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益田裕介から不安がなくなったのはどういうきっかけか? なぜ精神科医になったか?【オンライン自助会2周年特別記念①】

本日はちょっと個人的な話をさせていただこうかなと思います。
オンライン自助会が2024年3月24日で2周年を迎えるんですよ。

皆さんのご支援のおかげで2周年経つんですけども、その挨拶を兼ねて、これまでの経緯や自分がなぜそれをやっているのかを改めてお話ししようかなと思います。


◾️孤独を癒してくれたのは

「益田先生は何で精神科医になったんですか?」とよく聞かれるんですよね。
最近は聞かれないかな。でもまあ聞かれていました。

僕は悩みが多い子どもだったんですよ、というか、今でもずっと考えているんですよね。人の悩みについて今は考えていますけれども。人がなぜ苦しんでいるのかとか、なぜ彼らは死にたいと思っているのかとか、この人の問題は何なんだろうということを今も考えてます。

昔はもちろん自分のことを悩んでいました。
自分の心の中とか、自分の不安なことを悩んでいました。医師になって何年か経って、開業医になってYouTubeを始めて色々経ってから、本当に自分のことについて悩むことがなくなりました。

最後に悩んだのはいつだろう。最後に悩んだのは本当に自衛隊を辞めて開業してちょっとぐらいの時ぐらいですね。
だけど、それ以降はあまり悩んでいないんですよ。
だからもう5、6年はあまり自分のことについて悩んだことはないです。
はい、そういう人間です。

結構悩むんですよ、僕も。うつになるというか、そういう人だったんですけど。一番最初はいつからかと言うと、僕の記憶があるのは小学校の2年生ぐらいからで。

親から言われた記憶として、小さい頃、4歳とか5歳の記憶もおぼろげながらあるんですけども、自分の中である記憶と言うと、小学校2年生ぐらいの時で、その時に引っ越しをしたんですよ。

千葉の行徳から北海道の札幌市に引っ越すんですけども、引っ越した時に友達がなかなかできなかったり、友達づきあいとかどうしたらいいのかとか、色々悩んだ記憶があります。

僕には妹もいて、妹と母親がくっつくというかペアになりがちじゃないですか。
僕は何かこうお兄ちゃんだからというのもあるかもしれないし。でも言葉にするのが苦手だったので、誰かと話をして解決していくことはなくて。

でもよくわからないうちに何とかなって、でも2年経つ頃にはまた移動して、そういう子どもでした。だから何か最初からずっとぐじゃぐじゃしてたような気がします。

子どもにとって引っ越しというのは、コミュニケーション能力が高い人だったらいいんですけど、低いと結構悩むのかなと思います。思春期の始まりが小5、小6くらいだと思うんですよね。反抗期というか、親は何なんだとか、社会は何なんだ、学校の先生は何なんだと思った時期です。

その当時はキレる17歳というのが流行っていたりして。
阪神淡路大震災とかオウム真理教とかサカキバラ少年とか少年犯罪とか、そんな時代だったんですよ。90年代の終わりぐらいで。

その頃はインターネットも出てきたので、インターネットで何かを読んだ時に色々渡り歩いて精神分析に辿り着くんですけど、そこからはSF、哲学、精神分析とか、そういうものがどこか心の支えになっているような子どもで。

でもいつもどこか孤独で、その孤独を癒してくれるのは、やっぱり精神医学の知識だったんですよね。これは本当にそう思いますね。

当時、香山リカ、斎藤環、宮台真司さん、色々読んだりして、それが入り口になって、僕はそういう精神分析とか、ヨーロッパとか欧米のカルチャーのものとか、テキストを読むようになるんですけど。

そういう子どもだったんですよ。その中で孤独を癒してくれるのは、やっぱりインターネットだったんですよね。日常がある一方で、インターネットの世界があるというのが僕にとっては心地よかったというか。

正確に言うと、インターネットを見てそこから本屋さんに行って本を買って読むみたいなことが救いだったというか。

そういう子どもでしたね。

楽になりたいとずっと思ってましたね。
これは何なんだということはずっと思っていて。
生きる理由も欲しかったという感じですよね。

そういう哲学とか読んでいると、疑うことができるというか、支配はされなくなるんですよ。自分が悩んでいることとか、社会の常識とかからは自由に考えられるようになるんですけど、でも一方でじゃあ何で生きるのと言うか。

何のために生きるのとか、生きる理由というのがやっぱりわからなくなっていくようで。

医師になればいいとか、人を救えばいいとか、お金持ちになればいいとか、女の子にモテればいいとか、そういう話でもないわけですよ。
ひねくれているからね。

でも紆余曲折があって自衛隊に入るんですけど、自衛隊に入った後もそれで生きる意味があったかと言うと、半分あったんですけど、やはりそれで満たされるということはもちろんなかったですね。

