ヒュルルルルルルン
休み。
昼前に起きて納豆ご飯を食べる。ここしばらく、ある一つのことを待ちつつ、目の前の生計を立てるため労働する日々を送っている。
休みの今日くらいはどこかへ出向こうかとも思うが、どうにも体が動かぬまま古い動画をYouTubeで見ていた。
18時。さすがにまずいかと思い出かけることに決める。気が滅入りがちなここ最近は、食べたいものを遠慮せず食べるようにしている。今一番食べたいものは何だろう。イメージが黄色い衣に収束した。
今から私は、鳥貴族のチキン南蛮を食べる。
少し距離はあるが歩いて向かうことに決め、道中の回収ボックスに持っていく空き缶を適当なレジ袋に詰めて家を出る。瞬く間に気温が落ち着いたため、この日は散歩に最適だった。袋を空にした後、勢いがついた僕の脚は逆方向に向いた。
なんかデカい本屋にも行きたい。
歩いて1時間後。某ターミナル駅付近の7~8階建ての本屋に来ていた。一応元々買いたいと思っていた本があったから来たのだが、それはすぐに見つかった。ただ、最近僕は本屋に一歩でも足を踏み入れたら絶対一冊は本を買うというルールを自分に課している。この場合、元々買う予定だった本はカウントしないことにしている。そういうわけで1時間ばかり店内を物色し、無事合計2冊の本を購入して小さなカバンに格納。近くにも別の店舗がありそうだったが、当初の予定通りのトリキへまた1時間ほど歩く。
やや郊外に位置するチェーン居酒屋、平日21時ということもありほどほどの人数の若者がそれなりの音量で店を埋めている。今日くらいのガヤガヤ感がちょうどいい。
わざわざ焼き鳥屋に来ておいてあれだが、正直そんなに焼き鳥が好きなわけでもない。でも今日は、普段だと周りに気兼ねして頼めないメニューも注文できる。すなわち、好みでない部位を連れが頼もうとした時の「俺食わないから2本行っちゃっていいよ」という370円ドブ捨てイベントも回避できる。独身鳥貴族、悪くない。チキン南蛮もちゃんと食べれてよかった、美味しかった。
あと、普段なら選ばんけど気になってた雑炊にも手を出す。なぜ大人は〆を頼むのか、それならあと1杯、いや2杯飲むわいとわめいてきたが、帰ってから明らかに頭の重さが違う。風呂もすんなり入れるし、軽くアイスを食べても24時前。今から寝ればとても程よい。
ああそうか。俺がつまらないと思っていた大人は、明日のために〆を選んでいたんだ。自分のように明日なんてどうなってもいい人間はそうやってずぶずぶと酒に浸っていたけど、みんなには元気に起きるべき明日があるんだよな。こんなことで大人になったとは思わないが、こういう日を繰り返して人生が進むんだなとは思う。
そのことを書いて残そうと思いキーボードを打つうち気分が乗ってきて、気づけばワインを空けていた。ゴミでござんす