【交換日記】運命のお買い物は理屈じゃない

9月8日（月） 早乙女ぐりこ

こんばんは！ あげは嬢から、交換日記２周目のトップバッターを仰せつかったぐりこです。台風が去っても蒸し暑さは続いているね。みんな体調崩してないかな。
さて、1周目の読書トークに次ぐ２周目のお題は「買ってよかったもの」。

私が今年、買って本当によかったなと思っているものは、今この文章を打っているデジタルメモポメラなのだけれど、それについては散々自分の日記で書いているからそちらを参照するとして。

私はお買い物エッセイを読むのが大好きで、特に好きなのは服とかジュエリーとか靴とかをオーダーした体験記。だから今回の交換日記のお題が決まった時から、自分でも洋服のオーダーメイド体験記が書きたい！と思っていたの。で、シルクや上質な生地を使った服を自分にぴったりのサイズで格安オーダーできると噂のベトナム・ホイアンにやる気満々で行ったのだけど、諸般の事情でそれが叶わず…（涙）。完全に何を書けばいいかわからなくなっている現在です。

「都会かつ実店舗での素敵なお買い物話が聞きたい！　というわけで都会のど真ん中で暮らすぐりこ、最近何買った？」

というあげは嬢のフリからして、たぶん
「新宿伊勢丹行ったらブランドもののワンピースに一目惚れして買っちゃったよ」
とか
「六本木の家具屋で二ヶ月分の給料はたいてソファー買っちゃったよ」
とかそういう話を期待されているのではないかと思うんだけど（そしてそういう買い物をしている時期もしばしばあるのだけれど）、8月から毎週旅行やらライブやらに行っているために完全に金欠で、大きな買い物を控えざるを得ない状態なのです。期待に応えられなくてごめんね。これもあげは嬢が言ってた予測誤差ってことで。

というわけで、一点ものでも一生ものでもないけれど、この夏の私のテンションを上げてくれたなあと思う、ささやかな「買ってよかったもの」を二つ紹介するよ。

一つ目はこのイヤリング。

私は大ぶりの天然石を使ったアクセサリーが好きなのだけれど、めずらしく石じゃない素材のイヤリングを買ってみたのがこちら。池袋ルミネのポップアップショップで見つけたよ！
レースがグレーだからどの服にも合うのと、七宝焼き部分の深い色味と、流れ星みたいなデザインがお気に入り。
大学時代は、ピンクゴールドとかの繊細なデザインのアクセサリーを目立たないように身につけているのがおしゃれだと思っていて、それが今では石とかレースとかのごついアクセサリーをがんがんつけていて。だんだん趣味や好みが変わっていくのも、昔は似合わなかっただろうものを今は堂々と身につけられるのも、すっごい楽しいなと思う。もちろん、逆に身につけられなくなったものもあるけどね。
顔周りにきらきらする石があるのもいいけれど、しゃらしゃらと揺れるレースをまとっているのもテンション上がる！

買ってよかったもの二つ目は、こないだメイコ（同人サークルの相方・一ノ瀬迷子。元々はあげは嬢とまりこさんの高校時代の友人）と伊勢丹某店パトロールをしていたときに見つけた、エレガンスのレヨンジュレアイズ。

（写真→https://makeit.press/article_images.php?article_id=10004394より）

私はパーソナルカラーがブルベ冬で、服はモノトーン基調＋華やかな差し色にしておけば大きな失敗はないのだけど、メイクに悩みがちで。特にアイメイクにおいては、眠そうな奥二重の垂れ目をきりっと見せたい！という下心もあって、長い間まぶたの上に濃いグラデーションを作って、二重幅を塗りつぶすようにネイビーや黒に近いグレーを塗りたくることでそれを叶えてきて。
アイテムは変わっても10年以上メイクの手法が変わらないのは、流行に流されない、という意味では悪いことではないと思うのだけれど、目を閉じても必要以上に強い自分を主張するクマのようなメイクに、私自身が飽きていたのかもしれないな。でも、目元がくすんでいるせいか
淡い色がちっとも発色しないし、目がはれぼったく見えるのも嫌だから、流行の単色アイメイクに踏み出す勇気がなかった。
そんなときに出会ったのがこのエレガンスのレヨンジュレアイズの04番・パープル！

（写真同上）

パーソナルカラーどんぴしゃのラベンダーカラー。指にとって手の甲にさっと塗っただけで肌のくすみを飛ばしてくれる繊細で美しいラメ。エレガンス特有のあの可愛すぎるパケ。すべてが完璧だった。
タッチアップもせずに（時間がなかったのだ）迷いなく「これください」と言っていた。クリームタイプのシャドウは、昔、某資○堂のを使って瞼が腫れ上がったことがあって敬遠していたのだけれど、そんなこともどうでもよくなっていた。最悪、皮膚科の薬を薄く塗ってその上から重ねれば大丈夫かなって（注・よい子はまねしてはいけません）。

そのときの私は、別にアイシャドウを買おうなんて思っていなかった。お金もないし、アイシャドウは今あるやつで充分、しばらく買わなくていいやと思っていた。
それが運命の買い物になるかどうかって、下調べじゃない。値段でもない。大事なのは直感と速度だ。どちらが欠けてもいけない。予想もしないときに出会うべくして出会い、買うべくして買う。
そしてそういう買い物だけが、自分を新しい境地に連れて行ってくれる。理屈じゃないのだ、お買い物は。

初めは塗る量がわからなくて左右で光り方が違ったり、塗る範囲が広すぎて顔の半分ラメ人間みたいになったりしたけれど、一週間もすると慣れた。目の上の淡く光るパールのような輝きは、二日酔いでグロッキーな日も瞳を明るく見せてくれた。そして、何を塗っても夕方には大体くすんでしまう私の瞼が、化粧を落とさずに寝ても起きたらちゃんときらきらしていることに驚いた（注・よい子はちゃんと化粧を落として寝ましょう）。そしてちゃんとクレンジングで落とせてラメが残ったりもしない！優秀！

結果的に、エレガンスのこの単色シャドウは、目の上にグラデーションを作って陰影を出さなければ人前に出ることができないという思いこみから、私を解放してくれた。
いつの間にか、あれ、目がぱっちり見えることってそんなに大事だったっけ？ 笑って半目になったときに濡れたようなツヤが見えたらそれも素敵なんじゃない？ って思うようになっていた。鏡の前で目を見開くのではなく、目を細めて笑ってみるようになった。
どちらが正しいとかじゃないけれど、そういう価値観の変化って、今までの自分のレパートリーにないようなアイテムに手を伸ばしてみたときしか得られないんだ、少なくとも私は。

というわけで、この二つは、ちょっと冒険したら新しい自分に出会えたよ！という意味で、こ買ってよかったものになったなあと思います。

まりこさんは、昔から、着る服とか持っている小物にもすごくこだわりがあったように思うけれど、最近買ってよかったものはある？　できれば家族や誰かのために選んだものじゃなく、自分のために買って自分がテンション上がったものの話が聞けたら嬉しいな！ 注文ごめん。 お返事待ってます。

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【ひっそりこっそり宣伝】
来たる2019年11月24日（日） #文学フリマ東京 （@東京流通センター）で、私と前出のメイコが、「コスメ・装い」をテーマにしたアンソロジーを出します。この日記のようにコスメやファッションについてたくさん語る予定なので、ぜひ遊びに来て本をお手に取っていただけたら嬉しいです！

表紙はこんな感じになる予定！
よろしくお願いいたします！