そういう中で国のためとか歴史を学んだりとか、自衛隊という軍隊の中にいることで、今まで見えなかった歴史、フロイトたちが感じていた世界大戦のこととか、もうちょっとわかりやすく感じられるようになりました。

だから、人間の集団が持つ狂気というか、愚かさとか、そういうものとかで、なぜそれが戦争になったのかとか何となくですけどわかったし、それを食い止めようと思っても食い止められない感じも何となく、実は中にいることでわかったというのがあります。

それに並行して医学も勉強もできて、人間の体というものがタンパク質やカルシウムの塊でしかないということを、骨の髄まで学ぶわけですよ。そういう中で先日お会いできた上田先生のように、自己犠牲の中で命を救うことの尊さみたいなものを少しずつ学ぶことを体験します。

でも救われないですよ、それだけだと。
それだけでも救われなくて、どうしようとか思ってひねくれていて。
僕は外科医とかそういうことも結構考えていた時期はあるんですけど。でもやっぱり元の道ということで精神科医の方に入るんですけど。

️◾️精神科医になってからの孤独

精神科医になってからも、人の心とか不安は何なんだとか、それを救うにはどうしたらいいのかということを、偉そうなことを言うと、僕と同じくらいというか僕ほど考えてる人はそんなにいなかったですね。

もちろんいますよ。もちろんいるんだけれど、僕と同じように僕と同じ世代で同じ水準で同じように考えている人はそんなにいないんですよ。
自衛隊の中にはいないかもなと僕は思っていました。
自衛隊だからそれはそう。文学少年の場所じゃないからまあそうなんだろうなと思っていましたね。

そういう中で精神分析をもっと本格的に学びたいなと思って。自衛隊の中で自分と合ってないなというのがあって。出世していくこともないし、自衛隊は9年間の義務年限があるんですけど、僕は7年くらいで辞めているんですよ。

違約金という形で2600万円を払った。
辞める時は結構悩んだんですよ。僕はもう国賊なんじゃないかなと思っていましたね、その時は。

高校を卒業して1年浪人するんですけれども、浪人したところは学生寮だったんですよね。自分じゃ絶対勉強しないから寮に入れさせてもらって。

成績も良かったのでほとんどお金がかからなかったんですけど、浪人生活に。いわゆる特待生的なやつがあったのかな、安かったんですけど。

そこの寮監が元自衛官の方だったので、そこから続いてるんですよ、僕の中では。
自衛隊に入ってから、自衛隊でも色々な人にお世話になったし、そこを途中で辞めるのはもう国賊なんじゃないかと僕は思ったんですよ。

ここでもし辞めたら僕はもう世間に顔向けできないだろうなと思ったんですよね。
その時は本当にそう思いました。9年間やり遂げず、途中で辞めてしまうなんて、自分はもう国賊なんだと。国家も裏切るしと思いました。

その時は本当に思う思ったし、そう言う人もいました。「お前は国賊だ」とか。自衛隊を辞める時も、本当に辞める日に自衛官に胸ぐらを掴まれて「何なんだ、お前は金で辞めるのか」みたいなことを言われて。

ぶん殴ってやろうかなと思ったんだけど、最後だからお前と戦ってやってもいいんだぞと思ったんだけど。でもそんなことしても、今度は今いる人たちに迷惑をかけるから。これまでお世話になっている人もいるから、迷惑かけるから喧嘩はしなかったですけど。

「お前俺に勝てると思ってんのか」とか、「ナメやがって」とか。その時レスリングを引退してからまだ数年しか経ってなかったので思いましたけど。

でもすごく傷つきましたね。自分がすごく裏切ったんじゃないかなとか、そういうものを裏切った奴なんだと思っていました。
思わされてきたし、そういうことを言ってる人もいたし。

そういうことを僕に言った人たちのことは結構覚えてますけど、心ないことを言う人たちもいますよね。覚えてます。

辞めた直後は本当にどこかで絶対復讐してやるとか思っていましたけど、いわゆる無敵の人ではないけれど、それぐらい自分の中には怒りというか、そういうものも当時はありました。

そこから精神分析を学んでいこうと思っていく中で、でも実際の精神分析の世界と臨床の世界の問題というのも、実はもう臨床も6年、7年やっていたからわかっていて。

インテリの会話の中で人が癒されることの難しさもおぼろげながらわかったし、それを否定する先輩たちもたくさんいたので、何となくどうしようかなと思っていた時期ですね。

認知行動療法の勉強ももちろんしていたし、森田療法の勉強会も行っていたんですよ。同時に3つぐらい勉強していたんですけど、精神分析が一番好きだったんですけど、認知行動療法の勉強会も行っていましたね。

