【監督インタビュー 高橋知子】 #02 道は自分で決める
1/27(土)に早稲田大学で上映する映画「きみは海」。監督の高橋知子さんへのインタビューをお届けします。
第2回は映画監督を志す編。会社を辞めて独立し、一から映画監督の道を歩み出します。(第1回はこちら)
作品そのものを自分で作りたい
最初は、フリーになることも映画監督になることも考えていなかったんです。就職した会社の社員として、いずれは映画のプロデューサーになりたいと考えていました。でも、勉強の為に仲間と初めて映画の自主制作をしてみたときに、気付いたんです。私は作品そのものを自分で作りたいーー。そう思い、プロデューサーではなく映画監督を目指そうと決めました。
今やらないと後悔する
安定した身分である会社員を辞めることには覚悟が必要でした。ですから、両親や友達、いろんな人に相談して。真っ向から反対されることもあったし、心から応援してくれる人もいた。いろんな意見を全て聞いたうえで、会社を辞めてフリーの映画助監督になることを自分で決めました。私はやっぱり人に感動を与えるものを作りたい。今やらないと後悔する。その思いが大きくなっていたからです。
助監督の仕事
映画の助監督とは、監督が脚本や演出に集中できるように、細かな演出を先回りして考える仕事です。例えば、主人公がインタビューを受けるシーンを撮影するとしたら、どんな取材道具が必要かを考えて小道具さんに伝えたり、カメラマン役の役者さんにはカメラの構え方を教えたり。監督から指示をされるわけではないし、何が正解かを誰も教えてはくれない世界です。周りを気遣い、自分で考えて決める必要があります。今では当たり前のこととして自然にできるようになりましたが、最初は難しかった。自分で考えることがどれだけ必要かを会社員時代以上にすごく感じました。
自分でチャンスを掴む
「八日目の蝉」「ソロモンの偽証」のメガホンを握った成島出(なるしま・いずる)監督が私の師匠です。成島監督の作品が以前から好きで、成島組がどう映画を撮るのか勉強したいと思っていました。ですから、成島監督と仕事したいといろんな人に伝えていて。その甲斐あって、一度声がかかったんです。でも、別の作品の予定が既に入っていてその時はご一緒できなかった。悔しくて、収入がなくなることを覚悟した上で予定をあけておいたんです。そしてまたいろんな人に成島監督と仕事をしたいと伝えました。そうして、念願叶ってご一緒することができました。
自分で映画を撮らないと始まらない
「きみは海」を制作するきっかけも、成島監督に影響を受けたからです。成島監督は自主制作をたくさんされてきた方。自分で映画を撮らないと始まらない、リスクを取らないといけない。成島監督の姿をみて、自然とそう考えるようになりました。
(聞き手・構成:池田千晴、聞き手:鎌田寿美、撮影:島田直樹)
高橋知子
1985年生まれ。大分県出身。早稲田大学政治経済学部、早稲田リンクス、福田耕治ゼミなどに所属。副専攻の映画映像コースで映画を学ぶ。映画宣伝、WEB制作の仕事を経て、2011年からフリーの助監督として多数の作品に参加。成島出監督に師事し、撮影スタッフやシナリオ助手を務める。 2017 年、初監督作品「きみは海」がレインボーリール東京、新人監督映画祭などで上映される。
「きみは海」
安藤快人は、恋愛コンプレックスのある大学生。バイト先のカフェで知り合った高瀬透子と交際するようになり、初めて本物の愛を実感する。しかしある日、快人は透子の様子がおかしいことに気付き、浮気を疑う。深夜にひとり泣いている透子を慰めると、年上の女性—弘華と関係を持っていることを告白される。透子と別れたくない快人は、交際を続けようと、あらゆる努力を始めて……。
早稲田ゼロハチ映画祭にて上映!
2018年1月27日(土) 13:30〜16:30
早稲田大学10号館109教室
どなたでも入場無料でご参加いただけます。
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