますように☺️

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