でも、どこか自分の中ではしっくりこなかったというのがありました。

️◾️開業当時も悩んでいた

人のもとで臨床をするんですけど、やっぱり自分で外来を持って主治医としてしっかり生きないと見えてこない。

自分で場所をセッティングする、治療構造をセッティングしないと見えてこないものがたくさんあるなと思って。

やっぱり自分が学んできたこととか、組織論、科学哲学のこととか、倫理の問題、家族療法、色々なものも含めてうまい場所が見つからなかったのと、独立した方がいいよと言ってくれる人もたくさんいたので、開業することになるんですね。

2018年に開業することになります。そういう経緯があったんですよね。この時もまだ悩んでいました。悩んでいたし、困惑していました。

当時は訓練分析ではないんですけど、自分もカウンセリングを受けていて、週2回を5年間受けるんですけど。自衛隊を辞めた後もまだその最中でしたね。

自分もカウンセリングを受けて色々話したり、やっていたという感じです。外の病院でやっている時は、認知症の人が結構多かったので、認知症とか結構診るのかなと思っていたんですけど、早稲田大学の横でやっていますから、若い人とかサラリーマンとか現役の人を診ることが多くなりました。

外の病院でやっている時は結構少なかったんですよ。お年寄りの人とかが多かったんですけど、働いているとか、現役の学生さん、現役のサラリーマンの方、主婦の方をメインに扱うことは、やっぱり駅前クリニックでガッツリ自分でやらないと見えてこない臨床だったんですよね。

バイト先だと患者さんをたくさん診なきゃいけなかったんですけど、自分でクリニックでやると、自分のリズムで患者さんの数をコントロールしてやれることができたので、イチから学び直すことも多かったという感じでしたね。それが2018年。

その中で発達障害の問題ともっと向き合うことが増えたし、就労移行支援と絡んだり、こういうことをやっているんだと取り組みを見つつ、心理士さんを雇ったりコミュニケーションも増えた。

でも、やっぱり人間の心を知るというのは、本当に知りたいと思っている人たちはそんなに出会わなかったですね。
僕は自衛隊を辞めたら出会うと思ったんだけども、外もそんなに多くはいないし、むしろ外の方が少ないかもしれなかったですね。

自衛隊の人たちの方が、もしかしたら生きることは何かを考え続ける人が多かったかもしれないです。でもまあ、そんな感じでした。
それが2018年の時でしたね。うん、長いですね。

ここまでで長いね。
でも悩んだり苦しんだりしていました。

◾️YouTubeは絶対に必要なもの

YouTubeというものを使う。診察室の外を使って臨床する。診察室の中だけじゃなくて、診察と診察の合間に何をするのか、何を提供するのか。

認知行動療法もそうなんですね。宿題を与えるとかして。精神分析もそうですけどね。診察と診察の合間、治療をしてない時の合間に、何を患者さんに引き起こすのかを色々考えていく中で、やっぱりYouTubeって強いなと思ったんですよ。

大学生の患者さんたちから色々教わって、やった方がいいんですよって。それまで僕はSNSは医者の売名行為なんだ。そういうことをやる医者は最低なんだと教わったんですよね。

医者で金儲けするのは最悪だし、医者で承認欲求を満たすためにSNSをやるのは終わりなんだみたいな、本を出す医者は最低なんだ、みたいな洗脳を受けているから。

自衛隊も裏切るし、そこも裏切るのかみたいな。テレビも出ちゃう、YouTubeをやるってもう裏切り者みたいな感じで思ったんですけど、でもまあそんなわけないじゃないですか。

そんなわけないので、やっぱり始めなきゃいけないので。
それを僕がやるべきなんだと結構思いました。勇気がいったんですよ。
自衛隊をやめる時も勇気いったんですよね。

凄い裏切り者なんじゃないかと。裏切り者なんだけど、でもそれをやるべきなんだ。自衛隊でやれることはもう終わっているし、9年なのか7年なのか、たいして差はないんですよ。

9年やったから国賊じゃないとか、7年だから国賊なんだってそういうわけないわけで。もうやれることはやったんだから、自分は医者の方を目指すんだから、医者としてやればいいんだから人を救えばいいんだからってことで辞めた。

YouTubeだって売名行為だとか承認欲求を満たすためなんだ、金儲けなんだとか言う人がいるかもしれないけど、絶対大事なんだよね。

診察と診察の合間のためには。だから始めたんですよね。そういうことです。
色々さわきさんも含めて、その…ちょっと一回終わりますね。
もうちょっと弱みを見せていこうかなと思って、今年から。
ちょっとウルっときちゃいました。

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